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データ可視化とは?目的や方法、ポイントを徹底解説!
ICTの発達により膨大な情報が日々生み出されており、それにともなって社会情勢の変化も著しくなっています。このような状況においては、経験や勘による意思決定では対応が難しく、論理的な事実にもとづいた戦略が必要不可欠です。そのためには企業内のデータを可視化して、情報を積極的に生かした経営戦略を実行することが求められます。
そもそもデータ可視化とは?
データ可視化とは、データビジュアライゼーションとも呼ばれ、企業が持つデータをイラストやグラフ、チャートなどでビジュアル化(可視化)する手法のことです。この作業により、単なる数字の羅列であるデータに新しい価値を持たせ、論理的な業務遂行や企業運営に役立たせます。
例えば小売店では、商品の売れた数、売上、利益、店舗ごとの来客数、商品を購入した性別や年齢層など、毎日の営業を通してさまざまなデータが発生します。しかし、これらはそのままの状態では分析や傾向をつかむ作業に時間がかかったり、把握しにくかったりする問題があります。そこで、各店舗の売上をグラフ化して比較したり、入荷している商品や売れている商品、立地、店舗情報などのデータを表にまとめて色付けしたりして可視化することで、売上に関する要因をつかむことが容易になります。このように、業務において発生したデータを、有益な情報として人間が理解できるようにする作業がデータ可視化です。
データ分析を行う4つのメリットとは
データ分析は、企業にとって多くの利点があります。ここではその中でも代表的な4点のメリットをピックアップして紹介します。
共有の課題意識を持ちやすい
企業運営においては、業績や売上などの目標値を設定しますが、すべての人材がそれらを達成できるわけではありません。問題となる要因を突き止めることが難しく、解決のための方向性を定めることも困難です。
データを可視化して要因を視覚化することで、課題に対して共通の認識を持たせやすくなります。「なぜそうなっているのか」を誰にでも理解できるように表や図式にすることで、解決策へのアプローチが統一できます。
また、業務データを常に可視化することで、業務の効率化へとつなげられるでしょう。
迅速な意思決定が実現する
近年は需要の変化が激しく、製品・サービスのコモディティ化が顕著です。特にスマートフォンやPCは、急速な普及を遂げて人々の生活にとって特別なものではなくなりました。このような時代においては、いかに素早く需要をつかんで対応するかが重要です。
しかし、従来の意思決定においては、経験にもとづく判断で意思決定を行うことが大半でした。これでは膨大なデータを活用しきれず、意思決定が遅くなったり正しい判断が下せなかったりなどといった問題があります。
一方、データを可視化して有効に活用することで、データの中から重要な要素を定量的に判定して分かりやすい形で示せるようになるため、素早い意思決定へとつなげることが可能です。経営者の迅速な判断は、現場の生産性が向上するだけでなく、ホラクラシー経営(フラットな組織形態での経営)のような柔軟な経営戦略の導入もできます。
属人化が解消できる
これまでデータの運用では、データサイエンティストのような知識のある人材によって行う必要がありました。しかし、こうした人材に頼っていると、休暇や退社などの際に業務を動かすことが困難です。このような属人化問題を解決する手段として、「BI(ビジネス・インテリジェンス)ツール」などのデータ可視化ツールを導入することがおすすめです。
BIツールにはデータ可視化を自動化する機能が搭載されているため、専門的な知識は必要なく、企業内全体のデータ活用スキルを向上できます。加工したデータはダッシュボードへの表示やレポート出力といった活用ができ、すぐに業務へ役立てることが可能です。
データドリブンな経営が可能になる
データドリブンとは、経験や勘に頼ることなく、データを基にした客観的かつ論理的なアプローチで業務を遂行する手法のことです。「経営判断」「マーケティング」「財務会計」「営業管理」など、幅広い業務プロセスに応用できます。 情報が錯綜している近年においては、消費者の価値観や行動が多様化しています。従来の経験則にもとづく手法では、こうした多様化の波をつかみ切ることができません。一方、インターネットが発達したことから、消費者の購買行動のきっかけとなる情報は得られやすくなっています。これを活用してデータドリブンな企業活動を行うことで、効果的な業務遂行が可能です。
データ可視化を行う方法
データの可視化では、抽出したデータを図式に落とし込みます。ここでは、ビジュアライゼーションの種類と利用目的について解説します。
グラフやチャート
グラフやチャートは、データ可視化において一般的なビジュアル化です。「折れ線グラフ」「積み上げ棒グラフ」「レーダーチャート」「棒グラフ」「円グラフ」など、さまざまな種類があります。それぞれ、主に以下のような用途で用いられます。
- 折れ線グラフ:時系列での比較
- 積み上げ棒グラフ:データの内訳算出
- レーダーチャート:対象となるモノのバランスと傾向
- 棒グラフ:対象の値の比較
- 円グラフ:統計と割合の把握
- 散布図:データの相関関係
- バブルチャート:三つのデータの関係性
こうしたグラフやチャートは数字だけのデータを図式化できるため、データの意図をより分かりやすい常態で示すことが可能です。ダッシュボードに表示して現状を把握したり、レポート化して会議などの資料に利用したりすることが可能です。
