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NTTコミュニケーションズ
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ソリューション&マーケティング本部 ソリューションコンサルティング部 地域協創推進部門
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ドコモビジネスソリューションズ
デジタル改革推進部
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北九州支店
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ビジネスソリューション本部 スマートワールドビジネス部 スマートインダストリー推進室 Catalyst
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NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)のラグビーチーム・シャイニングアークスは、世界的スーパースターであるグレイグ・レイドロー選手の入団会見をファン参加型で実施。その様子を全世界にリアルタイム配信するという過去例のない取り組みに挑戦し、成功させました(前編で紹介)。会見で、主役のレイドロー選手とメディア関係者、視聴者である1700人のファンを結びつけたのは、インタラクティブ性のあるMCを披露した山田章仁選手と、ライブ映像の遅延を1秒未満に抑えるWebRTC技術「SkyWay」です。新境地を開拓し続けるそれぞれの歩みには、ある共通点がありました。
ラグビー選手としての活動の他、オンライン活動にも力を入れている山田選手。2013年からYouTubeに公式チャンネルを開設し、トレーニング動画や対談動画などをアップしてきました。中には、現在活躍中のビジネスパーソンに就活や仕事の体験談を披露してもらう就活生向けコンテンツも。今年7月には、留学エージェントのDEOW(本社:東京都渋谷区)と共同で、ラグビー留学志望の中高生を対象としたセミナーを主催する「留学コンサルタント」に就任しました。
「僕がこれまで充実した競技生活が送れたのは周りの人のおかげです。幼い頃に英語を学ぶ機会があったり、留学も経験させてもらったり。シャイニングアークスでも、昨年はリヨンのプロラグビーチームでの練習に参加する機会を得て渡仏し、現地のグループ会社の皆さんとも交流させてもらいました。だから、子どもたちや学生の皆さんにも留学の機会や良い就職先と出会うチャンスが多くあるといいと思っていて、僕なりにその手助けがしたいんです」(山田選手)
山田選手は、自身で振り返ったように、キャリアの中でたびたび環境を大きく変えてきました。「日本代表に選ばれない時期など、自分の伸び悩みを感じたとき、自己分析をして見えてきたのは、良くも悪くも環境にうまく納まってしまいがちな自分の姿でした。だったら、慣れないところへ行くことが成長への近道なんじゃないかと思って。うまくできるのか自信がない、怖いと思う方をあえて選ぶようにしてきました。そうすると、知らない人や文化とたくさん出会えて新しい刺激をもらう。そういうことの積み重ねが、ワールドカップのトライにつながったと思うんです。……案外まじめに生きているんですよ、僕は(笑)」
山田選手が追求したい“勝ち”と“価値”を踏まえて、今後どういった活動を展開していくのかお聞きしました。「選手としてまず、フィールドで見る人を魅了したい。これが第一です。僕らは次のトップリーグ開幕に向けてしっかり準備をしているので、観戦の形はまだ不透明ですが、どうか楽しみにしていてください。それから、国境をまたいでNTT Comの看板を背負って活動し、自分自身だけでなく会社やラグビー選手の価値を高めていきたいと思っています。ファンの皆さんと直接お会いすることができない日々が続きますが、オンラインの活動を通じて皆さんと交流できるのを楽しみにしています。チームとしても情報発信に力を入れているので、今後もご期待ください」
一方、超低遅延のリアルタイム配信を実現する肝となったのがWebRTC技術「SkyWay」です。NTT Comが内製開発し2013年から無償公開をスタート。PoC(概念実証)を重ね2017年に商用化しました。最近では8月11日に発表したリモートワークにおけるコミュニケーション不足を解決する新サービス「NeWork™」にも活用されるなど、応用の幅を広げています。SkyWayの開発マネジャーであるイノベーションセンターのテクニカルマネジャー・小松健作担当課長と、低遅延配信の開発リーダーを務めるとともに会見当日のオペレーションを支えた松下正樹さんに、SkyWayがどういった技術なのか、今後どういった応用が期待できるのかなどをお聞きしました。
