学校法人中野学園 オイスカ浜松国際高等学校 様
学生証、教職員の身分証のペーパーレス化にSmart Me®を導入。
学校にとって新しいペーパーレス化の取り組みで紙ベースより約72%のコスト削減を実現。
「すべての人々がさまざまな違いを乗り越えて共存し、地球上のあらゆる生命の基盤を守り育てようとする世界」を目指して環境教育、農村開発、人材育成に取り組む公益財団法人オイスカ。
そんな同社がどのようにSmart Me®を活用しているのか、導入前の課題から導入後の効果、実際に利用する生徒様の声などをお話しいただきました。
組織概要
学校法人中野学園 オイスカ浜松国際高等学校
所在地:〒168-0063 静岡県浜松市中央区和地町5835番地
学校案内URL:https://www.oisca.ed.jp/school/
導入前の課題
これまで事務職員は、身分証明書用の写真を広報部で撮影し、ラミネート加工後に発行する作業をしていました。この身分証明書は手作業で台紙に写真を取り込む必要があり、膨大な労力が必要です。また、再発行も手作業で対応していたので、時間と労力の両面で負担が大きいものとなっていました。
事務担当者はこの作業のために夜遅くまで働き、毎年4月はほぼこの作業に費やされていました。経費自体は大きな負担ではありませんでしたが、労働コストは無視できないものでした。
このような状況を見直すべく、私たちは身分証明書のデジタル化に目を向けました。当初はカード型のみを想定していましたが、スマホ版の存在を知り、ICT化・DX化を進める流れに乗ることを決め、Smart Me®の導入を決定しました。
導入を決めた理由
コストをなくしたい
コスト面についてです。カード型の身分証明書を発行すると、生徒一人当たり年間450円、3年で合計1,350円の負担がかかります。これに対しSmart Me®は生徒一人当たり330円で、4年間利用可能です。この価格差は、導入を決める際の重要なポイントでした。
アンケート結果
アンケート調査の結果も導入を決定するうえで重要なポイントになりました。
教職員に行ったアンケートでは、75%の先生がスマホ版を支持しています。
支持理由には、紛失の心配がないこと、作成の手間が省けること、経済的であること、時代に合っていることなどがあげられました。
多数の教職員が賛成し、コスト面でもスマホ型が有利であるため、私たちはデジタル身分証を導入する流れで進むことを決めました。さらに、信頼できる提供元としてNTTさんがあったため、カード型とSmart Me®の見積もりを行い、アンケート結果も参考にしながら最終的な導入に至ったというわけです。
導入効果
利用状況
スマホ版のデジタル身分証は、生徒と教職員合わせて約500人が利用しています。
用途としては、カラオケや外出時に学生証を提示するなど、紙版からスマホ版へ移行しても変わっていません。現在は全学年がスマホ版を利用し、紙の身分証は発行していません。
2、3年生は以前まで紙版を利用していたのでスムーズな移行ができるか不安でしたが、特に大きな問題はなくデジタル身分証に移行できています。また、1年生は初めからスマホ版を使用していたので、2、3年生に比べるとスムーズに導入できた印象です。
コストカット
スマホ型の身分証明書の発行により、72%のコストカットを実現できました。従来まで初回発行時には、人件費として時給が3,000円で月15日勤務、総額135,000円のコストがかかっていました。さらに用紙、ラミネート、インク代が20,000円です。再発行には人件費22,500円と材料費2,250円が別途かかるため、全体で179,750円のコストがかかります。
しかし、Smart Me®を導入してからは、これまで発生していた労働コストを3分の1(45,000円)まで削減でき、大幅なコストカットにつながりました。
また、以前は名刺用紙にインクジェットプリントで印刷し、カットしてラミネート加工する作業が必要でした。1枚につき約10分かかり、年間で約400枚の作成は、非常に手間がかかる作業です。
しかし、デジタル身分証に移行してからは、これまでの手間も不要になったため、事務担当者も労働時間・労働負担の削減を実感しています。
学生が喜んでいる
2、3年生の70%がスマホ版を好むと回答し、その利便性、紛失の心配がない点、いつでも持ち歩いてすぐに使えることを理由にあげています。
一方、残りの30%では、慣れるまでに時間がかかるなどの意見もありましたが、移行作業もあった中で大多数の学生が喜んでいるのは良かったなと思いました。
また、1年生の75%もスマホ版の利便性を高く評価し、いつでも持ち歩ける、紛失の心配がない、使用が容易といった点を好評価しています。
定期券購入もSmart Me®で可能
鉄道会社へ問い合わせをしてOKを取った
身分証明書の利用シーンとして、定期券購入の際に生徒が使用する近隣の交通機関(JR東海、遠州鉄道、天竜浜名湖鉄道、静鉄掛川バス会社)に問い合わせを実施しました。JRを除き、その他の会社では問題なくその場で許可が下りました。
JRからは数日後、「旅客営業規則170条」を満たせば形式(紙やデジタル)に関わらず受け入れ可能との回答を得られ、身分証明書の利用が正式に認められました。
おすすめする学校・今後の期待
Smart Me®はどのような学校におすすめですか?
先進的な取り組みに興味がある学校には、特におすすめです。私立校では、校長や理事長の判断で迅速に変更を行えるため、動きやすい学校から先行して導入していくのがいいのではないでしょうか。画期的なシステムであるため、将来的にはすべての学校に利用が広がるべきだと思います。
Smart Me®への今後の期待について教えてください。
アンケート調査から、地方ではカラオケやゲームセンターでデジタル身分証明書が受け入れられないケースがあることがわかりました。これは身分証といえばカードという固定観念が原因のようです。そのため、NTTさんにはこの新しい形の身分証明書を全国的に広める取り組みを強化していただきたいと思います。
また、少数ですがスマホを持っていない生徒も存在します。そういった生徒が学習端末(iPad、Chromebook)で身分証を使用できるようにする、またはLINEでの登録を可能にすることで、より利用しやすくなるのではないかと思います。
公益財団法人オイスカ様の学校紹介
SDGsやサステナブルに力を入れている
当校はSDGsとサステナブルを重視しており、Smart Me®の導入もこれらの価値観に合致しています。このシステムは紙資源の節約に貢献し、学校運営の方針とも一致しています。
また、オイスカのピンバッジはサステナブルな素材である富士北麗のヒノキ間伐材を使用しており、これも学校のサステナビリティへの取り組みを象徴しています。
多様性に対応した学校
学校としては、多様性を受け入れ、生徒一人ひとりが自らの可能性を探求できる環境を提供しています。20%の生徒が外国籍であり、1学年に15人から20人の留学生がおり、地域の多文化背景も反映しています。
浜松にはブラジル銀行もあり、ブラジルコミュニティが盛んな地域です。
また、インドネシアからの生徒も増えており、宗教的なニーズに対応するために礼拝の時間も設けるなど、多様性に対応できる学校として力を入れています。
さらに、当校はメディアにも露出し、中高生ニュースで特集が組まれるなど、多文化なコミュニティとしての特色が認識されています。オイスカは多種多様な子たちの集団ですので、そういった部分も見ていただけると嬉しいです。