ハイブリッドワークとはオフィスに出社して働くオフィスワークと、自宅やコワーキングスペースなどで働くテレワークを組み合わせた働き方です。
社員Aはずっとオフィスワーク、社員Bはずっとテレワークといった硬直的な働き方ではなく、社員AもBもその日どこで働くかを自分の判断で選べる点が特徴です。
たとえば、自分一人で集中する必要がある業務の場合は自宅でテレワーク、チームメンバーとの共同作業が必要なときはオフィスワークといった具合です。
ハイブリッドワークとはオフィスに出社して働くオフィスワークと、自宅やコワーキングスペースなどで働くテレワークを組み合わせた働き方です。
社員Aはずっとオフィスワーク、社員Bはずっとテレワークといった硬直的な働き方ではなく、社員AもBもその日どこで働くかを自分の判断で選べる点が特徴です。
たとえば、自分一人で集中する必要がある業務の場合は自宅でテレワーク、チームメンバーとの共同作業が必要なときはオフィスワークといった具合です。
新型コロナウイルス感染症の拡大が社会問題となって以降、テレワークが急速に普及しました。しかしテレワークが普及するにつれて、以下のようなデメリットが明らかになってきました。
しかし、テレワークには以下のようなメリットがあることも事実です。
そこで、テレワークとオフィスワークのよいとこ取りをするため、状況に応じて勤務場所を選べるハイブリッドワークが注目されてきました。
ZoomとSurveyMonkeyが2021年3月に実施した共同調査によると、米国に拠点を置く約1,500人のリモートワーカーのうち、65% が、ハイブリッドワークが理想だと回答しています。
またパーソルキャリア株式会社が2022年8月発表した「doda ビジネスパーソンと企業のギャップ調査」によると、ハイブリッドワークを導入している、または導入意向のある企業は82.8%でした。
海外でも日本でもハイブリッドワークが今後の主流となりつつあるといえるでしょう。
ハイブリッドワークにはさまざまなメリットがあります。
先述したように、従業員はハイブリッドワークを好むことが明らかになっています。ハイブリッドワークを導入し柔軟な働き方に対応することで、「ワークライフバランスを考慮してくれる会社である」「社員のことを考えてくれている会社である」との意識が高まり、従業員エンゲージメントが高まります。
また、ハイブリッドワークにおいては、従業員の家族のエンゲージメントが高まるのもメリットです。従業員が柔軟な働き方をしていると、その家族の生活にもよい影響がおよびます。したがって、家族が従業員の仕事に理解を示すようになり、協力するようになります。
ハイブリッドワークを導入すると従業員の生産性は高まります。なぜなら、そのときの業務に最適な職場環境を選べるからです。
たとえば集中したい作業のときに騒がしいオフィスや、家族の生活音が大きい自宅などで作業するのは生産性を低下させます。そのような作業のときは個室ブースのあるシェアオフィスやコワーキングスペースが望ましいかもしれません。
また、チームメンバーと共同作業をしないといけないのにリモートワークをするのも生産性が落ちます。近年は遠隔で共同作業をするためのさまざまなツールが登場していますが、やはり共同作業では、対面が最も生産性が高まるものです。
ハイブリッドワークにすると、オフィスの規模を縮小できる可能性があります。常に社員全員がオフィスにいるわけではなくなるからです。ハイブリッドワークにすると、オフィスの座席数を減らせます。そのぶん、オフィスの規模を縮小してもよいですし、スペースの有効活用もできます。
ハイブリッドワークにすると、人材採用に有利になる可能性が高いです。昨今は多様な働き方やSDGsなどについて求職者の関心が高まっているからです。とくにZ世代と呼ばれる若い人材は、就職先を選ぶ際に多様な働き方やSDGsへの取り組みを重視すると言われています。
企業の新入社員研修事業を展開する株式会社ジェイックが2022年6月に発表した調査によると、同社の新入社員研修受講者の4割以上が「ハイブリッドワークを希望」と回答しています。
ハイブリッドワークでは、育児や介護などで自宅での勤務を希望している人材も退職せずに働き続けられます。必然的に子育て世代の優秀な人材も集まりやすいのです。
ハイブリッドワークには課題やデメリットもあります。メリットとデメリットを考慮して導入しましょう。
オフィスワークに比べてハイブリッドワークのほうが情報セキュリティの確保が難しくなります。ハイブリッドワークではインターネットを介した通信が当たり前になるからです。
オフィスワークだけなら全員が社内LANに接続していますので、社外から社内への不審なアクセスをファイアウォールで遮断すれば済みました。しかし、ハイブリッドワークでは社外で勤務している社員が社内システムにアクセスしたり、クラウドサービスを利用したりします。今までと比較して通信やデータの場所が分散しており広範囲を保護するセキュリティが必要になるのです。
先述したように、リモートワークの欠点は社内コミュニケーションが希薄になることです。これは出社組とリモート組の間で社内コミュニケーションの密度に差が出ることを意味します。
必然的に出社組が業務上の意思決定の中心になり、リモート組の意思は反映されにくくなってしまいがちです。リモート組は疎外感を覚えたり、モチベーションが下がったりします。ひいては生産性低下の原因にもなるのです。
