「ネットが遅い」を情シスのせいにされても・・・
ネットワークなどのITに関するトラブル、まず矛先が向かうのは社内の情報システム担当です。「Microsoft 365を導入したのにレスポンスが悪くて仕事にならない」「前の環境に戻した方がよっぽど生産性が上がる」「基幹系データのやり取りまで遅くなるのは問題だ」など、満を持して働き方改革に取り組んだ苦労は台無しになり、社内から聞こえてくる声は否定的な意見ばかり。挙句の果てにはネットワークが遅い、重いのはクラウドサービスの導入を先導した責任者のせいという空気が社内に蔓延し、なんとも釈然としない気持ちになっている担当者も多いのではないでしょうか。
多くの企業では全事業所拠点からのインターネット接続を本社のデータセンターに集約、ファイアウォールなどでセキュリティを確保しています。インターネット接続が前提となるMicrosoft 365などのクラウドサービスを社員が一斉に利用するとトラフィック量が増大。一般的な企業ネットワークは、そこまでのトラフィックを想定して設計されていないため、クラウドサービスが慢性的なネットワークの遅延の原因になるのです。
さらにWindows7のサービス終了を受けて、社内PCのOSをWindows10に切り替えた企業も多いのではないでしょうか。Windows10では強制的に一斉アップデートが行われるため、ここで発生するトラフィック負荷もネットワーク遅延の一因になります。月1回実施されるセキュリティ更新プログラムは日本のお盆期間の真っ只中に実施されており、休み明けにOSのアップデート、クラウドアプリケーションの同期が一斉に押し寄せたことで、PCの起動が遅い、ネットワークがつながりにくいといった声も多くあがっています。
このようなネットワークの遅延問題を解決するキーワードとして覚えておきたいのが「SD-WAN」です(参考:SD‐WAN活用術~拠点間通信篇~)。今回はMicrosoft 365、Windows Updateなどの課題をSD-WANでいかに解決できるのか。そして煩雑なネットワークトラブル対応から情報システム担当者を開放し、本来の業務に注力させるポイントを解説します。
なぜ、SD-WANが通信遅延を解消できるのか
確かにSD-WANは利便性にすぐれたサービスですが、一方で「大掛かりな構築が必要になるためコストがかかる」「インターネット利用が前提となるため安全性に不安」といったネガティブのイメージをお持ちの方が多いかもしれません。そのような問題点を解決するのが、SD-WANの「利便性」とエントリーVPNの「安全性」「経済性」のいいとこどり。NTTグループが開発したSD-WAN技術を用いたNTT PCコミュニケーションズのネットワークサービス「Master‘sONE CloudWAN」です。「セキュアパッケージタイプ」では、エントリーVPN相当の閉域性を確保したまま、企業のさまざまな課題を解決できるメリットがあります。
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【メリット1】Microsoft 365、Windows Updateをオフロード、センター拠点をスリム化
Microsoft 365利用時の多数のセッションや、Windows Updateによるバースト的なトラフィックを、センター拠点を介することなく閉域網内からオフロードすることで、オフィス環境の整備、業務アプリケーション導入に伴う設備増加を回避し、インターネットへの接続点をスリム化できます。
さらに拠点からのアクセス回線にIPoE接続を利用することで、安価なベストエフォート光回線でNGN網を経由した低遅延な通信を実現。拠点間通信の品質を大幅に向上できます。
【メリット2】利用者側から通信が「見える」「操作できる」
コントールパネルを利用することでアプリケーションごとのトラフィックを可視化。YouTube、Microsoft 365などの種別が識別できるため、「いつ」「どのアプリケーションが」「どの程度の通信量で」利用されているかを詳細に把握できます。さらに拠点ごとの通信量も可視化できるため、突然始まったWindowsアップデートなどによる帯域不足を検知して対策を講じることもできます。
【メリット3】拠点立ち上げ、移転時のネットワーク構築を迅速化
従来のような現地への駆けつけ対応といった物理的な稼働はほぼ不要です。SD-WAN機器を各拠点に設置、接続するだけで設定情報を自動的にダウンロード。拠点間ネットワークを構成できるため初期設定の手間はほとんどありません。さらに拠点の追加や削除もソフトウェア上で簡単に行えるため、組織変更などによるネットワーク構成の変更にも柔軟に対応できます。
Master‘sONE CloudWAN セキュアパッケージタイプは初期費用0円、最低利用期間1カ月間のスモールスタートも可能です。まずは使って効果を実感してから、じっくり上層部を説得してみてはいかがでしょうか。SD-WANの導入により社内対応にかかる情報システム担当者の稼働を軽減できれば、本来の企画、開発業務に集中できる環境をつくる第一歩を踏み出せるはずです。