顧客対応業務における既存の在宅勤務環境の問題点
多様な働き方を実現する「働き方改革」は、昨今の新型コロナウイルス影響によりすでに対策済み、あるいは検討を急いでいる企業が増えてきています。
テレワーク環境の整備には、自然災害や緊急事態の対応だけでなく、ワークライフバランスや生産性向上などといったさまざまなメリットがあり、コロナ禍をきっかけにあらためて取り組みを強化する動きも進んでいます。
ただ働き方改革には多くのメリットがある一方で、そのための環境整備のための負担が大きいといった課題があるのも事実です。
まず働き方改革のメリットについて見ていきましょう。オフィス以外でのワークスタイルとしては、サテライトオフィスの利用や在宅勤務の形態が主流です。とりわけ在宅勤務であれば、育児や介護などをしながら働ける可能性があるため人材の維持・確保に効果的であるのはもちろん、自分の時間を確保しやすくなることから私生活が充実し、それによってストレスが軽減するといった効果も期待されています。実際に、厚生労働省が2020年11月に公表した「テレワークの労務管理などに関する実態調査(速報版)」の調査結果を見ると、従業員が回答した在宅勤務のメリットとして「通勤時間の節約、ストレス軽減」や「隙間時間の有効活用」が上位に挙げられていることがわかります。
このテレワークを実践する上で、課題となるのはそのためのICT環境の整備です。
従来のICT環境は従業員がオフィスで働くことを前提に整備していたため、テレワークの実践は決して簡単ではありませんでしたが、昨今ではテレワークの実現に役立つさまざまなソリューションが提供されているほか、導入時の負担を軽減できるクラウドサービスも普及しているため、従来よりもテレワークのハードルは下がっています。
業務や職種によって在宅勤務が難しいとされるケースもあります。コンタクトセンターや営業所、店舗などで行われる「顧客応対業務」もその1つですが、コロナ禍で生まれた「訪問営業の機会が減った」という課題を解決するために見直しが進んでいるほか、在宅勤務に役立つさまざまなソリューションが登場したことで、以前よりもテレワークを実施しやすくなっています。
それでは、コンタクトセンターや営業所、店舗などの顧客接点強化をリモートワーク(在宅)でどのように推進することができるのでしょうか。
在宅で顧客からの電話応対は可能か?
顧客応対業務における在宅勤務の実施において、問題となるのは電話応対です。この課題が解決できないため、在宅勤務のスタッフが行うのはメールでのお問い合わせへの対応や事務作業などに業務が限られるケースが少なくありませんでした。しかし現在では、クラウドサービスとして提供されているPBXやCTIを活用することにより、在宅勤務でも顧客からの電話に応対できる環境を整えられます。また、CTIがオペレーターの業務効率向上につながる機能やオプションを備えていれば、テレワークで電話応対するオペレーターの負担軽減にもつながります。
以降では、顧客対応業務で在宅勤務を可能にする具体的なソリューション
の特長を解説していきます。
Point 1:ロケーションフリーのクラウド型PBXを活用
外部からかかってきた電話をどこでも受け取れる、あるいは運用や保守の負荷を大幅に軽減できるといったメリットから、導入が広がっているのがクラウド型PBXです。
多くの企業では、専用の内線番号を使って通話を可能にする内線通話の機能や、外線に電話をかける、あるいは外線からかかってきた電話に応答する外線接続機能、保留転送をはじめとする各種転送機能などを備えたPBXを利用しています。これらの機能をクラウド上で提供するのがクラウド型PBXであり、オフィス内の内線網を構築するために使えるのはもちろん、コンタクトセンターや営業所、店舗などで利用するPBXとしても活用できます。
「Arcstar Smart PBX」はこうしたクラウド型PBXの1つであり、スマホによる内線通話や、代表番号にかかってきた電話を振り分けて、ロケーションフリーで電話応対できる環境を実現しています。電話端末としては、ソフトフォンをインストールしたPCやスマートフォンが使えるため、新たな機材を自宅に設置するといった手間もありません。
さらにクラウド型のサービスであり、初期負担を抑えて導入できるほか、すぐに使い始めることができます。
Point 2:在宅勤務にも対応した新しいCTIシステム
高度なコンタクトセンターの運営を可能とするため、多くの企業で使われているのがIVRやACD、通話録音などの機能を搭載したCTIと呼ばれるシステムです。従来CTIはオンプレミスで運用するのが一般的で、それを利用してテレワークでオペレーター業務を行うには、社内ネットワークにVPNで接続しなければならないなどの手間がありました。しかし最近では、オフィスだけでなくテレワーク環境でも容易に利用することができる、クラウド型のCTIサービスが登場しています。
