Windows Update問題(輻輳)を防止するIPoEサービスとは?

インターネットを使用していて「回線速度は十分なはずなのに、頻繁に止まって使いにくい…」と感じたことはないでしょうか?インターネット回線は、速度だけでなく安定性も重視しなければなりません。特にビジネスシーンでは、ユーザー数やトラフィック増による「輻輳(ふくそう)」によって、業務に支障をきたす可能性があります。この輻輳は、一定の条件下で定期的に起こる可能性も指摘されているため、何らかの対策を講じるべきでしょう。ここでは、法人向け光回線のなかでも、特に輻輳防止に効果があるIPoEサービスを紹介していきます。

Windows Updateを分離できる、IPoEサービス ワイドプラン

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1. IPoEサービスとは

「IPoE」とは、フレッツ網からインターネットに接続するための接続方式を指します。正式名称は「IP over Ethernet」であり、イーサネットを使ってIPパケットを伝送します。このIPoEを利用したインターネット接続サービスが「IPoEサービス」です。

従来の光回線で一般的だった「PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)」のように電話回線の利用を前提とせず、専用の通信機器も必要ありません。また、接続事業者(VNE=仮想通信提供事業者)を介してインターネットに接続するというシンプルな構成も特徴のひとつです。以下は、PPPoEとの違いを列挙したものです。

○PPPoEとの違い

  • PPPoEのように「IDとパスワードによる認証」を必要としない(回線認証)
  • PPPoEに比べトラフィック制約の上限値が高い(PPPoEは1~2Gbps、IPoEは100Gbps)
  • 原則として専用端末を必要としない
  • PPPoEに比べて大容量化した設備により、収容設計が2倍~6倍に拡大
  • 法人向けサービスでは個人向けインターネット通信と論理的に別なトラフィックを確保

○IPoEサービスのメリット

  • 個人向けインターネット通信によるネットワーク混雑の影響を受けにくい(速度低下や輻輳が起こりにくい)
  • ビジネス専用の高セキュリティなサービスが利用できる

○ビジネスユースでは「速度よりも品質」

ここ数年のインターネット回線は、すでに十分な通信速度を実現しています。高画質動画サービスやWeb会議システムの利用を前提としても、通信速度は数十~100Mbpsで何ら問題ありません。その一方で、通信の品質(安定性)については課題が残されています。

ビジネスシーンでは速度もさることながら、通信の品質(安定性)が重視されることは間違いありません。クラウドサービスやファイル共有、拠点間でのコラボレーションなど、「安定した通信」が前提となる仕組みは増える一方です。こういった流れを受け、単に「速さ」を重視したサービスよりも、「いかに途切れず、遅くならないか」が重視されるようになりました。

IPoEサービスは、このようなビジネスユースから需要にこたえ、安定した通信と高度なセキュリティを提供するサービスといえます。

2. IPoEサービス選定の勘所

近年、インターネットを活用するうえで問題になっているのが、「輻輳(ふくそう)」です。IPoEサービスの選定では、「輻輳への対策」が十分かどうかを見極める必要があるでしょう。

ビジネスユースで考慮すべき「輻輳(ふくそう)」のリスク

  • 輻輳とは
    輻輳とは、本来「ものがひとつの場所に集中して混雑しているさま」を指します。これが転じて、ITの分野では「想定外の接続要求・伝送要求からネットワークがパンクし、通信が不可能になる状態」として使われるようになりました。
  • 輻輳のリスク
    例えば、特定のサービスやWebサイトに対して、短時間のうちに膨大なアクセスがあったとしましょう。いわゆる「スパイクアクセス」です。スパイクアクセスは輻輳を引き起こし、回線や通信設備に過剰な負荷をかけます。一か所で輻輳が起こると、接続試行が繰り返し行われるようになり、ネットワークの機能が低下します。この状態が徐々に拡大し、ネットワークが広域的に機能停止に陥る「輻輳崩壊」と呼ばれる現象を引き起こすこともあるのです
  • 輻輳が起こりやすい「Windows Update」
    輻輳は、メディアの報道やSNSから発生すると考えられていますが、実はごく身近なところにも原因が潜んでいます。そのひとつが「Windows Update」です。
  • Windows Updateの仕様変更
    2019年4月以降、Windows10に対するWindows Updateの仕様が変更されました。具体的には「差分更新プログラム」の提供が終了し、「累積更新プログラム」に移行しています。累積更新プログラムは、いわゆる「フルアップデート」で、差分更新に比べるとファイルサイズが大きくなります。Windows Updateのトラフィック量が増加することから、輻輳を引き起こしやすくなると考えられているわけです。
  • WindowsUpdateに伴う障害が多発
    2019年8月29日には、複数の通信事業者から「Windows Updateに起因する輻輳により国内で通信障害が発生している」との発表がありました。障害発生時間は約6時間~10時間以上にも及んでいます。
  • Windows10への移行で輻輳リスク上昇か?
    また、今後Windows7のサポート切れ(2020年1月14日)を見越して、多くの企業がWindows10環境への移行を進めると考えられます。このことから、Windows Updateの影響がさらに大きくなると予想されています。

IPoEサービスはWindows Updateのリスクを考慮すべき!

Windows Updateは、ビジネスユースで特に重要な「OSのセキュリティ」や「安定性」を維持するために欠かせない作業です。したがって、Windows Updateを意識したIPoEサービスを選ぶべきでしょう。具体的には、次のようなポイントに着目すると良いでしょう。

  • 通信を識別・振り分け可能なIPoEサービスを選ぶ
  • 法人専用設計かつ大容量なプランを選ぶ

3.Windows Updateに強いOCN 光 IPoEサービス ワイドプラン

OCN 光 IPoEサービス ワイドプランは、Windows Updateへの対応はもちろんのこと、大容量の収容設計を備えた法人専用のプランです。

OCN 光 IPoEサービス ワイドプランの概要

  • PPPoE比6倍(通常のIPoEサービス比3倍)の収容設計
  • 個人向けインターネット通信とは論理的に分離されたトラフィックを確保
  • Windows Updateを識別し、トラフィックの振り分け・分離が可能
    「広帯域=Windows Update以外の通常トラフィック」と「企画型=Windows Updateトラフィック(企画型輻輳)」にトラフィックを振り分ける機能をDPIで提供

※実際にWindows Update時のトラフィック量を計測すると、広域型・企画型のルートにトラフィックを分離できており、通常の通信には影響が出ないことを確認しております。

まとめ

この記事では、IPoEサービスの概要や、輻輳のリスク、Windows Updateの仕様変更などについて解説してきました。輻輳はビジネスユースで最も考慮すべきリスクのひとつです。いくら高速な回線を導入しても、輻輳が頻繁に起これば、業務効率は低下するでしょう。予見できる輻輳リスクについては、可能な限り対策しておくことをおすすめします。

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