厳罰化されてもあおり運転が減らない理由とは
あおり運転は令和2年6月30日から妨害運転罪として罰則の対象となった違反行為です。罰則は重く、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、加えて違反点数が25点のため、運転免許は即取り消しになります。さらに著しい危険を生じさせた場合は5年以下の懲役または100万円以下の罰金、違反点数も35点(欠格期間3年)とより厳しい罰が課せられます。
令和2年11月27日には、トラックなど自動車運送事業者の行政処分の対象となる事項にあおり運転が追加されました。これによりトラック、バス、タクシーなどの事業用自動車が酒気帯び、酒酔い、薬物陽使用、無免許、ひき逃げといった悪質違反を起こした場合と同様、あおり運転を起こしたドライバーに加えて事業者も行政処分の対象となります。さらに運行管理者資格者証の返納命令処分についても、過労運転などとともにあおり運転が対象に追加されました。
このように厳罰化されてもなお、あおり運転が減らない理由はどこにあるのでしょうか。大前提として考えられるのは、ドライブレコーダーが普及したことで立証が容易になったことです。こうした技術面の進歩に加えて、ドライバーによって妨害運転罪についての認識に差があることにも原因があります。自社のドライバーがあおり運転の加害者になっても、被害者になっても事業に大きな影響が出ることを考えた場合、まずは事業者あるいは安全運転管理者が、あおり運転に該当するパターンをしっかりと把握し、周知を徹底すべきでしょう。