住友ゴム工業株式会社
テレワークにも対応できる電話環境を整備
Microsoft Teamsを用いた外線での発着信を実現
住友ゴム工業株式会社
デジタル企画部
課長
三代 良氏
「サービスの評価は時間をかけて行いましたが、その後の導入はスムーズでした。その際、NTTコミュニケーションズには非常に親身に対応してもらいました」
住友ゴム工業株式会社
デジタル企画部
課長代理
福元 栄隆氏
「Direct Calling for Microsoft Teamsは、Microsoft Teamsにトラブルが発生しても代表番号の発着信が可能で、安心して利用できると判断し導入を決断しました」
課題
コロナ禍により準備が整う前にテレワークに移行
テレワーク中でも使える電話環境の整備が課題
「DUNLOP」と「FALKEN」の2つのブランドで、自動車や建設車両、産業車両などに対して幅広い製品を提供しているタイヤ事業、ゴルフやテニス、バドミントンといった競技で使用するアイテムを販売するスポーツ事業、そして産業インフラから医療、生活、ヘルスケア用品まで、幅広い製品をラインナップする産業品事業により、グローバルでビジネスを展開しているのが住友ゴム工業株式会社(以下、住友ゴム工業)である。
同社は2020年に開催される予定だった大規模スポーツイベントに備え、東京本社など都内にある拠点において、テレワークやサテライトオフィスで業務を遂行するための環境整備を進めていた。それにはイベント開催中の交通混雑を緩和し、参加する選手や関係者のスムーズな移動を実現することが、政府などから求められていたという背景があった。
この準備を進めている中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、同社の東京都内のオフィスではテレワークを基本とする方針が打ち出された。同社の三代良氏は「それ以前からテレワークに向けた取り組みを進めていましたが、準備が整う前に急きょテレワークになだれ込むことになりました」と話す。
このようにテレワークを進める中で、課題となったのが電話だった。テレワークとなれば、当然ながらオフィスに設置されている固定電話を使って発着信することはできない。固定電話の代わりに携帯電話を用いる手もあるが、個人所有の携帯電話を業務で利用する場合は、業務で利用した通話分まで従業員個人に通話料が請求されてしまうという問題や、どこにいてもかかってくるかもしれないという状況に対する抵抗感が予想される。また、代表番号宛にかかってきた電話を交代で出社して対応にあたる必要が出てくることなども課題となってくるだろう。
さらに住友ゴム工業では、東京都内にあるオフィスを縮小し、原則としてテレワークで業務を遂行する方針が打ち出されたため、一時的な対応ではなく、将来も見据えた形で電話の問題を解決する必要があった。
このページのトップへ
対策
Microsoft Teamsで外線の発着信が可能なサービスを導入
サービス選定では固定電話番号を使えることを評価
テレワークにも対応できる電話環境を整える際、その“ベース”として使うことを検討されたのがマイクロソフトのコミュニケーションツールである「Microsoft Teams」だ。
「社内でMicrosoft Teamsを利用する機会が増え、オンライン会議も利用していたうえ、一部では内線電話の代わりに利用するようになっていました。そのような中、『Direct Calling for Microsoft Teams(以下、Direct Calling)』を知り、Microsoft Teamsを使って外線で発着信ができるサービスの導入を検討するようになりました」(三代氏)
Direct CallingはNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)が提供するサービスであり、Microsoft Teamsが利用できるPCやスマートフォン、タブレット端末があれば外線による発着信が可能になるものだ。住友ゴム工業では、このサービスのほか、いくつかの同種のサービスを比較検討している。その結果、最終的にDirect Callingを選定した。
Direct Callingは、同じくNTT Comの企業向けIP電話サービスである「Arcstar IP Voice」と組み合わせることにより、発信時に「03」や「06」などから始まる固定電話の番号を通知することが可能なうえ、Arcstar IP Voiceの転送機能を利用することでオフィスの固定電話にかかってきた電話をMicrosoft Teamsで受けることができる。これにより、代表番号宛にかかってきた電話に、在宅で業務をしている従業員のMicrosoft Teamsで応対することも可能である。
Direct Callingを選んだ理由の1つとして、同社の福元栄隆氏が挙げたのは安心感だった。「比較検討したそのほかのサービスは、Microsoft Teamsにトラブルが発生したとき、外線に加えて代表番号の発着信も不可能になる仕様でした。一方Direct Callingは、Microsoft Teamsにトラブルが発生しても、代表番号はArcstar IP Voiceがあるおかげで影響はなく、単独でも発着信が可能で、安心して利用できると判断して導入を決断しました」
図 システム構成図
このページのトップへ
効果
Microsoft Teamsを土台とした電話環境を整備
テレワークに対応できる電話環境を安価に実現
Direct Callingを選定した住友ゴム工業は、2020年7月から社内の一部で試験的に利用を開始した。そこで固定電話の代わりとして十分に利用することができると確認できたことから、同年12月には東京都内のオフィスに勤務している従業員を対象として全面的に導入に踏み切った。
これにより、テレワーク中でもMicrosoft Teamsを使って外部への電話連絡ができるうえ、代表番号にかかってきた電話を自宅で受けられるようになった。Direct Callingを導入する前は、代表番号宛の電話を受けるために従業員が出社するケースもあったが、それが不要になったわけだ。
三代氏は、Direct Callingの導入はスムーズに進んだと語る。
「サービスの評価は時間をかけて行いましたが、その後の導入はスムーズに進みました。その際、NTT Comには非常に親身になって対応していただいたと感じています」
また福元氏は、Direct Callingを使った新たな電話環境に対して、実際のユーザーである従業員からのお問い合わせは少なかったと振り返った。
「導入後、Direct Callingの使い方などについてのお問い合わせはそれほど多くありませんでした。使い慣れたMicrosoft Teams上で利用できることも理由の1つかと思いますが、マニュアルだけで十分に利用できていて、スムーズに展開できたと考えています」
導入効果として福元氏が挙げたのは、従業員への携帯電話の貸与と比較して、安価にテレワークでも利用できる電話環境が整えられた点だ。
「外部との通話のために各従業員に携帯電話を貸与する場合、端末とランニング費用の負担が極めて大きくなります。しかしDirect Callingであれば、安価なライセンス料でテレワークにも対応できる電話環境を構築することが可能であり、これによってコスト負担を抑えられたことは大きなメリットでした」
取材時点において、住友ゴム工業では約700名の従業員がDirect Callingを利用しているが、今後のさらなるテレワークの推進やオフィスのフリーアドレス化に合わせて、利用を拡大していく方針である。そのうえで、将来的にはPBXレス化も視野に入れているという。Direct Callingを利用し、外線まで含めてMicrosoft Teamsをコミュニケーションのための基盤にすれば、PBXが不要となり、さらなるコスト削減が図れるだろう。
コロナ禍によってワークスタイルは大きく変革し、働き方の1つとしてテレワークが定着しつつある。こうした多様な働き方に対応できるコミュニケーション基盤をどのように整えていくかを考える際、住友ゴム工業の事例は大いに参考になるだろう。
このページのトップへ
住友ゴム工業株式会社
事業概要
1909年創業。独自のゴム技術を生かして、タイヤ事業からスポーツ事業、産業品事業まで多岐にわたる事業を展開している。
URL
https://www.srigroup.co.jp
(PDF形式/536KB)
(掲載内容は2021年11月現在のものです)
関連リンク