NTTコミュニケーションズ
ヒューマンリソース部 人材・組織開発部門
城間 美南
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NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)ヒューマンリソース部(以下、HR)人材・組織開発部門では、心理的安全性を基にした組織カルチャー・風土改革によるEX(従業員体験)/エンゲージメント向上を目的として、2023年度より全社横断での組織開発活動を展開しています。
今回は「NTT Com流組織開発~全社横断の組織づくりの本質に迫る!」と題した連載企画として、これまでの取り組みと成果、そして今後の展望を3回にわたってご紹介します。
第1回は「心理的安全性AWARD受賞の軌跡」。NTT Com流の組織開発活動は、株式会社ZENTech(ゼンテク/以下、ZENTech)主催の「心理的安全性AWARD2024」でSILVER RING を受賞しました。この受賞を受け、HRにダブルワーク(社内兼業)制度で業務参加し、「心理的安全性AWARD2024」への挑戦に主として携わった、松田るり子さん(NTT Com プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部)、上久保良男さん(NTTコムエンジニアリング クラウド・アプリケーション&ボイス部)の2人にお話を伺いました。
2022年1月、株式会社NTTドコモ(以下、NTTドコモ)、NTTコムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)、NTT Comの3社により、新ドコモグループが発足。組織カルチャーや風土が大きく違う3社統合による相乗効果を生み出すため、3社の一体感醸成プロジェクト(以下、Go Together)が始動しました。
NTT Comの全社横断の組織づくりの原点はここになります。その後、2023年7月、3社全体の組織再編が実施され、「対人リスク・摩擦を恐れず誰もが率直に意見を言い合い、トライを重ねることができる職場づくり」が求められるようになりました。
一方、2023年度2Qに実施したNTT Comグループ独自のエンゲージメント調査では、「戦略の浸透」や「つながり・協力体制」のスコアが悪化しているなどの課題が明らかになっていました。そこで、心理的安全性が確保された組織カルチャーを醸成し、立場を超えて健全に意見を戦わせることで戦略を成果につなげ、対話から協働・共創を推進する「組織開発」の取り組み(以下、Go Together Next Stage)に着手しました。
その後、2023年9月、Go Together Next Stageの方針(NTT Com組織開発フレームワーク)が決定し、本格的な「組織開発の土台作り」がスタートしました。
上久保さんがダブルワークに参加したのは2023年10月で、「まさにGo Together Next Stageの取り組みが本格化し始めたタイミングだった」とのこと。「右も左もわからない中、外部講師を招いて社員向けに行った『心理的安全性セミナー』を拝聴し、多くの組織長・部門長が参加した『心理的安全性のつくりかたワークショップ』に陪席しました。このワークショップを受け、心理的安全性を基にした組織づくりに向けて全組織長から頂いた宣言をまとめた記事などをNTT Comの社内報に掲載する業務を担当しました」と振り返ります。
そのような状況の中で「心理的安全性AWARD2024へのチャレンジ」が浮上し、上久保さんがこの挑戦をリードすることになります。「心理的安全性AWARD」は、心理的安全性が高く、効果的なチーム・組織づくりへの取り組みを広く募集し、表彰したたえる祭典として、ZENTechが2022年より開催しているものです。
2024年4月からは松田さんがダブルワークメンバーとして加わり、松田さんの協力も得て「心理的安全性AWARD2024」の1次審査にエントリーしました。1次審査はエントリーシートによる書類審査。チーム名を「チーム“Go Together”」とし、「Go Together」から「Go Together Next Stage」へつないできた軌跡と取り組み成果をエントリーシートに盛り込み、無事、審査に通過して2次審査に進みました。
「2次審査はオンラインでのヒアリングで、4つの審査基準についての説明が求められる重要な審査でした」(上久保さん)
「ヒアリングで使用するプレゼン資料を作成する上で工夫したのは、思いを伝えることです。単なる会社の取り組みではなく、そこにはどんな思いが込められているかをアピールしました」(松田さん)
メンバーの努力が奏功し、2次選考も通過して最終審査に進みました。
「最終審査会はオンラインのプレゼン形式で行われました。プレゼンを担当したのは、チーム“Go Together”のリーダーであり、新ドコモグループ発足時の『Go Together』から一貫して組織開発に携わってきたHRの高橋部門長。力強い言葉で審査員を納得させた、あっという間の5分間でした」(松田さん)
その結果、「NTT Com流組織開発・心理的安全性を高めていくための取り組み」が高く評価され、SILVER RINGを受賞することができました! 審査員からは「全ての組織長が心理的安全性に関する思いとアクションを宣言し関係者のコミットメントを高めて、着実に変革の輪を広げていかれた点が、大変素晴らしい。心理的安全性の醸成を目的化しすぎず、全社横断の“組織づくり”の課題の本質にアプローチし続けた点も印象的」とのコメントを頂きました。
この瞬間、上久保さんたちは、これまでの取り組みを積み上げてきた成果として、この日の表彰があることを強く実感したそうです。
「心理的安全性AWARD2024」には、チーム“Go Together”以外にも、NTTドコモグループから参加したチームがいます。NTTドコモの女性エンパワーメントサークル「LEAN IN DOCOMO」がエントリーし、GOLD RINGを受賞しました。
LEAN IN DOCOMOは「NTTドコモグループの女性が自信・勇気・志を持って一歩踏み出すきっかけを作る」をミッションとするNTTドコモ人事部 職場公認サークルです。2024年現在のメンバーは約400人で、松田さんもその一人。国内6つのコミュニティーの立ち上げ支援、NPO法人を通じたIT分野のジェンダーギャップ解消支援などに取り組み、会社を超えて社会へインパクトを与えている点が高く評価されました。
日本は先進国でありながら、2024年度のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位、先進7カ国の中では最下位です。
「女性にもダイバーシティがあり、悩みは多種多様。仲間を見つけ、認め合い励まし合うことで前に進むことができる」
そのような素敵な思いで活動を取り組まれているLEAN IN DOCOMOのGOLD RING受賞は「心理的安全性」という枠組みを超えて「ジェンダーギャップ」という深い問題にも一石を投じたと言っても過言ではありません。NTTドコモグループから日本のジェンダーギャップを変えていく、そのような気概をLEAN IN DOCOMOから感じました。
これからNTT Com流組織開発はどのような方向性で進んでいくのか――。最後に、上久保さんや松田さんと共に組織開発に取り組んでいるHRの城間美南さんからお話を伺いました。
「組織開発WGメンバーと共に進めてきた今までの取り組みにより、エンゲージメント調査のスコアが向上するなどの効果が出始めています。このように社内で私たちの取り組みを認めていただけるようになった上、今回は社外からも評価を頂けて、さらなる自信につながりました。
今までは組織開発という新たな取り組みを社内に広く浸透させることが目的でした。これからは社員が同じものをめざせるような行動レベルの浸透を目的に取り組んでいきます。例えば、NTT Com流組織開発の型としてカルチャー・風土を体現できるアクション例の言語化にトライします。必ず皆さんの組織をより良くする一助となるはずと信じています。秋ごろのお披露目をめざして今取り組んでいますのでぜひ楽しみに待っていてください」
NTTコミュニケーションズヒューマンリソース部 人材・組織開発部門
上久保 良男
2023年10月から2024年9月まで、ダブルワークとして、人材・組織開発部門 組織開発WG事務局にて、組織開発の取り組みを社内報やShinesへ公開する業務を担当しました。1年間、組織開発の土台作りに参画できて大変勉強になりました。本務に戻ってその成果を生かしていきたいと思います。
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