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医療・ヘルスケアに特化したIoTは、IoMT(Internet of Medical Things)とも呼ばれます。さまざまな医療機器やデバイスをインターネットに接続し、医療データの収集・解析を行う技術で、世界的に注目が集まっています。
IoMTが注目される背景には、医師や看護師の慢性的な不足があります。とりわけ地方では、その傾向が顕著に現れています。地域では専門医を育成できる環境が十分でないことなどから、医師は東京をはじめとする都市部に偏在しているのが現状です。そのため一層医師・看護師不足が深刻化し、分野によっては救急をはじめとした医療の提供が困難である地域も少なくありません。
医師や看護師が不足する大きな理由として、常態化する過重労働も挙げられます。特に病院勤務の医師は、以前から深刻な長時間労働が指摘されてきました。長時間の過重労働は、当然ながら心身の健康へ悪影響を及ぼし、医師の離職を招きます。それだけでなく、医師の判断能力を低下させ、医療事故の要因にもなります。
そのため2024年4月から、医師の時間外・休日労働の上限規制が開始されることになりました。しかし、それだけでは根本的な解決になりません。安全な医療を提供するためには、業務を最適化した上で、医師と看護師などのコメディカル(パラメディカル)が業務を適切に分担することが求められます。
こういった状況の中、業務の最適化に有用だと注目されているのが、IoMTです。IoMTを積極的に活用することで、医師とコメディカルの負荷を軽減し、適切な医療を持続的に提供することにつながると期待されています。
新型コロナウイルス感染症の流行下で「オンライン診療料」が新設されたことも要因となり、徐々に医師・患者間での「遠隔診療(リモート診療、オンライン診療)」も活用され始めています。IoTが医療現場に普及することによって、へき地・離島の住人も適切な医療にアクセスしやすくなると期待されています。病気・老齢・障害などで医療機関への通院に支障がある人にとっても有益です。
手首や指など身体の一部に装着し、体温や血圧、心拍数、血糖値、睡眠などの生体情報を測定しデータ化する機器は、ウェアラブルデバイスと呼ばれます。スマートウォッチなどがその代表的な例です。これらのデバイスによって生体データを常時収集・蓄積することで、状態に応じた医療の早期介入などにつなげられます。
例えば高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、個々の患者に適した治療計画にもとづく、きめ細やかな管理が必要です。しかし、生活習慣病の大きな要因が医師の管理が行き届きにくい生活習慣そのものであるというジレンマがありました。ウェアラブルデバイスで日々のデータを得ることで、医師と患者間での情報共有が正確かつ容易になり、より適した治療が実現できると期待されています。
薬剤投与に関するインシデント・アクシデントの防止にもIoTは有用です。代表的なのが、電子処方箋です。対応している医療機関はまだ限られているものの、電子処方箋管理サービスに医師が処方箋を登録し、薬局が処方箋を取得することで、紙の処方箋によるやり取りが不要になります。電子版のお薬手帳を用いることで、薬剤師が重複投薬の有無も確認でき、災害時の処方もスムーズです。
また、例えばIoT機能を備えた身長体重計のデータを直接電子カルテに取り込み、医師が設定した薬剤が過量である場合にアラートを出す機能を用いれば、薬剤投与量の設定ミスの削減が可能です。また、RFID(Radio Frequency Identification)を活用することで、薬剤の誤投与リスクを低減する仕組みも存在します。RFIDとは、電波でRFタグのデータを非接触で読み取り、効率的に識別・管理を行うシステムで、薬剤チェックや患者認証の際に有効です。
より質の高い医療を提供するために、PHRを含めた医療データを利活用する取り組みも始まりました。PHRはPersonal Health Record(パーソナルヘルスレコード)の略で、個人の健康に関する各種情報を意味します。個人の薬剤情報、手術・移植や透析の情報、予防接種履歴、検診の結果、電子カルテ情報、介護情報、ウェアラブルデバイスから得られたデータなどが含まれます。これらのデータを、医師をはじめ看護師、薬剤師、介護士、管理栄養士などが適切に共有することで、より最適な治療へとつなげられます。転院の際のデータ提供も容易です。
