株式会社
ブライトンコーポレーション
既存PBXと連携し内線網をクラウド化
維持コストを1/2削減
株式会社ブライトンコーポレーション
システム管理部 マネージャー
塩崎 誠 氏
「決め手は、既存のPBXに手を加えずに安価に内線網を構築でき、内線網の維持コストも抑制できるということでした」
課題
経営統合、事業拡大にともない
複雑化した電話システム
千葉県の新浦安に立地する浦安ブライトンホテル東京ベイ(以下、浦安)とパーム&ファウンテンテラスホテル(以下、PFTH)をはじめ、京都、大阪と合わせて5つのホテルを展開するブライトンコーポレーション。訪日外国人観光客の大幅増加、パートナーであるディズニーリゾート®人気など、さまざまな追い風を受け好調が続いている。
同社は経営統合や事業拡大でインフラを次々に統合/拡張したことにより、同社の電話システムは複雑化していった。「内線網は、3拠点はIP-VPNで、その他の拠点はデジタル専用線やアナログ専用線で“継ぎ足し”で接続している状況で、結果的に通信システムのコストが高額になっていました」と話すのは、同社のシステム管理部マネージャーの塩崎 誠氏。専用線の内線網には毎月数十万円の維持コストがかかり課題になっていた。また、各拠点ごとにPBXの導入時期が違うため更新時期もバラバラとなり、スムーズな管理を阻んでいる。「PBXは宿泊システムと連動させる必要があるため、同じオンプレミスでの新規導入は1台あたり5,000万円近いコストになってしまいます。全面的に入れ替えしたくても後継機種のイニシャルコストが壁となって踏み切れていなかったのです」(塩崎氏)。
こうしたなか、浦安でPBX更改のタイミングを迎えたこともあり、電話システムやインフラ回線の見直しに着手することになったという。
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対策
既存オンプレミスPBXと連携して
内線網を専用線からクラウド化
さまざまな課題がある中で同社が選択したのは、NTTコミュニケーションズのクラウド型PBXサービス「Arcstar Smart PBX」だった。専用線を廃止してクラウドPBXへ置き換える方法で、基幹システムとの連携上なくすことのできないオンプレミスのPBXはそのまま残し、クラウドPBXと併用する。「決め手は、既存のPBXに手を加えずに安価に内線網を刷新でき、内線網維持におけるコストも抑制できるということでした」(塩崎氏)。「Arcstar Smart PBX」では、簡易にオンプレミスPBXとクラウド型PBXの連携ができ、5つの拠点でバラバラな通信設備でも導入が可能だった。さらに、「Arcstar Smart PBX」を選んだ理由はもう一つあった。
「スマホで内線電話を利用できるという機能です。専用のアプリをインストールして簡単な設定だけで、社内、社外にかかわらずスマホで容易に内線を使える。BYOD(Bring Your Own Device)にも対応していて、他社の提案にはないものでした」(塩崎氏)
また、同社では可能な限りクラウドを活用するという方針があったという。「もともと情報系/基幹系システムについても積極的にクラウド化に取り組んできた経緯があります。ホテルとしては、システムやソフトウェア、マシンルームに投資するよりは、お客さまの滞在される空間への投資を優先したい。運用面で見ても、全拠点合わせて7人というシステム管理課のメンバーだけで維持管理することを考えたら、クラウドサービスという選択には意義があると考えています。クラウド化による適切な人員配置や安定したインフラ創出のほうが、お客さまへのよりよいサービスにつながるでしょう」(塩崎氏)。
図 システム構成イメージ
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効果
内線網の維持コストを半減
スマホ内線化で、営業担当の業務効率化も
コスト面では大きな導入効果があった。従来、専用線の内線網の維持には全拠点合わせて月額で約30万円の費用がかかっていたが、「Arcstar Smart PBX」導入後、約15万円まで減らすことに成功。同時に各拠点の既存のPBXの規模をミニマム化し、更なるコスト削減を実現した。
さらに、「Arcstar Smart PBX」の効果として塩崎氏は「スマホの内線化」を挙げる。営業担当者や情シス担当者が所有する会社支給のスマホに「Arcstar Smart PBX」のアプリをインストールし、社内・社外で内線電話を利用できる環境を整備。これまではオフィスにかかってきた電話の取り次ぎの手間がかかっていたが、「Arcstar Smart PBX」導入後は、社外にいる営業担当者のスマホに内線で転送でき、スムーズな電話応対が可能となった。
「スマホで内線を利用したいというニーズは高く、将来的にはBYOD導入の構想も持っていまして、ポリシーの策定が完了したらホテルスタッフなどへの導入を前向きに進めるつもりです。BYODによるスマホ内線化が実現すれば、ホテル内での業務効率化や端末購入コスト、インフラ整備コストの面でも更なるメリットが期待できます」と塩崎氏は期待する。
PFTHでは、ホテルリニューアルのため、臨時のサテライトオフィスの設備構築が必要になったが、そうした短期間の利用にも適しているという。既存システムとも柔軟に連携できる「Arcstar Smart PBX」を活用すれば、サテライトオフィスの電話システム構築も容易に行える。「現在リニューアル中のPFTHでは、近隣のグループ企業内に設置されたオンプレミスのPBXと連携させ、予約業務などを行う仮設事務所の内線網を安価に構築することができました」(塩崎氏)。このような柔軟さは、今後の組織変更や更なる事業拡大にも十分対応できうるものだ。
「電話というと技術的にはすでに枯れている印象があり、改善の余地もないように思われがちですが、決してそんなことはありません。今回のリニューアルでは、本当に良くなったという実感が得られました。情報システム担当者だからといってすべてのネットワークに明るいとは言い切れず、当初不安もありましたが、NTTコミュニケーションズのコンサルティングのおかげで安心して導入を進めることができました。今後もさまざまな施策を検討しており、改善を続けていきたいと考えています」(塩崎氏)。
このように事業拡大などにより電話システムの複雑化するケースは、多くの企業で想定されることであろう。その中で高額なコスト、そして管理負担の軽減化、コミュニケーションの円滑化を実現したブライトンホテルの取り組みを参考にしてはどうだろうか。
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導入サービス
Arcstar Smart PBX
Arcstar Smart PBXは、PBXやビジネスホンを使用せずに、クラウド上にあるIP電話サーバによりPBX機能と内線機能を実現するクラウド型PBXサービスです。
詳しくはこちら株式会社ブライトンコーポレーション
事業概要
オリエンタルランドのホテル事業を担う中核子会社「ミリアルリゾートホテルズ」の傘下で、「ブライトンホテル」のブランドでハイクオリティな総合サービスを提供するラグジュアリーホテルを展開している。2013年3月に長谷工コーポレーションからミリアルリゾートホテルズに事業譲渡。パーム&ファウンテンテラスホテルは2014年4月に経営統合した。
URL
http://www.brightonhotels.co.jp/
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(掲載内容は2016年3月現在のものです)
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