Microsoft 365 と Google Workspace が提供する広範な機能
Microsoft 365 と Google Workspaceはいずれも、クラウド型のグループウェアとしてオフィスツールやファイル共有、コミュニケーションなど、従業員間の情報共有や協働作業を支える広範な機能を提供しているのが大きな特徴です。具体的には下図に示す主要機能をサポートしています。
Microsoft 365 ユーザーの「満足」と「不満」
Microsoft 365を「毎日利用している」または「週3~4日程度利用している」と回答した利用頻度の高いユーザーについて、よく利用している機能のトップ5を見ると、①表計算(Excel)、②メール(Outlook、Exchange Online)、③文書作成(Word)、④カレンダー(Outlook、Microsoft Teams)、⑤ファイル共有(OneDrive)となっています。
これらの利用頻度の高い機能に対する満足度はどうかというと、特に表計算について半数を超えるユーザーが「満足」と回答しています。やはりさまざまな業務で標準ツールとなっているExcelを使えるメリットは大きいようです。【図2】
また、メール、カレンダー、チャット、ファイル共有、文書作成、スライド作成、Web会議、メモといった機能についても、9割を超えるユーザーが「満足」「どちらかといえば満足」と回答しており、総じて高い評価を得ています。
一方、Microsoft 365 を「週1~2日程度利用している」または「定常的には利用しない(必要なときにのみ利用)」という利用頻度が低いユーザーの間でも、文書作成、表計算、スライド作成、Web会議について、8割程度が「満足」「どちらかといえば満足」という回答を得ているのが印象的です。
ただしメールとカレンダーについては、利用頻度の低いユーザーの3割以上が「どちらかといえば不満」「不満」と回答しています。
Google Workspace ユーザーの「満足」と「不満」
Google Workspace を「毎日利用している」または「週3~4日程度利用している」と回答した利用頻度の高いユーザーについても、よく利用している機能を見てみましょう。そのトップ5は、①メール(Gmail)、②カレンダー(Googleカレンダー)、③ファイル共有(Googleドライブ)、④表計算(Google スプレッドシート)、⑤文書作成(Google ドキュメント)となっています。特にメールについては8割以上のユーザーが「毎日利用している」と回答しており、カレンダーやファイル共有がこれに続きます。
ただし、表計算や文書作成については「毎日利用している」と「週3~4日程度利用している」をあわせて5割以下にとどまっており、トップ5の中でも利用頻度には大きな差があることが明らかになりました。
この結果は各機能の満足度にもあらわれており、Google Workspace の利用頻度が高いユーザーは、メールとカレンダーに対しては6割近くが「満足」と回答する一方、その他の機能の「満足」は4割程度にとどまっています。特に顕著なのが文書作成で、利用頻度が高いにもかかわらず、「どちらかといえば不満」「不満」という回答が2割弱見られます。【図3】
また、Google Workspace を「週1~2日程度利用している」または「定常的には利用しない(必要なときにのみ利用)」という利用頻度が低いユーザーの間でもカレンダー、ファイル共有、Web会議、フォームについては、8割程度が「満足」「どちらかといえば満足」と回答しています。しかし、その他の機能については、3割近くのユーザーが「どちらかといえば不満」「不満」と回答しています。
Microsoft 365 と Google Workspaceにあらわれた「満足度」の差
上記のように Microsoft 365 と Google Workspace における利用頻度の高い機能や、その満足度を見比べて明らかになったのは、それぞれの製品を導入する以前からの“慣れ”が大きな影響を及ぼしていることです。
まず Microsoft 365 に注目すると、Word、Excel、PowerPointといった日常業務で使い慣れたOfficeツールをそのまま利用できることが、マイクロソフト製品ならではのメリットとして広いユーザーに受け止められているようです。
実際、これらのOfficeツールは多くの企業で長年にわたりデファクトスタンダードとして活用されてきました。社内に膨大に蓄積されたその情報資産や各ユーザーのスキル、運用ノウハウを継承する意味でも、Microsoft 365 を利用することには大きな意義があります。
一方の Google Workspace においてユーザーから高い満足を得ている機能は、メールとカレンダーが突出しています。本コラムの第1回でも述べたように、この2つの機能は個人所有のスマートフォンでも広く使われているものです。こうした日常生活で使い慣れた機能をビジネス用途でもそのまま利用できる“親近感”が、Google Workspace の利用頻度や満足度に強く反映されていると考えられます。
またチャットやファイル共有、Web会議など、コロナ禍をきっかけに導入/利用が進んだコミュニケーション・コラボレーション機能についても Google Workspace は高い満足を得ている傾向が見られます。
たとえば Google Chat は、2021年 オリコン顧客満足度®調査のビジネスチャットツール部門で満足度総合1位、Google Meet は、日経コンピュータの顧客満足度調査 2022-2023のビデオ・音声会議システム/サービス部門で1位を獲得しています。
参考URL
2021年 オリコン顧客満足度®調査
日経コンピュータ 顧客満足度調査 2022-2023
2回にわたり利用者目線で徹底比較を行ってきた Microsoft 365 と Google Workspaceですが、なかなか甲乙つけがたいというのが現状でしょう。大切なのは、本コラムで紹介したメリット・デメリットなどをよく理解したうえで、製品を選ぶことです。「自社にあったグループウェアが分からない」とお悩みの方は、ぜひNTTコミュニケーションズにご相談ください。