株式会社オービックビジネスコンサルタント
コール受付の実態把握という長年の課題を解決
データに基づいた適切なサポートセンター運営を実現
株式会社オービックビジネスコンサルタント
開発本部 サポートセンター センター長
仁藤 丈久氏
「NTTコミュニケーションズの強みであるグローバルシームレスサービスの利用により、サプライヤーネットワークシステムのグローバル共通化と開発、調達、生産のスピードアップを実現しました」
株式会社オービックビジネスコンサルタント
開発本部 サポートセンター 課長
久下 朋史氏
「導入時、専門的な領域については、NTTコミュニケーションズがPBX事業者と直接交渉してくれたので、社内準備やお客さま対応に専念できました」
課題
繁忙期に無駄なく適切な人員・設備を増強するために
“話し中”になっていたコール数の把握は必須だった
「勘定奉行」をはじめとするオフィス業務システム・業務用パッケージソフト「奉行シリーズ」は、1993年の発売以来、国内の数多くの企業に採用されてきた。これまで中堅・中小企業を中心に累計56万社に導入され、会計・給与計算から人事、資産管理などの基幹業務を支え続けている。
それだけのユーザーを持ち、「顧客第一主義」を掲げる株式会社オービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)にとって、サポート業務の中核をなすサポートセンターは、事業展開の上で極めて重要な位置を占めている。同社サポートセンターのセンター長を務める仁藤丈久氏は、そのポリシーを語る。
「企業ではよく『製販一体』という言葉を使いますが、当社ではこれに『保守』を加えて、『製販保一体』という考えで事業を推進しています。製品は販売後、長く使い続けてもらわねばならないため、製造と販売に加え、保守も一体となっている必要があるのです。CS向上に加え、生の声を製品に還元するためにも、サポート業務は非常に重要であり、お客さまと開発部門、営業部門をつなぐ“要(かなめ)”となっているのです」。さらに、仁藤氏は自社の商品特性を踏まえて続けます。
「『奉行シリーズ』はパッケージ商品であるため、お客さまのニーズや環境に完全にはマッチしない場合があります。また、企業によっては専門の経理担当者が常駐していないケースもありますので、お客さまの疑問や悩みに、きめ細かく応えることが重要です」
トータル約240席の規模で運用されているOBCのサポートセンターは、どのような課題を抱えていたのだろうか。
「製品の性格上、年末調整や決算といった繁忙期に問い合わせが急増します。当然オペレーターを増強して臨みますが、どうしても電話がつながりづらくなります。オペレーターにつながるまでに時間がかかり放棄されてしまう通話数は把握できていたのですが、回線がふさがり話し中になるコール数を日常的に把握することができていませんでした。そのため人員や設備を増強する際に、計画を立てづらく、長年の課題となっていました」(仁藤氏)
対策
「ナビダイヤル」の導入により
コール受付の実態の“見える化”を実現
このような課題に対してNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)から出された提案が「ナビダイヤル」の導入だった。ナビダイヤルは、“0570”から始まる全国共通の電話番号で全国複数のセンターにおいて受付ができるほか、オプション機能の「トラフィックレポート作成ツール」により、電話トラフィックの各種データを入手できる。
サポートセンターの企画や運用を担当する久下朋史氏は、サービス採用の決め手となったポイントを挙げる。
「我々が求めるデータが日常的に取得できることに加え、多くの導入実績に裏打ちされた信頼性や、今後のインフラ強化などにも柔軟に対応していけるという点も導入を決める重要なポイントでした。今後、遠隔地にサポートセンターを増設した際も0570番号がそのまま使えますし、万一サポートセンターが大規模災害などで機能しなくなっても、他のセンターで電話を受けることができますので、BCPの観点からも高評価となりました」
図 「ナビダイヤル」導入前の課題/導入後の効果
効果
データに基づく合理的なセンター運用が可能に
将来的には、クラウド時代に適したサポート提供を
視野にコールセンター機能を強化
こうして、2015年9月、ナビダイヤルの運用がスタート。1日1,500~2,000件の問い合わせを受けていると言う。
「導入の大きな目的であった、話し中の件数を含めたデータを取得できるようになり、“見える化”を実現できました。また、オプションサービスの利用により、総コール数やつながったコール数などの基本データに加え、電話をかけたお客さまの数や、同じお客さまがかけた回数、つながらなかった理由まで、時間単位で把握することが可能になりました。これらのデータによって人員の配置や設備の拡張などを計画的に行えるようになりました」(仁藤氏) トラフィックレポートでは、お客さまが20回もかけていたケースがあったことも判明した。離脱後に再度コールを続けることにより、トラフィック累増の原因になっていることがわかったのだ。そこでトラフィックが増える初期段階に適切な増員を行うなど、運用方法を工夫して、繁忙期に備えることが可能になったと言う。
久下氏は、次のように付け加える。「データはWebブラウザの管理画面からリアルタイムに確認できます。話し中でつながらなかった数は毎日確認していますし、繁忙期になると、時間単位でさまざまなデータを注視しています。データという明確な“物差し”が入手できて、設備投資などに対する社内の説得性が大いに高まったと言えるでしょう」
OBCでは、2014年12月よりクラウド環境に対応した「奉行シリーズ」をリリース。IT業界全体がクラウドサービスの利用へと向かう中、同社サポートセンターはどのような展望を持っているのだろう。
「IT業界の潮流に合わせ、当社製品もクラウド対応を進めています。また、BCPの観点からも今後はサポートセンターのシステムをクラウド化して、ロケーションや環境に依存しない形に進化させていく企業が増えていくのではないでしょうか。この点、同じ番号が使えて柔軟な対応が可能なナビダイヤルにはメリットが多いと思います」と、久下氏は展望を語ります。
また、仁藤氏は統括責任者の視点で言葉を結んだ。「今後クラウドへの移行が進む中、製品とサポートが一体となったサービスをどう進化させていくのかが課題となります。将来的には、AIが導入され、人間の代わりになるかもしれません。しかし、人間でなければできない仕事があります。お客さまの本当の悩みや課題を深く考えてお客さまごとに最適な提案をしていかねばなりません。すべてはお客さまのために、という姿勢はこれからも変わらないものです」
株式会社オービックビジネスコンサルタント
事業概要
ビジネスソリューションテクノロジー及びITソリューションテクノロジーの開発販売、プロダクトに対する保守・導入指導等のサービス提供
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(掲載内容は2016年12月現在のものです)