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大規模ネットワーク障害に備えたキャリア冗長機能

本レシピでは、ICMS SIMカード(TSLプロファイル) とRobustel社製IoTルータを使用し、メイン回線のネットワーク障害を想定したキャリア冗長機能をお手軽に体験いただけます。メイン回線からサブ回線に切替わり、設定された時間経過後にメイン回線に切戻るまでを確認します。

難易度:★☆☆☆☆

レシピ公開日:2025年3月

>大規模ネットワーク障害に備えたキャリア冗長機能

1.概要

1-1.本レシピで実現できること

メイン回線のネットワーク障害を模擬し、メイン回線(docomo)からサブ回線(KDDI)に切替わり、設定された時間経過後にメイン回線に切戻るまでを確認する。

1-2.所要時間と所要費用

想定所要時間: 約30分

  • 概算費用: 0円(設定用PC、などを除く)
  • 事前に、NTTコミュニケーションズの担当者にIoTマネージドサービストライアル(無料)をお申込みください。

本トライアルには下記が含まれます。

  • 最下部に【IoTマネージドサービストライアル注意事項】を記載しています。ご確認ください。

1) IoTルータの貸出し (本体、アンテナ、ACアダプタ、などを含む)

R2100-4L
R2100-4L
LTEルータ 主な機能
R2100-4L LTE(2 x 標準SIM)、ETH(3 x LAN + 1 x WAN): 10/100/1000 Mbps、Wi-Fi(2.4/5GHz)、DI/DO: 1 x DI (wet) + 1 x DO (wet)、シリアルポート(1 x RS-232 + 1 x RS-485)、Blue Tooth(オプション)、GNSS(オプション)

2) docomo IoT回線管理プラットフォームSIMカード x 1枚の貸出し

3) ICMS SIMカード(TSLプロファイル) x 1枚の貸出し

尚、IoTルータとSIMカードの手配、及び、RCMSアカウント開設、などに約10営業日を要することをご承知おきください。

【参考】1台あたりのIoTマネージドサービス+冗長機能の料金目安 (MOQ: 100台)

100台 x 5年契約 (データ量: 100MB/台/月、RCMS通信量 約30MB/台/月を含む)の場合
本サービス料金目安は税抜の参考価格です。

月額サービス料金/台 IoTルータ サービス内容
¥2,070+α R2100-4L ¥2,070: IoTルータ一式のリース料金、RCMS(IoTルータのリモート管理)サービス、メイン回線(docomo IoT回線管理プラットフォーム

1-3.使用するサービス

ドコモIoTマネージドサービス

1-4.準備する物

ハードウェア

品名 数量 価格 備考
R2100-4L (IoTルータ) 1 トライアル(無料)にて貸出可能
SIMカード 2 トライアル(無料)にて貸出可能
1 x docomo IoT回線管理プラットフォームSIM
1 x ICMS (TSLプロファイル) SIM
有線 LAN ケーブル 2 PCと R2100-4L間の通信、及び、ルータ (PING送出先)とR2100-4L間の通信に使用。
PC 1
  • インターネット接続が可能でWebサイトへの接続が自由であること。
  • Google Chrome などの最新ブラウザーが利用可能なこと。
  • IoTルータの LANポートと接続できること。
ルータ (PING送出先) 1 DHCP対応のWANポートを有するルータであれば可

2.キャリア冗長機能とは?

NTTコミュニケーションズが提供する「キャリア冗長をワンストップで実現」できるソリューションです。

「キャリア冗長をワンストップで実現」できるソリューション

【SIM2枚構成例】

メイン回線にドコモのSIM、サブ回線にICM(S)のSIM(KDDI固定設定)を利用して冗長構成を実現するプランです。

本レシピではこちらの【SIM2枚構成】の動作確認手順を説明しています。

SIM2枚構成例

【SIM1枚構成例】

メイン回線にドコモ、サブ回線にKDDIの冗長構成をICM(S) SIM1枚で実現するプランもございます。

SIM1枚構成例

3.本レシピの実施手順

3-1.作業の流れ

本レシピに沿って作業を実施してください。

  • 本レシピは、冗長化機能の利用方法についてNTTコミュニケーションズが手順をまとめたものです。そのため、本資料の内容に関しては、予告なしに変更が生じる場合があります。
  • 本レシピで操作をした結果の影響については責任を負いかねますので予めご了承ください。

3-2.メイン回線の通信障害を模擬する方法について

R2100-4Lは任意の通信先に対して定期的にPINGを送信し、外部との通信状態をモニタリングしています。
このPINGへの応答が無い場合に、通信断と判断し、サブ回線に切り替える機能を有しています。
実際のメイン回線で通信障害を発生させることはできないため、本コンテンツでは、R2100-4LのLANポートにDHCPクライアントとしてLANケーブルで接続されたルータ機器をPINGの送信先として設定し、LANケーブルを一時的に抜くことによりメイン回線の通信障害を模擬します。