そうしたサービスの1つである「ビズリンククラウドCTI」は、CTIに求められる機能を網羅しています。また、回線交換網やインターネットなどのさまざまな接続方法に対応しているため、在宅勤務環境でも利用できるメリットがあります。
ビズリンククラウドCTIを中心に新規環境を構築できるのはもちろん、利用中のビジネスフォンやPBXの利用を継続したままCTI機能を利用することも可能など、高い柔軟性を備えていることも特長です。
Point 3:自動で音声をテキスト化してオペレーターの業務を効率化
新たなコンタクトセンターソリューションとして、昨今注目を集めているのが音声を自動的にテキスト化するサービスです。以前よりも認識精度が向上したことで実用性が高まったほか、お客さまと応対している内容をリアルタイムに音声認識が可能なほか、録音した音声をテキスト化できるソリューションもあり、幅広い領域で使われ始めています。
これを利用して顧客との応対を自動的にテキスト化すれば、応対履歴を作成する手間を大幅に削減できるほか、記録の正確性の向上も期待できます。また、テキスト化されていれば特定の用語の検索などが簡単となり、モニタリングの負担も軽減されるため、応対品質の向上にも有効です。
前述した「ビズリンク クラウドCTI」では、オプションサービスとして「自動音声テキスト化サービス」を提供しています。クラウドCTIのオプションであるため、システム連携などを気にせず導入できるほか、オペレーターからも簡単なGUIで利用することが可能です。
商品名などの用語はあらかじめ辞書に登録できるうえ、応対テキストを修正するとシステムにフィードバックする仕組みもあり、品質を継続的に向上できることも自動音声テキスト化サービスの特長です。
Point 4:在宅勤務のセキュリティ対策をシンプルに実現
在宅勤務に取り組む際、適切なセキュリティ対策は欠かせません。特にコンタクトセンターではお客さまの個人情報を扱うことも多いため、ウイルス対策ソフトの導入やハードディスクの暗号化といった基本はしっかり抑えるべきです。
特に起こりやすいトラブルとしては、テレワークに利用しているPCがウイルスに感染し、それによって情報漏えいが発生したといったものが考えられます。そもそも従業員が個人で所有しているPCは、当然企業が管理することはできないため、セキュリティ対策がどのような状態で使われているのか把握できず、大きなリスクがあります。
そこで導入を検討したいのが、テレワークを始めるうえで必要となる、セキュリティ対策が設定されたPCが提供される、NTTコミュニケーションズの「テレワーク・スタートパック」です。このPCでは、NTTコミュニケーションズのセキュリティポリシーが設定されたWebフィルタリングも利用でき、さらにハードディスクの暗号化もあらかじめ設定されているため、盗難や紛失による情報漏えいのリスクも軽減できます。
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セキュリティ対策導入済みのPCを納品
アンチウイルスソフトやファイアウォールから不正プログラムの実行阻止までテレワークを始めるためのセキュリティ対策が設定されたPCを納品
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悪質なWebサイトを閲覧させない
WebフィルタリングでNTT Comのノウハウが詰まったセキュリティポリシーを設定
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暗号化で情報漏えい対策
盗難・紛失時に備え、ハードディスクを暗号化しセキュリティを確保
「OCN モバイル ONE for Business」のSIMがセットされた状態で出荷されるため、自宅や外出先でそのままインターネットを利用できることもポイントです。
まとめ コンタクトセンター在宅勤務化の課題はこれで解決!!
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1
自宅での電話応対
クラウド型PBXを利用すれば、顧客からかかってきた電話を自宅で受けることも可能です。
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2
自宅でもオフィスと同じ環境
クラウド型CTIシステムを利用すれば、IVRやACD、通話録音などの機能が自宅でも使用可能になります。
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3
自動での音声テキスト化
音声を自動的にテキスト化すれば、アフターコール業務の負担軽減となり、テレワーク時の作業効率が向上します。
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4
セキュリティの強化
アンチウイルスソフトやWebフィルタリングなど、セキュリティ対策が設定済みの状態で出荷されるPCなら在宅勤務も安心。