年度末となる3月は交通事故が多く発生する傾向
2020年、2021年の交通事故発生件数を月別にみると、2020年は最も多いのが12月で、続いて10月、11月、3月が続きます。2021年は12月、11月、10月、3月の順になっています。いうまでもなく年度末の3月は、交通事故が多発する時期であり、未然に防ぐための細心の注意が求められます。
加えて年度末は仕事が集中する繁忙期であるため、ドライバーの運転に「先急ぎの心理」が発生しやすいと考えられます。この心理に陥ると、追い立てるように前車との車間距離を詰める、信号の変わり目に強引に交差点を通過するなどの危険な運転をする傾向があるようです。さらに、運転に必要な情報の見落としや、自分に都合のいい判断を行ってしまうなど、交通事故のリスクが高まります。安全運転管理者には、こうしたリスクを最小化させる効果的な対策が求められるのです。
安全運転管理者が、すぐに始められる対策としてはドライバーへの指導監督です。たとえば運転に十分な時間的余裕を持たせるために「急ぎの要因をつくらない」、急ぎの運転をしても短縮できる時間はわずかである反面、交通違反や事故の可能性が高くなるという「急ぐのは得にならないこと」を周知する、急いでいるときこそ「信号よし」「交差点よし」「横断歩道よし」といった「呼称運転」を徹底させることなどです。これらで一定の効果は見込めますが、ドライバーの性格や運転スキルなどはそれぞれですので、異なる視点からの交通違反・事故リスクの対策も不可欠になります。