また、IoTデバイスから得られた膨大なデータは、事前同意の上、知見創出のツールとして活用されています。例えば、パーキンソン病、心臓病、2型糖尿病、双極性障害などの研究、新しい医薬品の開発や臨床試験にも欠かせないものとなっています。
医療現場へのIoT導入は、医師や看護師の負担軽減にもつながります。リモート会議やリモートカンファレンスなどは、すでに一般的なものとなりましたが、現在はさらにIoTの利活用が前進しています。
例えば在宅医療では、訪問と遠隔診療を組み合わせることで、経過観察の頻度を高めながら、医師の負担を軽減することが可能です。また、さまざまな診療科で不可欠な画像診断をAIが支援することで、読影時間の削減・業務効率化をめざす技術の開発も活発化しています。RFIDを医薬品ボトルに埋め込むことで、与薬時の「誰に・どういった医薬品を・誰が投与するか」という三点確認を瞬時に行えるため、看護師の業務負荷軽減につながります。
タスクシェア、タスクシフトを推進すると同時に、このようにIoTを活用することで、医療現場の負担が軽減され、結果的に人材不足の解消にもつなげられると期待が集まっています。
IoTの導入にはシステム構築・運用費などの一定のコストがかかるものの、組織の課題と目的に合ったシステムを構築・運用することで、中長期的にはコストを上回るメリットや人件費の低減が期待できます。IoTを活用して適切な医療を円滑・安定的に提供できれば、医療機関として一層の価値向上につながり、結果として持続的な収益をもたらします。
また、医療機器の稼働状況と稼働場所などのデータをIoT機器で収集することにより、医療機器の適正台数・適正配置を再検討し、最適化につなげることも可能です。また、ベッドサイドでの稼働実績を把握することで、診療報酬の請求漏れの減少にも寄与します。
IoTは常時インターネットに接続される仕組みであるため、サイバー攻撃への備えは常に万全にしておかなければなりません。言及するまでもありませんが、PHRなどを含む個人情報が一度でも漏えいすると、社会的な信用まで大きく損ねる事態となります。
しかし、日々巧妙化するサイバー攻撃への対策を常にアップデートするのは容易ではありません。そのため、適切なサードパーティーにセキュリティ面も含めた保守・運用を依頼することを検討することも求められます。
IoTを導入するにあたって、求める機能と構成によっては、システム構築にかかる費用が高額になる可能性があります。端末本体や、端末に搭載するセンサー、SIMも同様です。また、IoT機器で得られる膨大なデータを蓄積するクラウドやサーバーの費用負荷も、容認可能な範囲であるか考慮しなくてはなりません。導入したIoT機器を活用するためのトレーニングにかかる費用と期間も、あらかじめ協議する必要があります。
IoTシステムの立ち上げにかかるのは、経済的なコストだけではありません。セキュリティポリシーや障害発生時の対応方針など、各事項の取り決めにかかる時間的・作業的なコストも見込む必要があります。
IoTを含めた先端技術の知見がある人材は絶対数が少なく、獲得競争が激化しています。そのため、高度なスキルを備えたIT人材を採用することは非常に困難です。したがって、IoT機器のアーキテクチャ設計から運用・保守は組織自らが行うよりも、それを専門とするサードパーティーへ依頼する方が確実です。一方、組織内では、IoTを利活用するために、医療現場の実態に即したプロセスやフローに精通した人材確保も必要となります。
IoT機器においては統一された通信プロトコルがまだ存在しないため、新たなIoT機器を既存システムと連携させる際に、設計・構築の難易度が高くなるケースがあります。また、将来的には可能になると期待されているものの、遠隔地からの外科手術など、現在では技術的に困難である領域もあります。
IoTは無制限に活用できるわけではありません。新たな技術であるため、厚生労働省が発表している「オンライン診療の適切な実施に関する指針」などを踏まえて、適切に導入を進める必要があります。例えば同指針では、遠隔診療は対面診療と適切に組み合わせることが基本で、「(新たな症状も含めた)初診については『かかりつけの医師』が行うことが原則」とされています。遠隔診療のみで処方すべきでないとされている医薬品もあります。
参照元:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(https://www.mhlw.go.jp/content/001126064.pdf)
