運行日報・運転日報の義務化の理由とは?
日報作成を効率化する一手!

5台以上の商用車(法人向け車両、営業車、社用車、送迎車、業務車両、事業用自動車など)を持つ事業所に選任が義務付けられている安全運転管理者。その安全運転管理者が行う主要業務が運行日報・運転日報の作成です。とはいえ、運行日報がきちんと管理されていない事業所も少なくないようです。その要因とはどのようなものなのでしょう。

運行日報をつけなければならない理由とは 5台以上の商用車(法人向け車両、営業車、社用車、送迎車、業務車両、事業用自動車など)を持つ事業所に選任が義務付けられている安全運転管理者。その安全運転管理者が行う主要業務が運行日報の作成です。とはいえ、運行日報がきちんと管理されていない事業所も少なくないようです。その要因とはどのようなものなのでしょう。

安全運転管理者の不在が巻き起こした悲劇

2021年6月28日、千葉県八街市で下校中だった小学生の列にトラックが飛び込み、5人の死傷者が出た事故をご記憶の方も多いのではないでしょうか。現行犯で逮捕された運転手の男の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出され、飲酒運転であることが判明。運転していたトラックは自家用の白ナンバーで、実は国土交通省の許可を受けた事業用の緑ナンバーのように運転手のアルコール検査は義務づけられていません。

白ナンバー、緑ナンバーに限らず商用車(法人向け車両、営業車、社用車、送迎車、業務車両、事業用自動車など)を5台以上保有する事業所には道路交通法で安全運転管理者(以下、管理者)の専任が義務づけられています。一般的に管理者を選任後、管轄の公安委員会に届け出て、年1回の講習を受ける必要があります。しかし罰則が罰金5万円以下と軽いこともあり、管理者を選任していない事業所は少なくありません

管理者には、安全運転の確保を目的に運転者に対して交通安全教育の実施が義務づけられています。さらに始業前に運転者への点呼によって車両点検の実施状況、飲酒、過労、病気などの理由による正常な運転ができない状況を確認し、安全運転の確保に必要な指示を与えることなども定められています。もし、事業所に管理者がいたら八街市のような事故は未然に防げたに違いありません。あるいは事故に至らずとも、昨今急増するあおり運転の防止対策としても、管理者の選任は早急に行うべきでしょう。

「運行日報」の作成・管理が安全運転管理業務には不可欠

管理者が主導すべき安全運転管理業務の1つとして義務化されているのが運転者による運行日報の管理です。管理者は道路交通法施行規則にもとづき「運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させる」義務があります(運行日報の保存期間は最低1年間とされています)。つまり、運行日報は管理者だけではなく、運転者を巻き込み、事業所全体で取り組む必要があります。

運行日報の書式には、決められたフォーマットはありません。記入すべき項目が網羅できていれば紙でもExcelなどのデータでも構いません。記入項目は運転者の氏名や運転した車両の登録番号、乗務の開始および終了の日時と地点、走行距離、経過地点など。さらに長時間運転する場合には、休憩や睡眠をとった地点、日時も記入します。交通事故や渋滞による遅延発生などの不測の事態が起きた場合は、その概要や原因も書き込む必要があります。

記入項目が多くて面倒と感じるかもしれませんが、運行日報を作成していれば日々の車両や運転者の状態を把握でき、事故や危険運転が抑制できる効果があります。さらに燃費向上車両の適正利用の推進といった安全面以外のメリットもあります。このように、事業者にとっていいことずくめの運行日報ですが、実務的な課題があるのも事実です。

「業務負担が増える」「記入内容に個人差」
日報作成を効率化する一手

たとえば紙ベースの日報を手書きで作成する運転者からは「仕事後に帰社して日報を書くのが大変」「多忙な業務内で日報作成に時間が割かれる」といった声があります。運転業務に関連することとはいえ、日々記入項目の多い日報を作成する稼働に不満を感じるケースが多いようです。一方、手書きの日報を取りまとめる管理者からも「手書きの日報は精度に個人差がある」「データ化に手間がかかる」といった問題点が指摘されています。さまざま筆跡を読み解き、不備を確認し、データ入力する手間が負担となっているようです。

このような運行日報の課題を劇的に解決できるデジタルツールがあるのをご存じでしょうか。車両運行管理サービスと呼ばれるもので、各社からリリースされています。たとえば、NTT Comが提供する「Vehicle Manager®」は、通信機能、GPS機能内蔵の小型車載器を車両に設置するだけで運行日報が自動作成できるようになります。

動画で見る「Vehicle Manager®」機能紹介

これまで運転者が帰社後に手書きで記入していた日報作成は不要になり、運転者のみならず、多拠点展開する事業者の場合、各営業所などからの日報の提出工数の削減にもつながります。すべての運転者の日報が、管理者のもとにPDFなどのデータで届くため管理者にも大きなメリットが生まれます。手書きでは個人差のあった日報の精度が向上し、データ利活用が容易なCSV出力にも対応しているため、それまで管理に求められた煩雑な稼働も大幅に軽減できるでしょう。そのうえペーパーレス化も図れるため、環境への負荷も軽減できます。

さらに「Vehicle Manager®」では、運転傾向分析や車両稼働実績などをWebアプリケーション上で閲覧・管理でき、車両運行状況の管理や安全運転の確保が容易になります。あおり運転につながる危険な行為も抑止できるため、交通事故削減による事故処理費用や自動車保険料などの関連コストの削減、エコドライブによる燃料費削減にもつながります。長期的には各車両の走行ルートも可視化できるため、ルートの最適化による配送効率の向上などの効果も見込めます。

コロナ禍に対応した新しい働き方が求められるニューノーマル時代の中、従来の手書き日報の撤廃を皮切りに、安全運転管理を取り巻く環境を抜本的に見直してみてはいかがでしょうか。

  • 2021年8月31日時点の情報をもとに制作しています。

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