テレワークの実施率はコロナ禍以前より高い!テレワークの実施率を上げるためには
公開日:2024/9/6
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、多くの企業がテレワークを導入しました。現在では、仕事や日常生活における影響は薄れつつありますが、テレワークの実施率は依然としてコロナ以前より高い水準を保っています。
本記事では、テレワークの実施率や、コロナ禍と比べて実施率が減少傾向にある理由、テレワークの実施率を高めるための具体的な取り組みについて紹介します。今後もテレワークを実施しようと思われている企業や、これから取り組もうと考えている企業は、ぜひ参考にしてください。
テレワークの実施率について
国道交通省では、テレワーク関係府省と連携してテレワークの普及促進に取り組んでおり、『テレワーク人口実態調査』の実施を行っています。
『令和5年度のテレワーク人口実態調査結果(テレワーク実施状況の変化)』では、雇用型テレワーカーの割合が令和4年度調査から1.3ポイント減少し、24.8%の結果となりました。
令和4年度が全国で26.1%の実施率のため、緩やかに減少はしているものの、コロナ以前の平成30年度は16.6%だったため、コロナ以前と比べると依然として高い実施率であることがわかります。
テレワークによる生活満足度への影響
国土交通省が調査した『令和5年度のテレワーク人口実態調査結果(テレワークは生活満足度を上げるのか下げるのか)』では、テレワークによる生活満足度への影響についても調査結果を公表しています。
テレワーク普及による個人や社会への影響について、良い部分としては『通勤の負担が軽減される』といった声が多く、悪い部分としては『運動不足や外出が減る』といった声が多くみられました。
また、テレワークによる生活満足度の変化について、同調査では東京都市圏移住者に質問したところ、約4割が生活全体の満足度が上がったと答えており、その中でも『子育てのしやすさ』や『心の健康』への満足度が上がった割合が約3割と高い調査結果が出ています。
テレワークが日常の生活行動や都市に与える影響
国土交通省の『令和5年度のテレワーク人口実態調査結果(テレワークが日常の生活行動や都市に与える影響)』では、テレワークが日常の生活行動や都市に与える影響も調査しています。そこでは食料品・日用品の買い物について、勤務地の近くでの買い物頻度が減少傾向にあり、自宅近辺やオンラインでの頻度が増加していることが分かっています。
また、食事や趣味・娯楽、運動についても同調査では、勤務地の近くでは減少傾向にあり、オンラインでは全ての活動頻度が増加傾向であることがわかっています。
自宅近くにおいては、食料品の買い物のほかに、散歩や運動の頻度が増加し、食事や趣味・娯楽の頻度は減少傾向となっています。
東京都内のテレワーク実施率について
国土交通省の『令和5年度のテレワーク人口実態調査結果(テレワーク実施状況の変化)』では、東京都におけるテレワークの実施率についても調査を行っています。
東京都においては、令和4年度の調査よりも1.9ポイント減少していますが、全体では依然として約4割の水準でテレワークが実施されています。
テレワークの実施割合は、首都圏ほど高い傾向にあり、地方都市圏では低い傾向にあることが同調査の結果で出ています。
テレワークが減少している3つの理由
テレワークの実施率は、国土交通省の『令和5年度のテレワーク人口実態調査結果(テレワーク実施状況の変化)』の令和3年度の27%と比べると年々減少傾向にありますが、その理由としては何があげられるのでしょうか。
この見出しでは、テレワークが減少している理由について3つあげていますので、参考にしてください。
生産性低下を防止するため
1つ目にテレワークが減少している理由は、生産性低下の防止のためです。
テレワークは通勤時間がなくなることから、ワークバランスが整った環境で仕事を行いやすいメリットがあります。
しかし、オフィスのような同僚が隣にいる状況ではないため、素早く情報共有をしづらいことや、それぞれのテレワーク環境によって通信速度が遅くなるなどの理由から、生産性が下がってしまうことがあります。
データとしても経済産業省が令和3年度2月に発表した資料の『コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ(日本の在宅勤務の生産性P.12)』では、労働者による評価の部分で82%が在宅勤務の方が、生産性が低いと回答しています。
感染症対策としての暫定措置を廃止するため
2つ目にテレワークが減少している理由は、感染症対策としての暫定措置であったためです。
日本では当時、新型コロナウイルスは2類相当の感染症であったため、緊急事態宣言のもとで不要不急の外出の自粛が呼びかけられていました。もちろん会社にも出社できない状況が続いていたため、企業としては暫定的にテレワークへ切り替えるケースが多かったのです。
現在では、令和5年5月に5類感染症へと切り替わり、感染拡大前の状況に戻そうといった動きが多くみられるため、テレワークの実施率が減少傾向にあると予想できます。
コミュニケーション不足を解消するため
3つ目にテレワークが減少している理由は、コミュニケーション不足を解消するためです。
令和2年8月に厚生労働省が発表した『テレワークを巡る現状について』の『テレワークで感じた課題➀【コミュニケーション・仕事とプライベートの区別(P.7)】』では、上司、同僚とのコミュニケーションが不足する点がデメリットに感じると回答した割合が37.6%という結果が出ています。
理由としてはこれだけではありませんが、コミュニケーションが不足しやすい点も、テレワークが減少し始めてきた理由と言えそうです。
テレワークの実施率を上げるためには?
テレワークの実施率を上げるためには、どのような工夫が必要になるのでしょうか。ここではテレワークの実施率を上げるための具体的な方法について紹介します。
テレワークに必要なICTを導入する
1つ目にテレワークの実施率を上げる方法としては、ICTを導入することがあげられます。
ICTは、テレワークの実施率を上げるために必要不可欠なものです。例えばコミュニケーションツールを用意することで、異なる場所での仕事でもメンバー同士のコミュニケーションが不足することはありませんし、情報共有もスムーズにできるようになります。
その他にもICTを導入することでテレワークのしやすさを各段に上げることが可能です。テレワークの実施率を上げるためには、まずは環境が大切と言えるので、ICTの導入は必要不可欠と言えるでしょう。
就業規則を変える
2つ目にテレワークの実施率を上げる方法は、就業規則を変えることです。
就業規則は企業によって異なりますが、中にはテレワークが可能な企業でも導入しない企業が多数存在します。その理由としては労働時間が曖昧になってしまうことや、評価もしにくくなるため、導入をためらう企業が多いからです。
日本では出社して働いた時間が労働時間と判断されがちですが、このような就業規則を変更し、目標と成果による基準に変えていくことでテレワークも導入しやすくなるため、根本から変えていく必要があるでしょう。
まとめ
今回は、テレワークの実施率から減少傾向にある理由、実施率を上げるための方法について紹介しました。テレワークにはメリット、デメリットの両方がありますが、実施できる環境を整えておくことは、感染症や災害など万が一のときでも業務を円滑に進めることが可能になります。これまでテレワークの環境を整えたことがないという企業は、この機会に考えてみてはいかがでしょうか。
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