CASE of Re-connect X 03

省力化スマート×農業×生物多様性

人にも生き物にもやさしい
持続可能な“棚田”農法を目指して

日本の米づくりの担い手不足

山がちな日本では、傾斜地を活用した「棚田」における米づくりが継承されてきました。少子高齢化により、稲作農家の担い手不足が社会課題となって久しいですが、その傾向は農地を広く確保できない中山間地域や島しょ部で顕著になっています。例えば、新潟県佐渡市では、特別天然記念物のトキと共生するために農薬などの使用を削減した米の栽培を推進し、2011年には日本初の「世界農業遺産(GIAHS)」に認定されました。しかしながら、農家の担い手不足はこの美しい離島に着実に忍び寄っており、ロボット・AI・IoTなどを活用したスマート農業の導入に活路を見出そうとしています。

COTOHA Voice DX® Premiumの概要

地域で共有する農業ICTソリューション

NTTコミュニケーションズは、新潟県佐渡市で人にも生き物にも優しい持続可能な「棚田」農法の確立を目指す「世界農業遺産と朱鷺の島スマート農業コンソーシアム」に参画しています。佐渡をトキが生息しやすい環境にするには、島の原風景である棚田での減農薬栽培、無農薬・無化学肥料栽培の推進が不可欠です。佐渡では安全でおいしい佐渡米を認証する制度「朱鷺と暮らす郷づくり」を立ち上げるなど、地域ブランドの構築や収益向上に向けた努力を重ねてきましたが、山間の傾斜地に広がる棚田で農薬に頼らない農業を継続するには、畔の管理や草刈りなど高齢者の方には負担の大きい重労働が多いことが課題となっています。NTTコミュニケーションズは、上記コンソーシアムの一環として、ドローンや水田除草ロボット、高度水管理システムなどの農業ICTソリューションを棚田に導入する実証実験に参加しました。行政機関や地元の農業法人とともに2022年度から2年間にわたり行うもので、「令和4年度 農林水産省スマート農業産地モデル実証」に採択されています。実証には、農作業の自動化と省力化に大きく貢献する農業ICTソリューションの価値を測るとともに、その導入コストと効果を地域で共有するためのシェアリングサービスの可能性を探る目的もあります。また、導入後の環境保全や収量維持、無農薬・無化学栽培の認証取得によるお米の販売価格の向上を考慮したビジネスモデルについても検証を進めています。今後も佐渡を起点にスマート農業の研究・開発・実践に取り組み、全国の棚田農家の課題解決の実現を目指します。

「朱鷺と暮らす郷づくり」認証マーク

「朱鷺と暮らす郷づくり」認証マーク

地域とともに日本の農業再生を目指す

ドコモビジネスソリューションズ 新潟支店 課長 臼井 満

ドコモビジネスソリューションズ 新潟支店 課長
臼井 満

次世代を担う学生などを巻き込みつつ、佐渡をはじめとする地域にもっと深く入り込み、地域とともに農業ICTソリューションを磨き上げることで農業再生に貢献していきます。

ドコモビジネスソリューションズ 新潟支店 主査 山本 一磨

ドコモビジネスソリューションズ 新潟支店 主査
湯本 祐起

除草ロボなどのICTソリューションには技術的な課題も残っています。多くの方の協力と知恵を結集し、我々も地域課題解決の一助を担えるよう努力を重ねていきます。

ドコモビジネスソリューションズ 新潟支店 波多野 竣介

ドコモビジネスソリューションズ 新潟支店
波多野 竣介

スマート農業は、担い手の高齢化や後継者不足に対して新しい価値を創出できると考えています。今後はデータの蓄積・分析を通じて、農業ビジネス拡大の可能性を広げていきます。

※本記事の内容は2023年12月現在の事実にもとづくものです。

  • CASE of Re-connect X 01
  • CASE of Re-connect X 02
  • CASE of Re-connect X 03
  • CASE of Re-connect X 04
  • CASE of Re-connect X 05
お問い合わせ

このページのトップへ