ヒートマップ
ヒートマップは、ユーザーの動きや密度を把握するために行う手法です。データにあわせてサーモグラフィーのように色付けをします。例えば、Webサイトの分析においては、「熟読エリア」「終了エリア」「クリックエリア」をヒートマップで可視化することでユーザー行動を確認できます。
このうち熟読エリアの可視化では、ユーザーにもっとも読まれている箇所を赤く、読まれていない部分を青く色付けして、ページのどの部分が読まれているかを把握しやすくします。終了エリアでは、ユーザーが読むのをやめた地点を色やグラフなどで示します。クリックエリアでは、ユーザーが一番多くクリックした箇所を赤く表示します。このようにWebサイトをヒートマップで把握することで、人気のある部分とない部分を判定したり、頻繁にクリックされている場所を確認したりすることが可能です。
地図
地図上にデータをビジュアライゼーションして地域ごとの情報を図式化する方法もあります。以下のように、さまざまな手法での活用が可能です。
- ポイント分布:地図上でデータが密集している地点にポイントマーカーを立てます。密度の高いポイントを視覚化できます。
- 塗りつぶし:マップをエリアごとに分けてデータを基に塗りつぶします。地域別による値の高低が確認できます。
- フローマップ:対象となるモノの方向を示します。台風や桜前線などの進路図に使用されます。
- スパイダーマップ:特定地点の始点・終点間を結んで矢印を付けます。物流などのルートが確認できます。
- 路線図:電車などの路線表示に使用されるマップです。
- データ空間分布地図:フローマップと路線図を合わせたマップです。路線図の人流測定が可能です。
データ可視化のポイント
データ可視化は、やみくもに行うだけでは効果が得られません。ここでは意味のある可視化を行うために、重要なポイントを2つ解説します。
目的やニーズに合った手法をとる
データ可視化の基本は、「複雑なデータを効率的に伝える」という点です。データのビジュアル化は、的確に行えば理解しやすい情報を相手に伝えられる手段となり得ます。しかし、目的やニーズに沿ったものでなければ、意図が伝わりません。
そのため、まずは目的やニーズを定め、それらに沿ったビジュアル化を選択しなければなりません。また、データ可視化を最適化するために「シンプルなデザインで情報を詰め込みすぎない」「ビジュアル化したものはインパクトを持たせる」といったポイントを押さえることが重要です。
データの意味を理解する
可視化する際に取り扱うデータの多くは、企業のビッグデータから取り出したものです。ビッグデータには必要のないデータも多く含まれるため、目的と関連性のあるデータを抽出しないとミスリードが発生してしまいます。
正しくデータを使用するには、データの意味を理解して有効に活用する必要があります。近年はBIツールが発達しているため、深いデータ構造の分析が難しい場合は、ツールを利用した上で図式化に落とし込むことをおすすめします。
データ可視化に欠かせない「データ統合」とは
企業運営によって蓄積されたデータは、しばしば部門ごとやシステムごとに散在し、情報共有が取れない状態、いわゆる「サイロ化」が生じます。これらのデータは、構造化データ・非構造化データ・非定型データなど、それぞれのフォーマットも異なっており、そのままではデータ可視化に活用できません。
そこで、各データを「データレイク」や「データウェアハウス」と呼ばれるデータの倉庫に一度格納してから利用する方法を取る必要があります。この作業を「データ統合」と呼び、散在していたデータを使いやすいようにまとめることによって、データの加工・分析が素早くできるようになります。
「データ統合インフォマティカ ソリューション」で社内のデータを統合
「データ統合インフォマティカ ソリューション」は、データ統合・管理を支援する次世代型のデータインテグレーションプラットフォームです。アメリカのInformatica社が開発したデータ統合システムを、NTT Comの強固なクラウドシステムで提供しています。
インフォマティカは、社内に散在するデータの統合をはじめ、さまざまなクラウドサービスやネットワーク、BIツールとの連携が可能です。VPN、AWS、Microsoft Azure、Salesforce、BIツールなど、自社独自の組み合わせでデータの可視化を導入できます。データ連携のサポートも行っており、統合基盤の全体設計、運用方法の提案も可能です。
フレキシブルなデータ統合基盤の導入を検討しているなら、NTT Comによるインフォマティカの利用がおすすめです。
まとめ
データ可視化を生かすことで、各部門の業務効率向上やリアルタイム性の高い意思決定が可能です。しかし、企業内には数多くのデータがあるため、目的のためのデータをうまく抽出しなければ適切な活用ができません。 BIツールを活用して、効率よく加工を行うことも1つの方法です。また、既存システムにデータ可視化を組み込む場合は、インフォマティカをはじめとするデータ統合基盤を積極的に活用しましょう。
この記事の目次
- 1. そもそもデータ可視化とは?
- 2. データ分析を行う4つのメリットとは
- 3. データ可視化を行う方法
- 4. データ可視化のポイント
- 5. データ可視化に欠かせない「データ統合」とは
- 6. 「データ統合インフォマティカ ソリューション」で社内のデータを統合
- 7. まとめ
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