国際IPバックボーンの日米間400Gbps化について
~クラウド、スマートフォンの流行を支える世界最大級インターネットインフラ~
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、国際IPバックボーン(「グローバルIPネットワークサービス」)で最大の通信量が配信される日米間回線の容量を、ISP業界最大級である400Gbpsに増速しました。
NTT Comの国際IPバックボーンは、国内外の固定・携帯電話会社、ISP、データセンター事業者、コンテンツプロバイダーなどが接続し、日本と海外を結ぶ主要なインターネットトラフィックを運んでいます。グローバル規模で需要が急増しているインターネット市場において、今後もインターネット上のデータを世界中に高速かつ安定的に配信するためにネットワークの容量拡大に努めてまいります。
NTT Comの国際IPバックボーンの日米間における提供容量は、昨今のクラウドコンピューティングやスマートフォン・タブレット型端末の利用者増加、アクセス回線のブロードバンド化の浸透による音楽・動画配信、SNS・ミニブログなどのインターネットサービスの利用増加などにより、世界的なインターネット需要が爆発的に伸びたことを受け、1997年サービス開始当初45Mbps、2002年でも5Gbpsでしたが、この5年間で約7倍になり、2010年1月に300Gbpsに到達してから1年経過しないうちに400Gbpsとなりました。
NTT Comは、今後もお客さまに世界最高水準の品質保証、24時間365日ノンストップの世界規模なカスタマーサポートなど、「グローバルTier1キャリア」として、高品質な通信環境を提供できるよう努めてまいります。
* 400Gbps:地上デジタル放送約24,000チャネル相当/新聞342年分に相当
参考1:NTT Com国際IPバックボーンについて
NTTは、1997年7月に国際通信会社「エヌ・ティ・ティ国際通信」を設立し、その秋「国際インターネットゲートウェイサービス」(現在の「グローバルIPネットワークサービス」)を開始しました。当時、日本では、OCNを初めとするさまざまなインターネットサービスが始まり、ISPにとって費用の面からも難問であった海外接続という問題を解決するサービスとして大いに歓迎されました。日米間のサービス提供容量は当初45Mbpsでしたが、3年後の2000年には大阪POPも設立し、サービス向上のため、米国Tier1 ISPのVerio(ヴェリオ)社を買収し、日米間の容量も1Gbpsを超えました。
2001年には、アジア5カ国(韓国、香港、台湾、シンガポール、オーストラリア)にPOPを拡大し、業界最高水準のSLA(品質保証制度)を導入しました。2002年には、国内初の商用IPv6サービスやWEBサーバの負荷を軽減するサービスを開始し、日米間は当初回線容量の100倍、5Gbpsとなりました。また、2005年には、VoIP(Voice over IP)やビデオ会議などのリアルタイム型アプリケーション増加に伴い注目されていたジッタ(ネットワーク上におけるパケット到達間隔のばらつき、ゆらぎ)を新たなSLA基準として採用し、日本で初めて標準的に提供しました。2009年7月にはこのSLA基準をIPv6にも適用しています。 2006年の台湾沖地震においても代替ルートによる速やかな迂回救済を行い、一部輻輳(ふくそう)による遅延などが発生しましたが、早期にサービスを通常の状態に戻すことができました。 2008年には大規模トラフィックの解析と、異常なトラフィックを即座に知らせる通信事業者向けソリューションを提供開始しました。
このようにサービス内容・品質を向上させながら、国内外のブロードバンド変化に比例して増大するインターネットトラフィックを支える回線需要が飛躍的に伸びたことで、このたび、日米間のインターネット回線400Gbpsに到達しました。
参考2:国際IPバックボーンを利用した企業向けサービスについて
NTT Comは大容量の国際IPバックボーンを活用し、2002年からWEBサーバの負荷を軽減するインターネットコンテンツ配信サービス「スマートコンテンツデリバリ(SCD)」を、2005年より広域イーサネットサービスを実現する国際専用線サービス「グローバルスーパーリンク(GSL)」(現在の「グローバルe-VLANサービス」)を提供しています。今後もIPバックボーンをベースに、大容量の企業通信を低廉な料金で提供していけるよう順次サービスや提供地域を拡大していきます。