マネージドサービスのメリット・デメリットとは?
フルマネージドサービスとの違いも解説
マネージドサービスとは、企業のICTインフラの運用・管理を外部の専門業者に委託するサービスのことです。
マネージドサービスは、特に情報システム部門が運用にかけるリソースを削減し、業務効率化を図る手段として多くの企業に採用されています。
ただ、マネージドサービスにはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
また、フルマネージドサービスとの違いも、理解しておくべき重要なポイントです。
そこでこの記事では、マネージドサービスのメリット・デメリットを詳しく解説し、フルマネージドサービスとの違いについても説明します。企業のICT運用において最適な選択をするために、ぜひ参考にしてください。
マネージドサービスとは
マネージドサービスとは、企業が自社のICTインフラの一部または全体を外部業者に管理してもらうサービスのことです。
運用面でのリソース削減や効率化を目的とし、特に情報システム部門の負担軽減に貢献します。
マネージドサービスには、企業のニーズに応じて部分的に運用を委託する場合と、すべてのICT運用を一任する「フルマネージドサービス」があります。
フルマネージドサービスとの違い
フルマネージドサービスとは?
フルマネージドサービスとは、マネージドサービスの中でもICTインフラの運用・管理をすべて完全に外部に委託する形態です。フルマネージドサービスの利用により、企業はIT部門の負担を大幅に軽減し、リソースを他の重要な業務やプロジェクトに集中させることが可能です。
これに対し、通常のマネージドサービスは、特定の領域に限り運用を委託し、社内リソースとの併用が可能です。企業のニーズに応じて、柔軟に運用の範囲を決定できるのがマネージドサービスの特徴です。
マネージドサービスのメリット
マネージドサービスの主なメリットは、次の3点です。
専門知識・技術を活用できる
マネージドサービスを利用することで、外部業者が提供する高度な専門知識や最新技術を活用することが可能です。
この結果、システム運用の品質向上やトラブル対応の迅速化が期待できます。
また、社内で不足しているスキルを補完し、より高度な技術支援を受けることができる点も大きなメリットです。
運用コストを削減できる
自社でのシステム運用には、専任の技術者を確保するための人件費や研修コストが必要です。
一方、マネージドサービスを活用することで、外部業者に運用を任せるため、これらのコストを削減できます。
また、サービス提供元の業者が複数の企業向けに運用を行うため、コストが効率的に分散される点もメリットです。
サービス内容や範囲を調整できる
マネージドサービスは、企業のニーズに応じて柔軟にサービスの範囲を調整することが可能です。
部分的な運用委託から始め、必要に応じて管理範囲を広げることで、スムーズに運用体制を整えることができます。
この柔軟性が、急成長するビジネスや新規事業において重要な選択肢となります。
マネージドサービスのデメリット
一方、マネージドサービスにもデメリットが存在します。
サービス範囲が限定的である
マネージドサービスはあくまで外部委託のため、委託する範囲が限られる場合があります。
たとえば、特定の業務やICTシステムに特化したサービスでは、求めるサービス内容が提供されないこともあります。
自社のICTシステム全体を網羅するには、詳細なサービス内容の確認が必要です。
ベンダーロックインのリスクがある
マネージドサービスを利用する際は、特定のベンダーに依存するリスクがあります。
一度契約を結ぶと、システムの変更や他社への乗り換えが難しくなることがあり、結果として「ベンダーロックイン」に陥る危険性があります。
これを防ぐためには、契約時にサービス内容や将来的な運用方針を明確にする必要があります。
【ケース別】マネージドサービスとフルマネージドサービスのどちらが向いているか?
マネージドサービスとフルマネージドサービスの選択は、企業のICT運用におけるニーズやリソースによって異なります。
ここでは、企業の状況に応じてどちらのサービスが適しているかを具体的なケース別に解説します。
特定の分野の専門知識やスキルが不足している場合
特定の技術や分野において、社内に十分な専門知識やスキルがない場合は、マネージドサービスが有効です。
たとえば、セキュリティやバックアップ管理の専門家が不足している場合、これらの業務を外部業者に委託することで、社内リソースを効率的に活用することができます。
また、必要な技術を適切な形で提供してもらえるため、スキルのギャップを埋めることが可能です。
システム運用の一部を効率化したい場合
システム運用の一部に限って効率化したい企業にとっては、マネージドサービスが適しています。
自社で一部のシステム管理を行いながら、特定の分野(たとえば、ネットワーク監視やクラウド管理)だけを外部委託することで、効率よく運用を行うことができます。
コスト削減をしつつ、自社内での運用にも一定のコントロールを維持したい場合に最適です。
新規事業やシステム導入に注力したい場合
新規事業の立ち上げや、新しいシステムの導入にリソースを集中させたい場合、フルマネージドサービスを選択することで、ICT運用をすべて外部に任せることができます。
この結果、IT部門はプロジェクトの推進や新規システムの構築に専念でき、全体のスピードアップと効率化が期待できます。
ICTシステム運用を全面的にアウトソーシングしたい場合
ICT運用の全体を外部委託したい場合には、フルマネージドサービスが理想的です。
企業全体のICTインフラの管理、セキュリティ、システム保守までを包括的に外部業者に委任することで、内部リソースを最小限に抑えつつ、安定したICT運用が可能となります。
特に、ICTリソースの効率化を図りたい大手企業においては、このアプローチが有効です。
ビジネスの成長に合わせた柔軟なシステム拡張が必要な場合
ビジネスの成長に合わせてICTシステムを柔軟に拡張していきたい場合は、マネージドサービスが向いています。
必要な時にサービスの範囲を拡大し、規模に応じてリソースを調整できるため、将来的なシステム拡張や新しい技術の導入に対応しやすくなります。
最新のセキュリティ対策やシステムアップデートを常に適用したい場合
セキュリティリスクやシステムの脆弱性に対処するためには、最新のセキュリティ対策やシステムアップデートを常に適用する必要があります。
フルマネージドサービスを利用することで、ICTインフラのトータル的なセキュリティやアップデートに関する専門的なサポートを受け続けることができ、社内のセキュリティ体制を強化することができます。
まとめ
マネージドサービスは、ICT運用の負担を軽減し、効率的な運用を実現するための有力な選択肢です。
メリットとデメリットの両面を理解し、自社のニーズに合わせた最適なサービス形態を選ぶことが重要です。
フルマネージドサービスとの違いを把握し、最適な運用体制を整えることで、企業の成長と競争力強化に貢献できます。
また、「X Managed(クロスマネージド)」のような先進的なサービスを活用することで、さらなる業務効率化とセキュリティ強化が期待できます。
X Managedは、メニューを選択できる、セミオーダー型のマネージドサービスです。
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