IoTは、遠隔診療に欠かせません。ただし現在、遠隔診療はあくまで対面診療の補完的手段の1つで、オンラインで行える検査も限定的です。しかし、今後新たな遠隔医療技術が実用化されることで、遠隔診療の可能性が大きく広がると期待されています。高精細映像の超高速伝送をはじめ、遠隔地から触診を行えるデバイス、遠隔地からのロボット操作、脳波測定デバイスなどの実現に向けて開発が進められています。
また2024年1月より、オンライン診療を行う場所の要件が緩和され、自宅だけでなくデイサービスなどからのオンライン診療が可能になりました。これにより、持病の薬を受け取ることなどが従来よりも遥かにスムーズになります。
身近なIoT機器として、高齢者の「見守り」を行う家電があります。高齢者が家電を操作したデータを取得・蓄積し、別の場所で暮らす家族などに自動で通知する仕組みです。一定期間にわたって家電の操作が確認できない場合は異常とみなし、アラートが届く製品もあります。医療機関においては、ベッドに内蔵したセンサーによる転落・転倒の予防、術後の回復モニタリングにもIoTが使われています。
医療従事者間が相互に支援などを行う「DtoD(Doctor to Doctor:医師と医師)」「 DtoN(Doctor to Nurse:医師とコメディカル)」「 NtoN(Nurse to Nurse:コメディカルとコメディカル)」と呼ばれるモデルも、IoTによって従来から展開されてきました。例えば、「クリニックの産科医がエコーで取得した胎児の画像を、遠方の大学病院の専門医が解析し、出生後の病態予測を行う」「救急隊員が得たデータを搬送先の病院に共有する」といったことがこれらのモデルに該当します。
医療現場におけるウェアラブルデバイスの市場は、急速な拡大・発展を遂げています。それに伴い、新たなデバイスが相次いで登場しています。
例えば、血糖値の測定器はその代表例です。これまで糖尿病患者は、日々自分自身で指先穿刺による血糖測定を行う必要がありました。しかし近年、着用するだけで痛みなく血糖値を測定できるデバイスが生まれました。測定へのためらいが軽減されるため、血糖変動や低血糖などの把握が容易になります。
ウェアラブルデバイスは、疾病の予防・早期発見の観点からも有用です。生体データを日々モニタリングすることで、何らかの異変が生じた際、ほぼリアルタイムで感知することが可能です。感染症の兆候を早期に感知できれば、院内感染のリスク低減にもつなげられます。
IoT機器の通信方法はさまざまであり、環境・用途や目的に合わせて適切なものを選択する必要がありますが、院内のLANとは独立したネットワークを構築したい場合や、さまざま場所に点在するIoT機器に導入したい場合にはモバイル通信回線が有効です。
NTTコミュニケーションズが提供するIoT向けモバイル通信サービス「IoT Connect Mobile® Type S」は、用途やセキュリティ要件に合わせて接続方式を選択でき、PHRを含む個人情報を多く扱う医療現場において、情報漏えいなどのリスクを低減しながらIoTネットワークを構築することができます。また、SIMはカードタイプだけではなく、チップタイプのSIMにも対応しており、ウェアラブルデバイスなどの小さな機器への搭載も可能です。SIMは1枚から購入でき、最小コストで運用ができるため、スモールスタートにも適しています。
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医療分野のIoTは、IoMTとも呼ばれています。この技術を医療現場で積極的に利活用することで、医師や看護師の業務負荷が軽減されると同時に、より医療の質が向上することが期待されています。
IoTの導入は大きなメリットにつながりますが、機器・ネットワークの選定やシステム構築などに、費用的・時間的なコストがかかることも少なくありません。コストを最小限にとどめてIoTの導入を開始したい場合は、小さな端末にも搭載可能なチップ型SIMなどを選定できる「IoT Connect Mobile® Type S」がおすすめです。
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NTTコミュニケーションズが提供する「IoT Connect Gateway」は、IoTデバイスの処理負荷やデータ量を気にすることなく、クラウド側のインターフェース仕様に合わせて簡単・セキュアにクラウドプロトコル変換やリモートアクセスなど、豊富な機能から必要なものを選択してご利用いただけます。
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