情報格差などの理由からハイブリッドワークでは社内コミュニケーションを円滑にするための設備投資が必要になります。たとえば、ビデオ会議、ビジネスチャット、グループウェアなどです。また、セキュリティ対策のための費用も別途必要になることが多いです。
ハイブリッドワークのデメリットとして、勤怠管理の難しさが挙げられます。リモートの勤怠とオフィスの勤怠を総合して管理しないといけないからです。しかも日によってオフィスで働く人とリモートで働く人が違うので、これらをシームレスに管理しなければなりません。
勤怠管理システムがオフィスワークにしか対応していない場合には、オフィスワークでもテレワークでも同じ操作で打刻ができ、一括で集計できる勤怠管理システムが望ましいです。
ハイブリッドワークを導入する際にはいくつかのポイントがあります。
ハイブリッドワークを導入すると社内コミュニケーションに問題が出やすくなります。とくに出社組とリモート組の情報格差には対策を取らないとネガティブな結果につながります。
コミュニケーションのためのツールを整備しましょう。たとえば以下のようなカテゴリのツールの導入を検討するとよいでしょう。
ハイブリッドワークを導入すると、オフィスワークだけの形態に比べてセキュリティの確保が難しくなります。したがって、複数のセキュリティツールを組み合わせて万全の体制を構築する必要があります。
たとえば以下のようなツールが有効です。
ハイブリッドワークを導入する際には運用ルールを策定しましょう。先述したように、ハイブリッドワークにおけるコミュニケーションの密度はどうしても出社組に集中してしまうので、リモート組が付いてこられるようにツールを使った報告・連絡・相談を確実に実施するなどのルールが必要です。
セキュリティのルールも必要です。私物のデバイスを容認するのか禁止するのか、IDやパスワードはどのように管理するか、端末が異常な動作をしたときにどのように対応するか、など細かく策定する必要があるでしょう。
ハイブリッドワークの導入と同時にオフィス環境も改革しましょう。先述したようにハイブリッドワークでは、常に全員がオフィスにいるわけではありません。オフィスが効率化できないか検討し、コストを下げることが可能です。
具体的には以下の施策が考えられます。
ここからはハイブリッドワークの活用例4社をご紹介します。
NTTコミュニケーションズでは三位一体の取り組みとして、以下の3つの要素を軸にハイブリッドワークを推進しています。
このような施策を実施した結果、以下のような成果が上がっています。
クラウドサービス運営会社A社は人材確保のために「働きやすい会社」を目指し2010年にハイブリッドワークを導入。当初は社員から大不評でネガティブな意見が主流でしたが、12年の試行錯誤を経て現在ではすっかり定着、東京オフィスの出社率が10%台まで低下するなど多様な働き方が可能な会社となりました。
その秘けつはオフィスの環境を可能な限りリモートで再現したことです。気軽な雑談ができるシステムや、オンラインの会議がしやすくなるシステム、情報格差を解消するシステムなどを導入した結果、成功につながりました。
アメリカに本社を置くIT機器開発会社B社はハイブリッドワークを導入していますが、他社に無い特色として、Web会議の臨場感に非常にこだわっている点が挙げられます。
たとえば高臨場感の映像、高音質のマイク、ノイズ検知、顔認証を利用した自動での名前表示など高機能なWeb会議システムを開発し、場所に依存しない働き方を浸透させているのです。そのほかにも「オフィスの固定電話のスマホアプリ化」「Wi-Fi位置情報を利用した社内のソーシャルディスタンスの可視化」など、先進的な取り組みを続けています。
外資系オフィス機器開発会社C社は完全なリモートワークを実施していましたが、現在は部分的にオフィスに回帰し、ハイブリッドワークとなっています。
なぜなら完全なリモートワークを続ける中で、以下の気づきがあったからです。
また、リモートワークを続ける中で「どのような部門でもリモートワークはできる」という結論に至ったと言います。そして「リモートワークでも業務が可能ならば、オフィスの役割はイノベーションの創出となる」という結論に至り、オフィス改革にも着手しています。
現在では完全なフリーアドレスではなく、固定座席でもなく、ゆるくエリアを指定する方法を採用しているそうです。試行錯誤の末、自然に仲間意識と自由なコミュニケーションが醸成される方法としてそこに至ったからです。
国内の大手文具メーカーD社は、ウェルビーイングを社内と社会で実現することを目標としています。多様な価値観によって新しい化学反応を生み出すために、ハイブリッドワークへの転換を目指し、新しいオフィスの在り方に取り組んでいます。
また2022年1月からハイブリッドワークのためのガイドラインを整備。より自分らしい働き方ができるよう、環境構築を進めています。
ハイブリッドワークはこれから主流となり得る働き方です。コロナ禍を経て、リモートワークでも業務が可能であること、そして、リモートワークにもオフィスワークにもさまざまなメリットとデメリットがあることが明らかとなりました。
ハイブリッドワークを導入し、オフィスにおけるコミュニケーションとイノベーション、そしてリモートワークにおけるワークライフバランスを適切に組み合わせることで生産性を向上できるのです。ぜひ導入を検討してみてください。
NTTコミュニケーションズでは、ハイブリッドワーク導入に関連するさまざまなソリューションをご提供しています。お気軽にご相談ください。
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