ゼロトラストとは、その言葉のとおり「信頼(Trust)を何に対しても与えない(Zero)」という前提に立ったセキュリティ対策の考え方です。
機器の持ち出しが「特殊ケース」として扱われていた従来のセキュリティ対策では、社外→社内、あるいは社内→社外といった「情報の境界線」を越える場合のリスク対策をすることが基本でした。
ですが冒頭にも書いたように、昨今は会社の中と外という境界線の引き方自体が機能しなくなりつつあります。また、次の章でも触れますが、社内といえども不正な情報漏えいのリスクもあります。
こうしたことを踏まえ、ゼロトラストでは次のような観点で安全性の確認を行います。
- 許可されたユーザーからのアクセスであるか
- 通常と異なるロケーションからアクセスがないか
- そのほか不審な振る舞いが発生していないか
- 利用しているクラウドサービスにリスクがないか
なお、ゼロトラストとはセキュリティにおける考え方であり、特定の製品ジャンルを指しているわけではありません。さまざまなシステムやツールなどによってゼロトラストなセキュリティアーキテクチャを実現する、というのが正しい認識です。