R2100-4L

3-3.SIMカードをIoTルータに取り付け

1) docomo IoT回線管理プラットフォームSIMをSIM1スロットに取り付け

2) ICMS (TSLプロファイル) SIMをSIM2スロットに取り付け

注) SIMカードの取り付けはIoTルータの電源がOFFの状態で行ってください。

SIMカードをIoTルータに取り付け
SIMカードをIoTルータに取り付け

3-4. 付属のACアダプタでIoTルータの電源コネクタと電源を接続

1) IoTルータの電源コネクタとACアダプタを接続

2) ACアダプタと電源ソケット(電源タップ/コンセント)を接続

注) IoTルータの電源ON/OFFは電源ソケット側の挿抜で行ってください。

電源コネクタの位置
電源コネクタの位置

3-5. IoTルータのLANポートとPCを接続

IoTルータのLANポートとPCをLANケーブルで接続してください。

LANポートの位置
LANポートの位置

3-6. IoTルータのLANポートとPING送出先ルータのWANポートを接続

接続例
接続例

3-7. IoTルータのローカルWEB画面にログイン

LANポート接続時の

  • ログインURL: https://192.168.0.1/
  • ログイン ユーザ名/パスワード: admin/admin (デフォルト)
ログイン画面

3-8. Link Managerの設定

Interface > Link Manager > General Settingsで下記のように設定 > Submit > Save & Apply

  • Primary Link = WWAN1 //メイン回線
  • Backup Link = WWAN2 //サブ回線
  • Backup Mode = Cold Backup //PING無応答時→メイン回線切断→サブ回線接続
  • Revert Interval = 5 //単位:分、サブ回線接続後にメイン回線に切り戻すまでの時間
Link Managerの設定

3-9. Link Manager SIM1 (WWAN1)の設定

Interface > Link Manager > Link SettingsでWWAN1の編集ボタンをクリック

Link Manager SIM1 (WWAN1)の設定

ポップアップのPing Detection Settingsで下記のように設定

  • Enable = ON //PING送出有効
  • Primary Server = 192.168.0.x //PING送出先1
    (本コンテンツではR2100-4LのLANポートにDHCPクライアントとしてLANケーブルで接続されたルータ機器に払い出されたIPアドレスを設定) ※
  • Secondary Server //PING送出先2 (本コンテンツでは設定しない)
  • Interval = 60 //単位:秒、PING送出間隔
  • Retry Interval = 5 //単位:秒、PINGリトライ間隔
  • Timeout = 3 //単位:秒、PINGタイムアウト
  • Max Ping Tries = 1 //単位:回、PINGトライ回数 (本コンテンツではリトライ無し→失敗1回で回線切り替え)
Link Manager SIM1 (WWAN1)の設定
  • PING送出先ルータのIPアドレス確認方法

Interface > LAN > Statusタブで確認

Link Manager SIM1 (WWAN1)の設定

ポップアップのWWAN Settingsで下記のように設定 > Submit > Save & Apply

  • Automatic APN Selection = OFF //APN自動設定無効
  • APN = internet.dcmm2m.com //SIM1のAPN、docomo IoT回線管理プラットフォームSIM
Link Manager SIM1 (WWAN1)の設定

3-10. Link Manager SIM2 (WWAN2)の設定

Interface > Link Manager > Link SettingsでWWAN2の編集ボタンをクリック

Link Manager SIM2 (WWAN2)の設定

ポップアップのPing Detection Settingsで下記のように設定 (SIM1の設定と同じ)

  • Enable = ON //PING送出有効
  • Primary Server = 192.168.0.x //PING送出先1 (本コンテンツではR2100-4LのLANポートにDHCPクライアントとしてLANケーブルで接続されたルータ機器に払い出されたIPアドレスを設定)
  • Secondary Server //PING送出先2 (本コンテンツでは設定しない)
  • Interval = 60 //単位:秒、PING送出間隔
  • Retry Interval = 5 //単位:秒、PINGリトライ間隔
  • Timeout = 3 //単位:秒、PINGタイムアウト
  • Max Ping Tries = 1 //単位:回、PINGトライ回数 (本コンテンツではリトライ無し→失敗1回で回線切り替え)
Link Manager SIM2 (WWAN2)の設定

ポップアップのWWAN Settingsで下記のように設定 > Submit > Save & Apply

  • Automatic APN Selection = OFF //APN自動設定無効
  • APN = mobile //SIM2のAPN、ICMS (TSLプロファイル) SIM
Link Manager SIM2 (WWAN2)の設定

