大江戸温泉物語株式会社
各施設への電話をコールセンタに振り分け、
機会損失の削減と施設での接客向上を両立
ナビダイヤル
大江戸温泉物語株式会社
情報システム部 課長
阿部 晃典氏
課題
「弊社は2003年に東京・お台場の『お台場大江戸温泉物語』開業を皮切りに、温泉テーマパーク事業に参入しました。知名度の高まりにあわせ2007年より、全国各地の温泉旅館、ホテルの再生事業に着手し、順調に事業を拡大してきました。
しかし、一部の店舗では、接客対応等でお客さまからのお電話を受電できなかったり、逆にお電話の対応でご来館いただいたお客さまをお待たせしてしまったりすることがあり、お客さま満足度低下が危惧されておりました。また、店舗で取りこぼしてしまっていたコールも、機会損失として問題になっていました」(阿部氏)
こうした課題を解決するため、同社はまず小規模施設への着信をIP電話経由でコールセンターに転送し、電話受付業務を集約した。
「お客さまからのお電話をコールセンタが巻き取ることで、当面の電話応対や接客での問題については一定の対応ができました。しかし、コールセンターの規模が大きくなるにしたがい、実際のコール数を把握できないということが問題となってきました。回線数の上限に達している間にかかってきたコールはあふれ呼となり、コール数を把握できないのです。例えば、特定の施設についてキャンペーン広告などでの露出を増やしたのに、期待された着信数や予約数に結びつかなかった際、その原因が、実際の着信数が少ないのか、回線不足による機会損失なのかがわかりませんでした。
そこで正確なトラフィックを把握できるナビダイヤルを導入し、回線数やオペレータ席数を適正化し、機会損失の削減とCS向上を目指しました」(阿部氏)
対策
機会損失を防ぎ、CS向上を達成した3つのポイント
- 施設ごとに0570番号を付与することで、コールセンターでは、該当の施設を想定した電話応対を実現
- PBX着信前のコール数の把握をもって、センター規模を最適化し、受電ロスによる機会損失を削減
- センターに予約電話を集約し、混雑時に空きのある施設の提案が可能に。また、現場も接客に集中
効果
コールの“見える化”で適切な応対体制を構築、CS向上を実現
施設ごとの0570番号で、施設での受付と同じ応対品質を実現
「ナビダイヤルを導入し、まずコールセンター直通の番号を用意しました。続いて各施設の電話番号も徐々にナビダイヤルへの切り替えを進めました。施設ごとに異なる電話番号が表示されているため、お客さまはそれぞれの施設に電話しているように思っていらっしゃいますが、実際の電話はコールセンターに集約されます。コールセンターのオペレータには、お客さまがどの施設のナビダイヤル番号にかけたかが通知されるため、施設を特定し、その施設のスタッフという立場で受け答えし、ご案内するのです。オペレーターはひとりで複数の施設を担当しますが、それぞれの施設とは情報を密に共有することで、ご予約や混雑具合だけでなく、たとえばお料理の内容、施設からの景観、桜や紅葉の見頃といった細かいご質問についてもお答えできるようにしています」(阿部氏)
コールセンターによる一括受話は、施設の稼働率アップにも貢献している。
「ご予約のお問い合わせをコールセンターで受け付けることで、お客さまがご希望される施設、日時に空きのない場合でも、素早く近隣にある施設をご紹介できるようになりました。これも機会損失の削減に貢献しますし、代案をご提示できることで、お客さま満足度向上にも大きな効果があると考えています」(阿部氏)
またコールセンターへの電話集約は、各施設で働くスタッフに対しても好評だという。
「店舗のお客さまの接客中にかかってくる電話は、施設のスタッフにとってプレッシャーになっていました。ナビダイヤルの活用により、スタッフが接客に集中できるようになり、お客さま満足度は上がっていると思います」(阿部氏)
施設ごとのトラフィック把握で機会損失を削減
そしてナビダイヤルの導入後は、寄せられるコール数の正確な把握が可能となり、お問い合わせの“見える化”を達成した。
「弊社ではいただいたお電話に『ワンコールで出ること』を目指していますが、各施設の電話のピークがコールセンターに集中する場合、『ワンコール』を実現するのは難しいことでした。しかし、ナビダイヤルによって施設ごとにトラフィックが把握できるようになり、必要な回線数、オペレーター席数を、適切に設定できるようになりました。その結果、実際のコール数が、当初の想定よりはるかに大きいことも判明し、これまで発生していた機会損失を劇的に減らすことができました」(阿部氏)
時間帯によって最適な着信先へ自動転送し、さらなるCS向上を達成
さらに同社では、コールセンター営業時間外(21時~翌朝9時)の電話は、施設に転送するなどの工夫もしている。
「この時間帯は、ご予約のお問い合わせは少なくなり、逆にチェックイン遅れや忘れ物など、緊急性を要する問い合わせ内容が増えるのです。そのため、この時間帯は直接施設に繋がるようになることで、より素早い対応が可能になります」(阿部氏)
時間帯や問い合わせ内容によって、柔軟に受付体制を工夫することで、お客さま満足度のさらなる向上に努めている。
今後の展望
ナビダイヤルによって、事業拡大や災害時にも柔軟な対応が可能に
「これまで弊社は既存施設の電話番号を順次ナビダイヤルに転換して参りました。運営する施設は今後も増えていくことになると思いますが、そうした施設では、開業当初よりナビダイヤルを設定し、コールセンターに転送することになるでしょう。じつは宿泊施設ではおおむね開業の数カ月前からご予約受け付けをはじめます。新規施設での予約受け付けをコールセンターが担当すれば、開業前のコスト負担を最小限にとどめることができます」(阿部氏)
またナビダイヤルが持つ柔軟性も、今後の事業拡大に向けて大きなポイントになると、阿部氏は語る。
「ナビダイヤルは接続先を自由に変えることができるため、事業規模が拡大し、コールセンターのさらなる拡充や移転が必要になって電話番号を変える必要がありません。パンフレットなどで電話番号を広く告知する弊社のような業種にとって、これは大きな魅力です。さらにBCP対策という側面も見逃せません。弊社が運営する施設は全国各地に展開しています。もしそうした施設が天災などに見舞われた場合でも、ナビダイヤルの接続先を罹災していない施設やセンターに変更することで適切に対応出来ると考えています」(阿部氏)
大江戸温泉物語株式会社
資本金
10,000,000円
従業員数
3,000名(平成27年1月末現在)
事業内容
全国で温泉旅館、ホテル、温浴施設、テーマパークの再生事業を展開。江戸文化をモチーフにした大規模日帰り温泉「お台場大江戸温泉物語」をはじめ、2015年1月1日現在、全30施設を運営する。
コールセンター概要
受付時間
9:00~21:00
業務内容
グループ各施設の予約、お問い合わせなど
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(掲載内容は2015年2月現在のものです)