インターネット回線の種類と調べ方 環境の確認方法と乗り換え先を選ぶポイント
インターネット回線には種類があり、それぞれの強みや特徴が異なります。本記事では回線の種類を紹介するほか、現在使用している回線の種類の調べ方や選び方のポイントなどを解説します。インターネット回線の導入を検討している方や種類について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
インターネット回線の種類
1. 光回線
光回線は、光ファイバーケーブルを使用した高速なインターネット通信網です。光ファイバーケーブルは、石英ガラスなどでできた透明で細かい繊維で構成されており、ナイロンなどで束ねられることで、光信号を伝送できる光ファイバーケーブルになります。
デジタルデータを光信号に変換し、光ファイバーケーブルを介して通信することで、大容量のデータを高速で送受信できます。光回線は電磁波の影響を受けない特徴があり、電話回線(ADSL回線)よりも安定した通信が可能です。
光回線は高速の通信環境や大容量データの取り扱いが必要な場合におすすめです。利用には回線の引き込み工事が必要になる場合があります。工事のスケジュール調整などは必要になりますが、光回線を導入すれば、高速かつ安定したインターネット接続を楽しめるようになります。
2. ADSL回線
ADSLは「Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)」の略称です。光回線の普及以前には主流のインターネット回線であり、電話回線を用いて接続します。既存の電話回線があれば工事が不要なため、一般家庭でも導入しやすいのが特徴です。
ちなみに「非対称」とは、送信・受信の通信速度が異なることに由来します。通信速度は、通信地点から基地局までの距離で変動する性質があり、遠いほど速度が落ちます。なお、送受信ともに、現在主流である光回線のほうが、通信速度は高速かつ安定しています。
ADSLはインターネットの普及に大きく貢献した通信技術であり、2000年代前半時点では従来のダイヤルアップ接続よりも高速かつ常時接続できる点が大きなメリットでした。しかし、現在では光回線やモバイル回線など、品質や機能性でより優れた回線が普及したため、利用者数は減少傾向にあります。サービス事業者も新規受付を停止している状況であり、2023~2025年までには提供の終了が告知されています。
3. CATV回線
CATV回線は、ケーブルテレビの有線回線を利用してインターネットに接続します。一般的には、ケーブルテレビや電話接続サービスとセットで利用でき、地上波放送や衛星放送などの受信とともにインターネット接続が可能です。テレビの電波が届かない、光回線が利用できない地域・建物で利用されることがあります。
CATV回線に用いられる同軸ケーブルは、光ファイバーケーブルと比べて通信速度が遅く、とくにアップロードが遅い傾向です。ノイズの影響を受けやすく、混雑によって通信速度が落ちやすいなど、安定度に欠けるデメリットがあります。
4. モバイル回線
モバイル回線は、基地局の電波を利用してデータ通信を行う回線です。携帯電話会社が提供するスマートフォンやタブレット向けの通信回線であり、4Gや5Gなどの通信規格が存在します。各携帯電話会社の基地局から電波が届く範囲内であれば、無線でインターネットの利用が可能です。
モバイル回線の利用形態には種類があり、スマートフォン以外ではモバイルWi-Fiルーターやホームルーターなどを使って通信をします。専用の無線通信機器を使うため、自宅の回線工事をする必要はなく、機器が届いたその日に利用可能です。モバイルWi-Fiルーターは持ち運びが可能なため、外出先で手軽にインターネットを利用できるメリットがあります。
モバイル回線は携帯電話会社や契約プランによって通信容量の上限が決められており、上限を超えると通信速度に制限がかかります。また、無線通信のため、建物の構造やほかの電波の影響を受けやすく、通信が不安定になる場合があります。頻繁に大容量の通信をする場合や、安定・高速な通信がしたい場合には向きません。
インターネット回線の種類の調べ方
利用しているインターネット回線の種類を調べる方法はいくつかあります。その1つが、回線を契約した時に手に入る契約書を確認することです。契約書には契約した日付や利用するサービスの内容が記載されており、インターネット回線の種類も確認できます。
2つ目の確認方法は、請求書や利用明細書に書かれている情報を見ることです。サービスの内容として回線の種類が記載されているほか、クレジットカードの利用明細書に記載されている場合があります。書類関係を見ても分からない場合は、プロバイダーや回線事業者に問い合わせて確認しましょう。
建物内の設置機器の種類で見分ける方法もあります。回線終端装置が室内に設置されている場合、機器に「ONU」「VDSL」の記載があれば光回線であると判断できます。