3-11. Cellular (SIM2)の設定

Interface > Cellular > Advanced Cellular SettingsでSIM2の編集ボタンをクリック

Cellular (SIM2)の設定

ポップアップのCellular Network Settingsで下記のように設定 > Submit > Save & Apply

  • Manual Operator Selection = ON //SIM2のマニュアルPLMN(キャリア)選択設定有効
  • Primary PLMN = 44051 //第一PLMN:kddi
  • Secondary PLMN = 44051 //第二PLMN:kddi
  • Check Revert Interval = 0 //第二PLMNから第一PLMNへの自動切り戻し設定無効

補足:

SIM2のICMS (TSLプロファイル) SIMはマルチキャリア(docomo:44010、kddi:44051)のローミングに対応したSIMですが、本コンテンツでは第一PLMNと第二PLMNの両方にkddi:44051を設定することで、SIM2をkddiに固定しています。
これにより、SIM1(メイン回線)はdocomo専用、SIM2(サブ回線)はkddi専用というかたちでの冗長構成を実現しています。

Cellular (SIM2)の設定

3-12. メイン回線の通信障害を模擬→サブ回線への切替えを確認

Interface > Cellular > Statusタブで

  • Current SIM: SIM1
  • Network Provider: NTT DOCOMO

と表示されていることを確認
(表示情報を更新するにはStatusタブを再度クリック。)

サブ回線への切替えを確認

正常時のLEDの状態を確認。

  • 「RUN」LEDが点滅
  • 「MODEM」「NET」「電波状態」LEDが点灯
正常時のLEDの状態

メイン回線での通信障害を模擬するため、PING送出先ルータと接続されたLANケーブルを抜く。

PING送出先ルータと接続されたLANケーブル

LANケーブルを取り外した後、0~60秒の間に先ずMODEM LEDが消灯、その数秒後にNET LEDと電波状態LEDが消灯し、LTEモジュールのリスタート開始

MODEM LEDが消灯
NET LEDと電波状態LEDが消灯

LTEモジュールのリスタート開始を確認したら、すぐにPING送出先ルータと接続するLANケーブルを元に戻す。
(本コンテンツではサブ回線(SIM2)でもメイン回線(SIM1)と同じPING送出先からの応答で通信状態をモニタリングしているため)

PING送出先ルータと接続するLANケーブルを元に戻す

LTEモジュールのリスタート開始から約1~2分で、先ずNET LEDと電波状態LEDが点灯し、次にMODEM LEDが点灯してサブ回線(SIM2)での再接続が完了。

再接続が完了

Interface > Cellular > Statusタブで

  • Current SIM: SIM2
  • Network Provider: KDDI

と表示されていることを確認。
(表示情報を更新するにはStatusタブを再度クリック。)

Statusタブで

3-13. メイン回線への切戻しを確認

本コンテンツでは、

  • Revert Interval = 5 //単位:分、サブ回線接続後にメイン回線に切り戻すまでの時間

と設定されているので、約5分後にサブ回線(SIM2)からメイン回線(SIM1)に切戻ることを確認。
先ずMODEM LEDが消灯、その数秒後にNET LEDと電波状態LEDが消灯し、LTEモジュールのリスタート開始。
LTEモジュールのリスタート開始から約1~2分で、先ずNET LEDと電波状態LEDが点灯し、次にMODEM LEDが点灯してメイン回線(SIM1)での再接続が完了。

Interface > Cellular > Statusタブで

  • Current SIM: SIM1
  • Network Provider: NTT DOCOMO

と表示されていることを確認
(表示情報を更新するにはStatusタブを再度クリック。)

メイン回線への切戻しを確認

4.IoTマネージドサービストライアル注意事項

  • 本トライアルは導入予定のある法人のお客様を対象としています。
  • 受付及び返却受付時間は、平日9:00~17:00とします。
  • トライアル期間は最長1カ月とします。
  • 本貸与品の使用場所は日本国内に限ります。
  • 本貸与品は検証の目的に限り貸与致します。検証以外の利用は禁止させていただきます。目的外利用がなされた場合、当該目的外利用分の通話・通信料金等をお客様へ請求させていただきます。(トライアル中のデータ通信量の上限:1GB)
  • 弊社は、目的外利用の有無及び利用料金を確認する為、貸出機器の通話・通信明細書を確認させていただくことがあります。
  • 本貸与品の発送は、本書の申込担当者の住所とし、個人宅への発送は行えません。
  • 本貸与品の設置は、お客様自身で行っていただく必要があります。
  • 本貸与品は適した環境(屋内、ドコモLTE電波環境、温度-20℃~50℃)で水気の無い場所でご使用ください。
  • GW機器にSIMを挿入した状態で貸与致します。お客様でのGW機器のSIMの抜き挿しは禁止させていただきます。
  • 本貸与品を紛失・盗難された場合、直ちに弊社担当者へご連絡いただくとともに、利用停止等第三者による不正利用を防止する措置を講じて下さい。
  • 本貸与品を紛失・盗難または破損された場合、破損の度合いに関わらず機器代金の実費を請求させていただきます。

以上

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