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コンバージョン率1%以上に。
自社HPの今すぐ改善すべき点

コンバージョン率1%以上に。自社HPの今すぐ改善すべき点

BtoBの商取引において、BtoBサイトは自社商品・サービスの情報やカタログ、パンフレットを提供する役割を担うなど重要度が増しています。「コンバージョン率(CVR)を上げたいが、サイトをどう改善したらいいかわからない」といった悩みをお持ちのビジネスパーソンが、まず最初にすべきチェックとは?(2回目/全3回)

目次

■第1回前編からご覧になりたい方はこちら
リード獲得できるBtoBサイトの“超・基本”をおさえよう

コンバージョン率1%以上に。自社HPの今すぐ改善すべき点
(イラスト:Yuliya Pushchenko / gettyimages)

※本記事はBtoBマーケティングや法人営業・新規事業のコンサルティングサービスを提供する株式会社才流(サイル)によって体系的にまとめられたe-BOOK『BtoBサイト改善ガイドブック2024』より抜粋・一部再編集しました。

BtoBサイトのコンバージョン率は
1%以上を目指そう

BtoBサイトにおいては、一人でも多くの明確層・顕在層のリードを獲得できるのが理想ですが、目標とすべきコンバージョン率(コンバージョンの合計数 / サイト全体のセッション数)は1%以上です。

この目安は、才流が国内企業の顧客のマーケティング支援をする過程で得たものです。実際に、コンバージョン率が1%を超えたら、サイト改善ではなく集客に投資することを推奨しています。

流入経路やどんなキーワードでの流入が多いかによって数値は前後しますが、自社のBtoBサイトを訪問したユーザーの1%以上がコンバージョンすることを目指し、サイト改善を進めていきましょう。

なお、Webサイトの解析ツールを提供するイギリスのRuler Analyticsが公開した『Updated 2023: Average Conversion Rate by Industry and Marketing Source』でも、BtoBサイトのコンバージョン率の平均は2%を超えるという調査結果が出ています。

また、中小企業のビジネスに特化した広告最適化ツールを提供するアメリカのWordStreamの『Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]』では、BtoBの検索広告・ディスプレイ広告のコンバージョン率の平均値は検索広告が2.41%、ディスプレイ広告が0.46%と報告されています。

マーケティングや営業領域では、バケツに注ぐ水を「集客のための投資」、バケツの穴から流れる水を「逃している顧客や機会」に例えて表現することがあります。

穴が空いたバケツにどんなに水を注いでも、バケツは満杯にはなりません。どんなに集客をしても、失う顧客が多ければ、いつまで経っても売上は上がらないのです。

これをBtoBサイトに置き換えてみましょう。広告費をかけてどんなにサイトのアクセス数を伸ばしても、コンバージョン率が低く、ユーザーが離脱してばかりでは成果は得られません。

よって、BtoBサイトを改善するときはコンバージョン率の改善から始めることが重要なのです。まずはバケツの穴をふさぐことを意識しましょう。

BtoBサイトのコンバージョン率は1%以上を目指そう

BtoBサイトの現状把握の進め方

BtoBサイトにおいてコンバージョン率1%以上の達成に向けて最初にやるべきことは、足りないページと改善すべき箇所の特定です。とくに大きな成果が得られる箇所を洗い出し、優先的に対応していくのが効率的な改善のやり方といえます。

次の3つのステップで、自社のBtoBサイトの現状を把握し、改善すべき箇所を洗い出しましょう。

足りないページを特定する

「大通り」を特定する

大通りの改善事項を洗い出す

1. 足りないページを特定する

前回の記事で説明したように、BtoBサイトとして必要なページは以下の7つです。

  • ホーム
  • サービス・機能紹介
  • 価格
  • 資料ダウンロード
  • 事例紹介
  • 会社情報
  • フォーム(お問い合わせ、資料請求)

もしも足りないページがある場合、それらを新規作成しましょう。

2. 「大通り」を特定する

サイトの改善で大きな成果が得られるのは、ホームやフォームのようなサイトの「大通り」と呼ばれる、セッション数の多いページです。

加えて、コンバージョンしたユーザーが通る道も見逃してはいけません。コンバージョン数をさらに伸ばすために優先的に改善します。

一部のユーザーしか通らないような「小道」の改善は、大通りの改善が終わって商品・サービスが軌道にのり、リソースやコストが潤沢になってから実施を検討しましょう。

また、大通りはサイトごとに異なるため、自社のBtoBサイトについてそれぞれの上位10ページを特定します。

大通りに該当するページ

  • セッション数が多い上位10ページ
    ⇒ 過去1年分のセッション数を算出し、多い順にソートする
  • コンバージョンしたユーザーが閲覧する上位10ページ
    ⇒ コンバージョンしたユーザーが通るページも過去1年分を算出し、多い順にソートする

