株式会社テレビショッピング研究所
通販の注文受付に多数のフリーダイヤルを使用
CXサポート導入で出来ていなかった分析が可能に
顧客応答品質の改善などに活用
株式会社テレビショッピング研究所
コールマネジメント部
テレマーケティング事業部 部長
葛城 賢二氏
「多数のフリーダイヤル回線全体を俯瞰して情報を取得できるようになったことが、CXサポート導入のメリットと捉えています」
株式会社テレビショッピング研究所
コールマネジメント部
テレマーケティング事業部 マネージャー
谷口 正洋氏
「CXサポートの分析結果をもとに、応答率の改善といった課題に対して、委託先コールセンターの管理者とより具体的に議論ができるようになりました」
課題
チャネル・マーケティングの観点から
媒体や商品別に多数のフリーダイヤルを割り当てるも、
その分析が課題に
今やすっかりおなじみとなったテレビ通販やカタログ通販。いわゆる「おうち需要」(自宅需要)の高まりもあって、市場は拡大を続けている。
テレビ通販やカタログ通販を手掛け成長を続けているのが、株式会社テレビショッピング研究所だ。
1998年に「ダイレクトテレショップ」というサービス・ブランドでテレビを使ったダイレクトレスポンスビジネスをスタート。「フレーバーストーンシリーズ」、「青汁三昧」、「スリムリフト」下着シリーズ、「H2Oスチームモップ」、「ジニエブラ」などの商品を扱ってきたことで知られ、実際にBS放送やCS放送などで「ダイレクトテレショップ」の名前を耳にする機会も多い(図1)。
テレビのほかに、インターネット、カタログ、新聞広告、およびダイレクトメールによるマルチチャネルにて事業を展開している。
顧客接点として使っているのが、NTTコミュニケーションズが提供する0120から始まるフリーダイヤルだ。全部で68番号があり、全社の代表電話、代表FAX、カスタマーサービス(個人情報相談窓口兼用)、お客さまご相談ダイヤルなどにそれぞれ個別に番号を割り当てているほか、残りの大半は商品注文の受付番号として使っている。
「当社ではチャネル・マーケティングの観点から、BS放送やCS放送の番組、カタログ、ダイレクトメール、新聞広告といった媒体別や、それぞれの商品別にフリーダイヤルを割り当てています。そのため、多くの番号を俯瞰して分析を行う必要がありました」と、同社の葛城 賢二氏は説明する。
図1. テレビショッピング研究所が提供するダイレクトテレショップの一例
(画面提供・テレビショッピング研究所)
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対策
すべてのフリーダイヤル/ナビダイヤル番号を俯瞰して分析できる
NTTコミュニケーションズの「CXサポート」を導入
媒体別や商品別の詳細な分析を行おうとすると次のような課題があったと、同社の谷口 正洋氏は説明する。「注文受付用に割り当てている各フリーダイヤル番号に対して、カスタマーコントロール(NTTコミュニケーションズから提供される管理ポータル)を通じて個々にトラフィック・データをCSVファイルとしてダウンロードしたのち、それらを手作業で集計する必要があり、実際には工数の関係から簡易的な分析しか行っていませんでした」。
前述の課題に対して同社が導入したのが、NTTコミュニケーションズの「CXサポート」である。0120または0800から始まるフリーダイヤル(FD)と0570から始まるナビダイヤル(ND)を対象に、トラフィック分析やグループ管理を実現するサービスだ(図2)。基本データは最長24カ月間保存されるため、長期的な分析や傾向把握にも活用できる。
CXサポートは、フリーダイヤルまたはナビダイヤルの契約者が無料で利用できる「無料プラン」と、番号数によらず月額25,000円(税込27,500円)で利用できる「スタンダードプラン」の2種類が提供されている。分析用テンプレートは、前者は4種類、後者は8種類が追加されて12種類である。
谷口氏は、「最初に無料プランを契約し使ってみたところ、機能が限定されていましたが、スタンダードプランでは、詳細なトラフィックの分析が可能で、フリーダイヤル番号を媒体別や商品別にグループ化が可能でポータル画面から簡単にできることが分かり、すぐにスタンダードプランへ変更をしました」と導入の経緯を説明する。
図2. NTTコミュニケーションズが提供する「CXサポート」サービスの利用イメージ
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効果
工数の制約から今までできていなかった分析が
CXサポートの導入によって可能になり、
分析結果を活用して顧客接点の品質向上を目指す
テレビショッピング研究所では、CXサポートで得たデータを、業務を委託している外部コールセンターの管理や、商品販売のマーケティングなどに利用している。
「よく使っている機能の1つが【呼数・分単位分析】です。テレビ通販で価格を出した直後に呼数が一気に増加し、『30分以内の特別価格』の場合はぴったり30分後に呼数が一気に減少します。カスタマーコントロールでは時間単位または10分単位でしかデータを照会できませんが、CXサポートなら分単位で完了呼数と不完了呼数の両方を把握できますので、ピークを含めてコールセンター席数の最適化に反映することができます」と葛城氏は説明する。
また、谷口氏は、「年齢の高いお客さまも多いため、あふれ呼(オペレーターが対応できなかった着信)を自動応答システムで受けてコールバックするようなやり方ではなく、オペレーターにきちんとつながることを重要な指標として設定しています。CXサポートの分析結果をもとに、応答率の改善といった課題に対して、委託先コールセンターの管理者とより具体的に議論ができるようになりました」とメリットを挙げている。
媒体別や商品別の呼数の確認に使っているのが【FD/ND番号グループ化】機能だ。「媒体別や商品カテゴリ別でグループ化することで、お客さまからの反応を簡単に集計できるようになったほか、委託先のコールセンター別でグループ化することで。それぞれの応答率や通話時間といった情報も簡単に分かるようになりました」(葛城氏)。
CXサポートのグループ化機能は、そのほかにエリア別や用途別など色々な単位で活用・分析できるため多数のフリーダイヤル番号やコールセンターを利用している企業にとって有効な機能だ。
このほかに、【直近3カ月トラフィック分析】画面をトレンドの把握に利用している。
こうした分析に要する工数は、カスタマーコントロールで回線ごとにCSVファイルをダウンロードして集計する場合に比べて、およそ1/10ぐらいで済んでいるのではないかと葛城氏は推測する。「今までできていなかったため単純な工数比較は難しいのですが、それよりも、多数のフリーダイヤル番号全体を俯瞰して情報を取得できるようになったことが、CXサポート導入のメリットと捉えています」(葛城氏)。
CXサポートを導入してまだ日が浅いため具体的な成果はこれからだが、今後はCXサポートで得た分析情報を活用しながら、コールセンター席数やフリーダイヤル回線数の最適化を図っていくとともに、顧客対応品質の向上やチャネル・マーケティングの改善などにつなげていきたい考えだ。
同社のように多数のフリーダイヤル番号あるいはナビダイヤル番号を用いている場合に、CXサポートはきわめて有効と言える。もちろん、回線数が少ない場合でも分析工数の削減効果は大きく、節減できた時間をサービスや運用の改善に活用できるため、回線数によらず導入が推奨される。
図3. CXサポートの【呼数・分単位分析】画面の例(テレビショッピング研究所の実際のデータではありません)
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株式会社テレビショッピング研究所
事業概要
ダイレクトテレショップ」のブランドで、テレビ、インターネット、カタログなどの媒体を通じて、健康食品・日用雑貨・家電・フィットネス・理美容商品などのダイレクトマーケティング事業を展開する。
URL
https://www.teleken.co.jp/
(PDF形式/485 KB)
(記載内容は2022年11月末現在のものです)
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