フリーアドレスの効果とは。メリットから導入のポイントまで解説

フリーアドレスの効果とは。メリットから導入のポイントまで解説

公開日:2023/5/10

多様的な働き方が世の中に浸透しつつあることから、フリーアドレスを導入している企業も多いといえます。ではフリーアドレスを導入することによって どのような効果が見込まれるのでしょうか。オフィスのレイアウトによって、どのような効果が見込めるのかは知っておく必要があり、場合によっては取り入れていく必要があるといえます。

本記事では、フリーアドレスの概要と導入するメリット、導入する際のポイントについて詳しくみていきましょう。

フリーアドレスとは

フリーアドレスは企業内の机の配置が決まっておらず、 出社するたびに机の位置が変更となるオフィスレイアウトのことです。情報共有などはネットワークを通じて行われるため、ペーパーレスやオフィスのコストカットなどにも貢献しています。

次のような目的でフリーアドレスが導入されている状況です。

・部署を超えた社員のコミュニケーション活性化
・創造性のある提案を従業員から集めたい
・個人ブースや共用スペースなど従業員の多様的な働き方を支援した

1987年に登場した

フリーアドレスは清水建設技術研究所によって1987年に提唱され、日本発祥のオフィスレイアウトです。1987年の段階では、「従来の個人スペースでは狭すぎるためにせめて欧米と同様のスペースを確保したい」といったコンセプトでした。

しかし、いざフリーアドレスを導入してみれば、スペース確保と次のような効果が副次的に発生したため、現在でも利用されているといえます。

・固定の座席に囚われず、物理的なスペースの確保を行い、使用率を検討することでオフィスコストの削減が可能となった
・社内外からアクセスする必要があるためシステムの整備などが進み、より効率的な業務を行えるようになった
様々な部署とコミュニケーションが取れるため、自分では考えつかない創造性を求められる仕事のアイディアが生まれやすくなった

目的共有が大切

フリーアドレスを導入することによって様々な効果が望めるものの、主な目的は企業が定めたうえで目的に合わせて運用していくことが大切だといえます。例えば、クリエイティブ関係の仕事の場合は、他部署とのコミュニケーションが業務に役立つものの、部署内の結束が求められる場合は区画を分けるといった取り組みも大切です。

部署で連携が取れる・誰がどこにいるのかわかるといった仕組み作りを行わなければ、 失敗する確率も高い点は事実です。そのため、最小単位から導入をスタートし、成功した場合に全社にするといった段階的な導入も検討してみましょう。

フリーアドレスのメリットとは

ここからは、フリーアドレスのメリットについてみていきましょう。とくに次の5つの項目はフリーアドレスを導入する際に期待できる効果だといえます。

・モチベーションの向上
・ペーパーレスによるコスト削減
・スペースの効率的な使用
・他部署とのコミュニケーション活性化
・職場の雰囲気改善

モチベーションの向上は、対人関係のマンネリ化を防ぐことにも役立ちます。部署や業務の目的は一人ひとりによって異なるものの、 日々コミュニケーションを行う相手が変化することによって、業務に対するマンネリ化も防ぐことが可能です。

例えば、商品開発部と営業部の関係性がより濃くなることによって、新しい商品の案内がしやすくなったなど企業にとっての利益につながることも多いといえます。職場の雰囲気も人の出入りによって変わり、新しいコミュニケーションが発生することから、より働きやすい環境に変わると想定されます。

コスト削減では、社員の仕組みとして紙によるやりとりが減少するだけでなく、出社とフルリモートを組み合わせて在籍率をコントロールすればオフィスの面積も有効活用できます。

リモートワークについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
リモートワークとは?テレワークとの違いや導入方法について

フリーアドレスを失敗させないためのポイント

ここからは、フリーアドレスを心配させないためのポイントについてみていきましょう。 フリーアドレスはオフィスのレイアウトの1つです。しかし、いきなり導入すると失敗率が高く、仮に失敗した場合はモチベーション低下や退職率の増加となる可能性もあるため注意が必要です。

また、フリーアドレスを重視する場合はペーパーレスが全体となるものの、 どのような書類をどのように処理するのかといったルールを策定しておきましょう。

目的の明確化

コミュニケーションの活性化や生産性の向上など、企業や部署ごとに目指す目的を策定する必要があります。例えば、コミュニケーションの活性化が目的であれば、フリーアドレスを実施するだけでも効果があるものの、生産性の向上やモチベーションのアップを目的とする場合は、フリーアドレスを実施する部署を限定するなどの方法が想定されるでしょう。

勤怠及び作業内容の共有

誰が出勤してどのような作業を行っているのか把握できる仕組みを作らなければ、人材育成や マネジメントが難しくなってしまいます。場合によっては業務を遂行していても コミュニケーションが取れず作業内容も評価されないといった悪循環が起きる可能性も否定できません。

そのため、導入前にどのような方法でコミュニケーションを取り、作業内容や勤怠情報を共有するのかといったルールを明確にしておく必要があります。例えば、従業員の作業 位置は3時半に設置したビーコンとスマホアプリで管理するといった方法もあります。

職種で向き・不向きがある

フリーアドレスに関しては、在籍率が低く、データ主体で業務を進められる業務でなければ導入しても手間が増えるのみになってしまう可能性を否定できません。経理などに関しては、導入前にどのデータをどのように保管・管理し、ツールも何を活用するのか明確に決定しておかなければ業務遂行が難しくなってしまうでしょう。

そのため、管理者や経営者は実状を把握したうえで、フリーアドレスを導入しなければなりません。

まとめ

フリーアドレスは上手く実行できれば、コミュニケーションの活性化・生産性の向上が期待できます。ただし、職種によっては、より業務が複雑化する可能性があるため、社内のルールやツールの採用を進める必要があるといえます。

目的策定からツール策定、適用する部署を決めて、最小スペースから実施していくことで改善点もみえるため、全社一斉導入を行う前に試すことが大事だといえます。

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