2020.01.31
ドコモビジネスの通信型ドライブレコーダーに追加された「SDカード故障検知機能」
自家用車、社用車を問わずにドライブレコーダーの設置がスタンダードになる一方で、国民生活センターに寄せられるドライブレコーダー関連の相談は年々増加しています。「映像が残っていなかった」などの記録に関する相談は、2013年4月1日から2018年6月30日の間で88件に上りました。中には、事故時の映像が残っていなかったことで事故の責任を明確にできなかった事例もあったとのことです。
(※出典:独立行政法人国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180802_2.pdfより)
本コラムでは、ドライブレコーダーの映像が記録されない原因と、その解決策となるドコモの通信型ドライブレコーダーの「SDカード故障検知機能」についてご紹介します。
1.ドライブレコーダーのSDカードの概要
ドライブレコーダーには、「SDカード型」「通信型」という2つのタイプがあります。SDカード型は、SDカードに映像を記録するのみです。通信型はSDカードを使用するのと同時に、通信機能を利用して、事故や危険運転があればSDカードに書き込んだ映像をクラウドにもアップします。通信型ドライブレコーダーを使っていてもSDカードは必須です。
ドコモの通信型ドライブレコーダーは、SDカードに独自フォーマットを採用しています。独自フォーマットには以下の特長があります。
(1)定期的に初期化する必要がない
通常、SDカードを使い続けると「不良セクター(記録できない領域)」が発生します。ドライブレコーダーは映像を常時記録し続けているために不良セクターがたまりやすく、データを上書きできなくなったり、SDカードが故障したりする可能性が高くなります。そのため、従来のドライブレコーダーでは定期的にSDカードの初期化を行う必要がありました。
ドコモの通信型ドライブレコーダーのSDカードは独自フォーマットを採用し、定期的に初期化する必要がありません。
(2)高いセキュリティ性が確保される
独自フォーマットなので、専用のViewerソフトを利用して映像を閲覧します。万が一SDカードを紛失しても、安全性が高いといえます。
2.従来のSDカード型の問題点-故障検知はドライバー任せ
SDカード型ドライブレコーダーは、SDカードに異常が発生した場合、本体のLEDライトの点灯などでドライバーに通知しています。しかし、ドライバーがそれに気づかずに出発してしまえば、走行中に管理者がSDカードの異常を検知する手段はありません。管理者は社用車のドライブレコーダーを1台ずつ毎日チェックするか、ドライバーからの故障報告に頼らなければ、SDカードの異常に気づくことができません。SDカードが故障していることを把握しないままにドライブレコーダーを使用し続け、映像を確認しようとしたときになってはじめて、記録されていなかったことを知るケースもあります。
SDカードの異常が原因で危険運転や事故発生時の映像が記録されていなかったら、ドライブレコーダーを設置した意味がなくなってしまいます。
3.ドコモの通信型ドライブレコーダー「SDカード故障検知機能」について
ドコモの通信型ドライブレコーダーは、SDカードの異常発生が少ない特長があります。ごくまれに異常が発生した場合でも、録画漏れを避けるための「SDカード故障検知機能」が新たに追加されました。SDカード故障検知機能の内容についてご説明します。
(1)SDカードの異常チェック
ドライブレコーダーのSDカードを自動的にチェックし、異常があれば音声ガイダンスとブザー音でドライバーに通知します。
SDカード異常は「SDカード未挿入」「アクセス異常」「フォーマット異常」「パーティション誤り」の4パターンがあります。
(2)管理者への通知
SDカードの異常を検知した場合、自動で管理者にアラートメールを送信します。アラートメールではSDカード異常のパターンと、車両名(登録がなければ端末名)を確認できます。
さらに、管理者画面のトップにもアラート通知を表示します。
管理者はアラートメールやアラート通知を見たら「SDカード故障一覧画面」を開くことで、SDカードに異常が発生している車両の一覧と、異常の内容を確認できます。それによって、録画可能なSDカードへの交換対応を管理者側で行うことができます。
(3)SDカードの異常をチェックするタイミング
基本的には、ドライブレコーダーの電源がONになったとき(車両のエンジンをかけたとき)にSDカードの異常チェックが自動的に行われます。その他、異常のパターンごとに検知するタイミングが設定されています。
4.まとめ
ドコモの通信型ドライブレコーダーはSDカードの定期的な初期化が不要で、異常の発生が少ないのが特長です。ごくまれに発生したとしても、新機能の「SDカード故障検知機能」によって、自動的にアラートメール送信や管理者画面でのアラート通知が行われます。そのため、ドライバーが気づかなくても管理者がSDカードの異常を把握できます。
管理者が異常を把握して即時対応できる状況であれば、万が一の事故や危険運転のときに映像の記録漏れを防げる可能性が高くなりました。
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