3. 大通りの改善事項を洗い出す

上で導き出した最大20の大通りについては、チェックリストを使って改善事項を特定します。※ダウンロードしてお手元に用意してください。

チェックリストは全部で163個の項目があります。もしもすべての項目にチェックが入る場合、そのページには問題がありません。一方、チェックが入らなかった項目は、改善の必要があります。

チェックリストを上から順番に確認し、あてはまるものにチェックを入れてください。

あてはまる場合 ⇒ チェックを入れる=問題なし
あてはまらない場合 ⇒ 空欄のまま=改善が必要

Webサイトの入口=ホーム(トップページ)

チェックリストの中から本記事ではホームをピックアップします。ホームはWebサイトの入口。資料請求やお問い合わせのCTA、よくある顧客の課題、商品・サービスの特長などのユーザーが必要としている情報をページの上部に配置しましょう。

必要な項目はチェックリストの下に掲載しているワイヤーフレームに入れています。提案時に顧客からよく聞かれる質問がある場合は、FAQとして配置するとユーザーが商品・サービスを理解するのに役立ちます。

また、初めてサイトに訪れたユーザーでも理解できるキャッチコピーや説明文、導線を用意しましょう。

ホームのチェックリスト1/2

  • 企業や商品・サービスを端的に表現するコピーが真っ先に目に入る
  • メインビジュアルで、ユーザーが求める情報をカルーセルで隠していない ※ユーザーニーズの少ない企業都合の情報は除く
  • メインビジュアルは競合の商品・サービスと似たものにしていない
  • ファーストビューに英語のメッセージや抽象的なメッセージを置いていない
  • ニュースや更新情報、PRのような、多くのユーザーが必要としない情報をページ上部に設置していない
  • (商材が1つの場合)ファーストビューにCTAを設置し、コンバージョン目的で訪問したユーザーを即座に誘導している
  • (商材が複数ある場合)ファーストビューに商材一覧を設置し、目的の商材をすぐに発見できるようになっている
  • 初めて訪問したユーザーでも迷わない、一般的なサイト構造・UIになっている ※奇をてらったものにしていない
ホームのチェックリスト

ホームのチェックリスト2/2

  • 企業や商品・サービスの特長を掲載している ※別途で特長を整理したページを設けている場合は不要
  • ローディングやアニメーションなどでユーザーを待たせていない
  • ホームの文字量が3,000文字以上ある
ホームのチェックリスト

BtoBサイトで気をつけたいポイント

サイト全体としては次の9つのポイントにも注意しましょう。チェックが入らない項目は、改善する必要があります。

  • 文字サイズはPCでは17px以上を採用し、小さく読みにくい文字は使っていない
  • リンクやボタンなどはできるだけ明確でわかりやすく、誤解されないデザインにしている
  • 「ソリューション」「価値提案」などの曖昧で抽象的な言葉を使っていない
  • 言葉の演出や表現に凝らず、「どう言うか」ではなく「何を言うか」を重視している
  • 見出しでは装飾目的の英語ではなく、日本語を優先している
  • 意味のないアイコンや画像よりも、意味のある見出しが目立っている
  • 競合と区別がつかない没個性のビジュアルになっていない ※ただし過剰な個性は不要
  • シームレス遷移やアニメーションなどのUIの演出に凝っていない ※これらの演出はマイナスになることはあっても、プラスになることはない
  • (ページ数が100を超えるサイトの場合)サイト内検索を設置している

執筆者プロフィール

渡辺佳彦
経営コンサル、EC・メディア運営事業、コンテンツマーケティング支援の経験を経てカオナビに入社し、リード獲得・ナーチャリング部門を管掌。メディア運営を中心としたWebマーケティングに長く貢献。株式会社才流ではマーケティングコンサルタントとして活動。

さまざまな業種・業態の企業を支援している才流が培ってきた手法やメソッド、豊富な実例がまとまったe-BOOK『BtoBサイト改善ガイドブック2024』はこちらから無料ダウンロードできます。

この記事はドコモビジネスとNewsPicksが共同で運営するメディアサービスNewsPicks +dより転載しております 。
協力:矢野絢子(才流)
執筆:渡辺佳彦(才流)
図版:才流提供
デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)
編集:奈良岡崇子

マーケティング&営業に生かす BtoB改善メソッド(全3回)

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