また、設置されたコンセントから接続されているケーブルの種類でも見分けられます。LANケーブルによく似たモジュラーケーブルであればADSL回線、コネクターにネジなどが用いられる同軸ケーブルであればCATV回線であることが分かります。
インターネット回線の種類を選ぶ時のポイント
ポイント1. 速度と安定性
通信速度は、インターネット接続の品質に直結する重要な要素です。通信速度の単位としては「bps」があります。1秒間に転送できるデータ量を表しており、数値が大きいほど時間当たりで送受信できるデータ量が多く、快適な通信が可能です。
ネット利用の用途として、Web会議や動画の閲覧、大容量のファイル転送などを行う場合には、通信速度を重視して回線を選びましょう。
Web会議や動画は20~50Mbps、オンラインゲームができるほどのスペックを求めるのであれば、50~100Mbpsが目安です。サイトやメールなどテキスト閲覧がメインなら10Mbps程度でも十分に利用できます。なお、光回線の場合は最大で1Gbps以上のプランもあるため、快適なインターネット環境を利用できます。
法人利用の場合は、安定性を重視しましょう。法人向けの回線は、個人向けのものとトラフィック(通信経路)を分離した専用回線を利用できます。混雑の影響で通信速度が下がりにくく、ビジネス用途に適した高速かつ安定感のあるインターネット環境を利用可能です。
ポイント2. 利用料金
多くの固定回線の月額料金は毎月の固定費です。月額料金の主な内訳として、回線使用プロバイダー利用料、機器レンタル料、オプション料があります。光回線を利用したい場合は、環境によっては回線工事が必要になるため、開通工事費の発生も織り込んでおきましょう。
月額費用や初期費用の具体的な金額はサービス事業者によって異なります。ユーザーの負担を減らすため、キャッシュバックや工事費用の実質無料化、スマホとのセット割引などの特典を提供している事業者も見られます。これらの特典を考慮しながら費用を見積もり、比較検討することをおすすめします。
なお、月額料金の安さだけで判断すると、通信速度が遅いなど、サービス内容が不足する可能性があります。品質や機能と比較して、自社の要求を十分に満たせる範囲で安価なものを選びましょう。
ポイント3. 対応エリア
インターネット回線は、サービス事業者によって対応エリアが異なります。とくに光回線を利用する場合、光ファイバーが通っていない地域ではサービスを利用できません。また、建物の構造や設備が整っていない、大家や管理会社から工事の許可を得られないなどの理由で対応できない場合もあります。
利用したい回線が決まったら、事前にサイトやカタログを見る、事業者に問い合わせをするなど、住んでいる地域に対応しているかを確認しましょう。光回線の対応エリア外では、ほかの回線に頼る必要があるため、再度サービスの検討が必要となります。
ポイント4. サポート体制
サポート体制の充実度も、サービスを選定する際の重要な基準です。回線や接続機器のトラブル、故障などが発生した場合、自力では解決できない場合があります。サポートの内容としては、故障機器の修理・交換のほか、初期設定のセットアップサポート、配線作業の代行、出張修理、法人向けならオンサイト設置への対応などがあります。
とくに法人利用の場合、万が一の状況でサポートを依頼できる事業者を選んでおくと、トラブルからの迅速な復旧につながります。サポートの有無は安心感を持って利用するために重要な要素です。
光回線を利用する場合、回線開通後のPCへの接続やオプションサービスの設定は基本的にユーザー自身で行います。自力では難しければ、有料で専門家に設定作業を依頼できるサービスもあります。
なお、お問い合わせのしやすさも重要です。電話やチャットなど、ユーザーが利用しやすい方法が提供されているか、サポートページが丁寧で分かりやすいかなどを事前に確認しましょう。
回線の乗り換えなら光回線がおすすめ
光回線のメリット1. 通信速度が速い
光回線は、従来のADSLやCATVと比べて通信速度が高速です。通信速度には、アップロード(送信)速度を示す「上り」とダウンロード(受信)速度を示す「下り」の2種類があります。サイトの閲覧や動画視聴などよくある使い方では下りの速度が重視され、Web会議や動画配信など、映像を発信する際には上りが重視されます。
一般的によく提供されている光回線の通信速度は、下り最大1Gbps(理論値)です。実際には使用機器の性能や混雑状況などの影響を受けるため、使用時には200Mbps程度が平均的な速度となります。
クラウドサービスの利用では膨大な業務データをやり取りすることもあるため、ほかの回線と比較してももっとも速度を出しやすい光回線を利用するのがおすすめです。
光回線のメリット2. 安定した通信ができる