「SkyWayは簡単にいうと、さまざまなアプリケーションに組み込んで使えるビデオ通話機能です。すでにオンライン英会話や通訳、診療、コンタクトセンターなどのアプリケーションで採用していただいています。例えば英会話なら、英語学習教材のアプリケーションとビデオ通話用アプリケーションをそれぞれ立ち上げるよりも、一つのアプリケーションに統合されていた方が便利ですよね。つまりユーザビリティを向上させるのに役立つ技術なのです」(小松担当課長)
入団会見で使用したライブ配信基盤はメンバー内で「M-PIPE」と呼ばれており、最大の特徴は低遅延性です。一般的なライブ配信サービスは通常30秒ほどの遅延が生じますが、「SkyWayで培った経験・ノウハウを基に新たに内製開発したM-PIPEでは、遅延を1秒未満に抑えられます」と松下さん。NTT Com社内では、PoCの一環で、社長の講演や2020年度入社式の配信に使用されてきました。
内製開発の強化やエンジニア育成に取り組むNTT Comですが、SkyWayが誕生した当時は、ウォーターフォール型で開発を外部委託することがほとんど。そのため、自らSkyWayを開発しPoCを重ねる小松担当課長たちの取り組みは、奇異な存在として見られることもあったそうです。NTT Comの12人のエバンジェリストの1人でもある小松担当課長は、SkyWayに対して、社内に新しい風を吹かせる効果も期待していると言います。
「SkyWayを使ったサービスで成功例を積み重ねていくと、NTT Comのサービス提供のワークフローも変わっていく気がします。僕は、サービスは自分たちであまり決めつけず、まず小さく市場に出して、ユーザーの反応を見ながらデイリーで改良していくのがいいと思っています。内製開発であれば、いただいたフィードバックに即座に対応できるなど、お客さまに寄り添った開発ができます。SkyWayは、お客さまから、自分たちのビジネスに採用したいので商用化してほしいと要望をいただき、2017年に商用化しました。今では事業規模こそまだ小さいものの収益率の高い事業になっています。
最近では、SkyWay以外にも新しい取り組み方のプロジェクトが社内で進行しています。こうしたプロジェクトの在り方を今後さらに浸透させていけば、AmazonやGoogle、Facebookなどに追いつき、伍していくことも、全くの不可能ではなくなると僕は思っています」(小松担当課長)
今回の入団会見の成功に向けて、小松担当課長は最初にチームで一つのビジョンを持つことに取り組みました。
「僕らは研究開発の仕事をしていますが、技術だけで大きなことを成し遂げるのは無理です。チームで一つのビジョン、一本化した考え、そうしたものが必要不可欠です。レイドロー選手の入団会見のような大切なイベントを、それにふさわしい責任感を持ってやり遂げるため、開発チームとしてどういったビジョンに向かって進めるのかを具体的にしメンバーに共有しました。これがあると、途中、悩むことがあってもビジョンに立ち返ってまた進められるんですよね」(小松担当課長)
前編でご紹介した通り、入団会見はスムーズに進行。用意したバックアップ用システムの出番はありませんでした。イノベーションセンターではSkyWayやM-PIPEの次なる展開を構想しています。
「例えば、5G通信網と組み合わせてスマートスタジアムなどが実現できそうです。客席でサッカーの試合を見ながら、シュートチャンスが来たらゴール裏からのアングルの中継映像をスマホで見るような形です。スマホ側のネットワークが高速化されれば、SkyWayによる低遅延配信のメリットが十分に享受できるはずです。eスポーツの中継にも適していますし、YouTuberやVTuberにしても、M-PIPEで配信すれば視聴者からのファンディング(投げ銭)などをテンポよく受けられて互いに楽しさが増しそうです」(松下さん)
小松担当課長も次のように展望を語りました。「もちろん、シャイニングアークスの活動にも利用してもらえたらと思います。会見などスポット的に使うだけでなく、練習風景や普段のチーム活動をもう少し定常的にファンの皆さんへ伝えていけるといいのではないでしょうか。僕らとしても、社内でいろいろと使ってみて改良を加えたいですね。将来的には、技術者でなくとも操作しやすいユーザーインタフェースなどを備えるプラットフォームに仕立てて、さらなる応用先を探っていけたらいいなと考えています」
逆境を自らの力に変えて活躍の場を広げている山田選手とSkyWay。それぞれの今後の活躍と発展にも期待していきたいと思います。
NTTコミュニケーションズイノベーションセンター
松下 正樹
WebRTCを用いた映像配信システムの開発をしています。新たな技術が次々に現れるWebの世界で、これまでになかったサービスを模索しています。
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