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TSK株式会社 代表取締役社長 永尾 達識氏

TSK株式会社
代表取締役社長

永尾 達識氏

「年配の社員もコツコツとデジタル化への対応に取り組んでくれました。今では70歳近い年齢の社員もテレワークで図面を作成しています」

TSK株式会社 営業部 部長 本庄 直氏

TSK株式会社
営業部 部長

本庄 直氏

「ほとんどの場合、これまで管理職が不在だと完全にストップしていた決裁業務が当日中に終わるようになりました」

TSK株式会社 営業部 次長 岡本 清嗣氏

TSK株式会社
営業部 次長

岡本 清嗣氏

「決め手はセキュリティとコスト。月々数百円でほしい機能を追加できる Google Workspace に魅力を感じました」

TSK株式会社 営業部 営業課 調査役 鈴木 寿之氏

TSK株式会社
営業部 営業課 調査役

鈴木 寿之氏

「決裁処理がどこまで進んでいるかが目に見えてわかるので、どこかで滞っていると事業所から催促の連絡が来るようになりました」

 

課題

Google Workspace でデータ管理を改善したものの
原材料高によってさらなる業務効率化が必要に

TSK株式会社(以下、TSK)のデジタル化による業務効率化の動きは、2017年前後に始まっていた。そのきっかけはデータ管理システムの刷新だった。同社のシステム担当でもある営業部 次長の岡本氏は「以前はNAS(Network Attached Storage)にデータを保管していたのですが、アクセスログが取得できない点などからセキュリティに不安があり、検索機能が脆弱だったため管理業務も煩雑になっていました」と、当時の状況を振り返る。データのバックアップは個人に任されており、NAS上に置く者もいれば個人で外部メディアに保存する者もいたため、データを探すだけでも多大な手間がかかっていたという。

そこでグループウェア「 Google Workspace 」を導入し、NASデータの Google ドライブへの移行を進めることに。導入の決め手はセキュリティとコストだった。「Google のデータサーバーは国外に分散しているということで、自然災害の多い日本にデータを置かずに済む点を評価しました。他社のグループウェアも検討したのですが、私たちが満足できるスペックを求めると導入や運用にかかるコストが非常に大きくなってしまうことがわかりました。その点、月々数百円でほしい機能を追加できる Google Workspace に魅力を感じました」(岡本氏)。

Google Workspace を導入したTSKでは、まず Google ドライブに部署共有のフォルダーと個人専用のフォルダーを割り当て、そこに個人PCデータのバックアップを置くフローに統一。さらに Google サイトで構築した社内サイトに事務連絡や人事発令、事業計画や中期経営計画などを一括掲載。情報の一元管理を実現した。「クラウド拡張ツールである『 rakumo 』との連携で使いたい機能を追加できる点と、柔軟かつ迅速な検索機能は業務効率化に大きく役立ちました」と、岡本氏は Google Workspace の使いやすさを高く評価している。

一方でNASにあったデータを Google ドライブに移行する際にかかった手間は想定外だったという。「移行できるデータ量の上限を超えていたためエラーが発生してしまいました。データを分けて移行することで対応したのですが、当時は社内ネットワーク回線のスピードが速くなかったため、すべてのデータをアップロードするのに1カ月以上かかってしまいました」(岡本氏)。現在はすべてのデータを Google ドライブに格納し、安全な環境で運用を行なっている。

こうして着々とデジタル化の下地づくりを進めてきたTSKだったが、近年、さらなる課題が生じていた。それが原材料高とコロナ禍だ。

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対策

決裁業務をデジタル化して効率化を推進
テレワークに対応しつつ業務負担を軽減

TSKはB to Bでの部品や部材などの販売を主な業務としているため、昨今の原材料高の影響は甚大だった。材料の値上げ分を価格に転嫁できない場合もあり、「利幅が減る以上、経費を削減する必要があります。全国の営業所を合わせても30名規模の会社ですから、経費削減の手段としてはデジタルテクノロジーによる業務の効率化が最も効果が大きいと考えました」と同社 代表取締役社長の永尾氏は語る。「また、コロナ禍によって当社でもテレワークを導入しなければいけなかったのですが、当時はまだ紙文化が根強く、上程する専決事項が決まっている当社では、直接会えないテレワークだと業務が滞ってしまう懸念がありました」(永尾氏)。

営業部 部長の本庄氏も、「以前は社内稟議を取るために必要書類を紙に出力し、上長に提出、押印してもらわなければ決裁業務が進められませんでした」と振り返る。顧客から注文を受けても、上長が出張や外出で不在にしてしまうとその日数分決裁が遅れ、発注が滞るといった弊害が生じていたという。それはテレワークの導入によって、より顕著になっていた。