光回線に用いられている光ファイバーは、外部環境の影響を受けにくい性質があります。モバイル回線のような電波による影響や、CATV回線で発生するノイズのような障害を気にすることなく、高い安定性を持つのが特徴です。また、基地局からの距離にかかわらず高速で通信できます。
不安定な回線を使うと、動画の再生やWeb会議が途切れる原因になります。快適にインターネットを利用するには、安定した通信が可能な回線を選ぶことが重要です。
光回線のメリット3. 基本的にデータ利用量に制限がない
光回線はスマホやモバイルルーターとは異なり、基本的にデータ使用量の制限はありません。厳密には通信制限がかかる場合もありますが、一度に大容量のファイルをアップロードしたり、PCがウイルスに感染して異常な通信が発生したりといった場合のみです。
通常の利用をしている限り心配する必要はなく、通信制限を設定していないサービスもあります。
光回線の月額料金は基本的に固定のため、データの利用量が多い場合でも一定の料金で利用し続けられます。
さらに、Wi-Fiルーターを使用することでスマートフォン、タブレットなどのさまざまなデバイスからインターネット接続が可能になります。これにより、モバイル端末の通信量の節約にもつながります。
安定性やセキュリティ対策を重視するなら
「OCN光 IPoEサービス ワイドプラン」
特徴1. 通信の安定性が高い
「OCN光 IPoEサービス ワイドプラン」では従来の接続方式であるPPPoEではなくIPoEという接続方式を採用しています。IPoE方式が従来よりも混雑の影響を受けにくいことに加えて、接続設備の大容量化によって混雑の発生を抑え、通信を安定化しています。
インターネット回線の通信負荷が増大すると、輻輳(ふくそう)が発生します。輻輳とは、通信が集中することで通信速度の低下や通信システムのダウンが起きることを指します。通信設備の大容量化はこれらのトラブルを防止する効果があります。
ワイドプランでは個人向けの通信とトラフィックが分離されており、これにより一般利用者の混雑の影響を受けず、法人専用の快適な通信環境を実現できます。
Windows Updateのトラフィックを識別・振り分けができるため、オフィス内の全PCで大規模なアップデートが必要となっても、通常業務に影響を出すことなく通信を維持できます。さらに、オプションサービスの利用でWeb会議アプリといったトラフィックの分離もできます。
とくに、クラウドサービスを利用すると通信に利用するデータ量が増加するため、その利用予定がある場合に適したプランです。
特徴2. 不正アクセスが防止できる
固定IPアドレス機能を利用することで、セキュリティを高められます。固定IPアドレスでは、社外からのアクセスに対し特定のIPアドレスのみを許可するよう設定でき、これにより不正アクセスを防ぐことができます。
近年はクラウドサービスの普及が進む一方で、不正アクセスによる被害も拡大しています。クラウドサービスの認証情報が流出すると、クラウド上の業務データが窃取されるリスクがあります。こういったリスクに対し、信頼できるIPアドレスのみにアクセスを制限することで、被害を未然に防ぐことができます。
特徴3. 利用状況を把握できる
「OCN光 IPoEサービス ワイドプラン」では、回線ごとに送受信したデータ量(トラフィック)を確認し、ネットワークの利用状況を確認できる機能があります。利用状況はトラフィックレポートとして提供され、15分単位のデータ通信量を閲覧可能です。
これにより、接続の遅延があった際に混雑状況から原因を発見でき、ほかのプランに変更する基準として活用できます。
利用には、無料のビジネスポータルに申し込む必要があります。ビジネスポータルとは、NTT Comが提供している法人向けのサービスを一元管理・運用できるポータルサイトです。
インターネット回線の種類はそれぞれの特徴を理解して検討を
インターネット回線の種類として光回線、ADSL回線、CATV回線、モバイル回線があります。その中でも光回線は高速さと安定性に優れており、一般家庭から企業まで広くおすすめできます。
同じ光回線でも、事業者とサービスによって通信速度・安定性などの品質や料金、対応エリア、サポート体制には違いがあります。自社のニーズに合ったものをよく検討して、導入を決めましょう。
お客さまの課題やお困りごとに合わせた
豊富なラインナップをご用意
OCN光 IPoEサービス
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OCN光 IPoEサービス
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ワイドプランならではの特長として、Windows Updateによる通信をそのほかの業務用の通信から分離。安定した通信が可能。 -
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