日本郵便株式会社
(ゆうパック決済センター)
クラウド型PBXを導入し通信設備を刷新
コールセンターの拡張に柔軟に対応
日本郵便株式会社
ゆうパック決済センター 課長
橋本 究 氏
「業務範囲の拡大により席数を増やしたいときも、クラウドサービスならスピーディかつスムーズな導入が可能です」
日本郵便株式会社
ゆうパック決済センター
大原 義之 氏
「実機を使って新しい電話機の操作についての研修を実施できたのも、クラウドのメリットと言えます」
課題
既存のオンプレミス型PBXでは業務の拡充に対応できなかった
多くの日本人にとって馴染み深い手紙やはがき、「ゆうパック」のほか「ゆうメール」や「スマートレター」など、さまざまな郵便サービスを展開している日本郵便株式会社。近年はインターネット通販の商品配送にも力を入れており、たとえばインターネット通販事業者を主なターゲットとした「ゆうパケット」を2014年から提供。楽天市場で購入した商品を全国のローソン店舗で受け取ることができる「コンビニ受取りサービス」も行っている。
ゆうパック決済センターは、ゆうパックを配達する際、差出人の指定した代金を受取人から預かる代金引換サービスの問い合わせ対応と精算業務を担っていて、毎月1,000件程度の問い合わせに対応している。
また近日代金引換サービスの改善に伴う新たな業務への対応が求められており、引換金の送金先としてゆうちょ銀行以外の金融機関の口座を指定することが可能になるほか、配送から送金までの期間を従来の1 ~ 4日程度から1営業日程度へと大幅に短縮される予定である。このサービス改善に伴い、新たな業務が発生し、コールセンターの拡充が図られることになった。
しかし、従来利用していたPBX(構内交換機)に多少問題があったと、ゆうパック決済センターの大原義之氏は話す。
「従来利用していたPBXは老朽化していたことに加え、収容できる電話回線数が上限に達している状態でした。新たな業務での人員増を見据えた場合、電話回線の不足が想定されました」
このページのトップへ
対策
クラウド型PBXの導入により、通信設備や保守・管理コストを削減
このような背景からPBXのリプレースが検討されたが、コストに課題があったと話すのは、ゆうパック決済センター 課長の橋本究氏だ。
「当初考えていたのは、既存のPBXをリプレースし、オンプレミスで運用する形です。しかし、新たなPBXの導入は想定よりもコスト負担が大きかったのです。そのとき、送り状印字システムサポートセンターがクラウド型PBXを導入し、コストを削減できたという話を聞きました」
拠点に設置するオンプレミス型のPBXの導入に比べ大幅なコスト低減が可能であることから、同センターはNTTコミュニケーションズのArcstar Smart PBXの導入に踏み切る。同じ渋谷郵便局内の送り状印字システムサポートセンターが使用していたインターネット(OCN)のアクセス回線を共有することで、導入期間の短縮とさらなるコスト削減が図れること、大型PBXの設置が不要なので、導入の負担が軽減できることもポイントになった。
オンプレミス型のPBXに比べ、運用に関する問題がクリアになることもメリットだった。これまでのオンプレミス型のPBXでは、故障や設定変更の度に保守契約手続きや工事ベンダーの手配が必要で手間と時間がかかり、保守コストも負担になっていた。しかしクラウドサービスであれば、工事ベンダー手配は不要になり、さらに簡単な設定変更であれば社内で実施できる。これにより、運用の負担を大幅に軽減できるというわけだ。
図:ゆうパック決済センターのシステム構成イメージ
このページのトップへ
効果
事前研修によりPBX移行の不安を払拭
業務範囲の拡大にも柔軟に対応可能に
既存のPBXからArcstar Smart PBXへの切り替えは、業務が行われていない週末の2日間で行われた。新たに環境を構築するのではなく、PBXと電話機の切り替えだけだったため、それほど時間はかからなかったが、新しい電話機の操作が問題だった。切り替え後すぐに業務に利用するため、操作に慣れておく必要があったのだ。
ここでもクラウドのメリットが活かされた。PBXの切り替え作業に先立ち、事前に実際の環境を使った説明会が行われ、新しい転送方法について、電話を受ける各担当者が実機で研修することができたのだ。
オンプレミスでPBXを運用する場合、設置後でなければ操作できないことが多く、移行当初は混乱するケースが少なくない。しかしクラウドサービスであれば、ネットワークさえあれば使用可能であるため、実機による事前の確認ができたのだ。橋本氏は「事前に実機で研修できたことは大きかった」と話した。
さらに橋本氏は「席数の増減にも対応しやすいこと」も評価する。業務範囲が拡大して席数を増やしたいときも、クラウド型PBXであれば迅速かつ柔軟に対応することが可能だ。これもオンプレミス型のPBX運用にはない利点と言える。
また、スマートフォンが内線端末として使えることも評価された。「将来的にスマートフォンを内線端末として利用できる点に将来性があると感じました。本社との行き来が多いので、外出時にスマートフォンで内線通話ができるようになれば便利になるでしょう」と橋本氏は期待を寄せる。
同社では、ゆうパックの取扱量の拡大を中期経営計画の柱の一つと位置付けており、それに伴ってゆうパック決済センターの業務も拡大する可能性があると言う。このように将来的な業務範囲の拡大にも柔軟に追従できるArcstar Smart PBXは、ゆうパック決済センターにとって心強い味方になっているようだ。
このページのトップへ
導入サービス
Arcstar Smart PBX
Arcstar Smart PBXは、PBXやビジネスホンを使用せずに、クラウド上にあるIP電話サーバによりPBX機能と内線機能を実現するクラウド型PBXサービスです。
詳しくはこちらArcstar IP Voice
Arcstar IP Voiceは、Arcstar Universal One、OCNなどNTTコミュニケーションズが提供する多彩なサービス上で利用できる高品質なIP電話サービスです。
詳しくはこちら日本郵便株式会社
資本金
4,000億円
従業員数
194,688名(2014年3月31日現在)
事業内容
2012年10月1日、日本郵政グループの再編に伴い、郵便事業株式会社と郵便局株式会社の統合により誕生。全国津々浦々の郵便局と配達網が持つ機能と資源を最大限に活用し、人々の豊かな暮らしを支えている
URL
http://www.post.japanpost.jp/
印刷用PDFファイルのダウンロード(PDF 415KB)
PDFファイルをご覧いただくためには、「Adobe Reader」がインストールされている環境が必要となります。
(掲載内容は2015年12月現在のものです)
関連リンク