また、本来営業所単位で対応すべき業務を本社営業部が肩代わりするフローにも改善の余地があった。営業部 調査役の鈴木氏は「全国の営業所から意思決定に関する問い合わせがメールで寄せられ、本社営業が承認処理を一括して行う慣習があり、このやりとりがタイムロスにつながっていました」と問題を指摘する。

永尾氏からこれらの課題解決のリクエストを受けた岡本氏は、「 rakumo ワークフロー」の導入により対応を進めた。rakumo ワークフローは rakumo の電子稟議システムで、稟議書や申請書をデジタル化し、電子承認フローを実現できる Google Workspace の機能拡張ツールだ。rakumo ワークフローを導入した結果、外出先からでも申請、決裁ができるようになり、本庄氏は「スマートフォンでも操作可能なので、テレワークをしていても問題ありません。ほとんどの場合、これまで管理職が不在だと完全にストップしていた決裁業務が当日中に終わるようになりました」とその効果を語る。事業所との業務分担についても、「各事業所が rakumo ワークフローに必要事項を記載し、本社営業部はオンラインで確認するだけで済むようになりました」(鈴木氏)。

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効果

意思決定までの期間を大幅に短縮
70歳近い年齢の社員もテレワークで図面を作成

多くの社員にとって、Google Workspace の機能を活用しながらテレワークできる環境はプラスに働いていると本庄氏。「自宅で集中して作図作業などに取り組めるため、生産性は上がったと感じています」。出退勤報告や物品購入の申請など決裁以外の申請書もすべてデジタル化したことでペーパーレスも進み、意思決定までの期間は大幅に短縮されたという。

また、業務の見える化も進んでいる。「 rakumo ワークフローで決裁処理がどこまで進んでいるかが目に見えてわかるので、どこかで滞っていると事業所から催促の連絡が来るようになりました」と鈴木氏。社内の情報共有が進むことで、営業所含め全社的な業務効率化に向けた意識の高まりを感じているという。「 rakumo カレンダーも役立っています。各グループのカレンダーを閲覧できるので、いま、誰がどこでどんな業務に就いているのかひと目で把握できるようになりました」(鈴木氏)。昔ながらの手書きホワイトボードも残ってはいるものの、実際の稼働状況はすべてPCやスマートフォンで確認できるため、スケジューリングも容易になっている。

デジタル化を進めるなかで、社員の対応スピードには多少の差があった、と永尾氏。「年齢層が少し高めの会社ですから。ですが、そういった方々も課題は感じていたようで、若手社員にOJTを依頼するなどしてコツコツとデジタル化への対応に取り組んでくれました。今では70歳近い年齢の社員もテレワークで図面を作成しています」(永尾氏)。

Google Workspace の本格導入からまだ期間も浅いので数値化されているわけではないが、業務効率化とそれにともなう経費削減が進んでいる感覚はあると永尾氏。以前は四半期に1回本社に集合して行われていた事業所長会議も、現在は Google Meet によるビデオ会議で毎月行われており、「今後は rakumo ボードを活用して伝達事項をやり取りすることで、毎日の朝礼と終礼の省略化にも取り組んでいきたい」と、さらなる効率化を目指す。

岡本氏は「外出先やテレワークではスマートフォンだと操作性がやや劣るので、タブレットを導入して支援していきたいですね」と、利用デバイスの改善を視野に入れている。これまでは Google Workspace や rakumo の機能を使いこなすのに手一杯で新たな活用方法を検討する余裕がなかったが、今後は積極的に情報を集めて自社に還元していきたい、と語る。「NTTコミュニケーションズには他社の事例などをお聞きしたいですし、勉強会などもあればぜひ参加していきたいです」と意欲満々だ。

経営層がデジタル化による業務効率化の意義を理解し、その求めに応じてシステム担当者が適切なソリューションを提案、現場も協調してデジタル化の効果を高めていく。こうしたTSKの取り組みは、業界を問わない理想的なDXの進め方として大いに参考になるのではないだろうか。

※ Google Workspace、Google カレンダー、Google ドライブ、Google サイト および Google Meet は Google LLC の商標です。

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TSK株式会社

TSK株式会社

事業概要
ハイウェイ・トール・システム株式会社(現高速道路トールテクノロジー株式会社)のメンテナンス部門と販売部門を事業分割して2006年に設立。川崎市の本社に加えて全国6カ所に事業所を持つ製造販売企業。提供サービスは多岐に渡っており、製品の部品や部材の手配も含めた業務を展開している。

URL
https://www.tsk-toll.co.jp/index.html



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